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鉱物の部屋へのいざない

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黄鉄鉱2

2012-07-20 11:21:13 | 日記・エッセイ・コラム

今日は黄鉄鉱2です。

黄鉄鉱の魅力はやはりその多面体的な形にあると思います。

黄鉄鉱の結晶系は等軸晶系の鉱物で、軸率1:1:1の直角座標系で記載され、対称性が高く、その形態は立方体が基本です。

立方体が基本であると言っても、その形のヴァリエーションは多く、正四面体以外の四つの正多面体すべての形をとります。(十二面体は疑似正十二面体ですが)もちろんそれらの中間的な形態は連続的にあり得ますので、その形は無限にあると言っても良い位に多様です。

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スペイン ナバフン鉱山 産の黄鉄鉱(Pyrite)

写真はほぼ完全な立方体です。このもっとも美しく分かり易い形が基本形です。

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トルコ産の黄鉄鉱(Pyrite)

写真は正八面体です。正八面体も美しい魅力的な形です。黄鉄鉱は世界各地で産出します。正八面体結晶もいたる所から産出しています。

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産地不明の黄鉄鉱(Pyrite)

写真は疑似正十二面体です。立方体の各面に家の屋根を付けたような形でひとつの面が五角形になっています。一面が美しい正五角形のものはなかなか見つかりません。

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石川県小松市 尾小屋鉱山産の黄鉄鉱(Pyrite)

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ペルー Huanzala 産の黄鉄鉱(Pyrite)

写真は正二十面体です。正確には疑似正二十面体で、三角二十面体結晶と言っています。私のコレクション歴ではこの三角二十面体が最後に見つかりました。それも我が故郷の尾小屋鉱山産だったのでうれしさ倍増でした。10年前くらいの京都ショーの時です。標本ラベルには京都科学標本株式会社の名前が入っていました。古そうな標本で恐らく尾小屋鉱山がまだ稼働していた頃のものだろうと思われます。そしてその尾小屋鉱山産の黄鉄鉱を入手した同じ時期にその下の写真のペルー産の黄鉄鉱を入手しました。意外と探せば見つかると思いました。

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中国産の黄鉄鉱(Pyrite)

この写真は立方八面体(ベクトル平衡体)の黄鉄鉱です。実際の結晶はやや歪な形をしておりますが、それを見るこちら側の補正イメージで微調整して形を見ると、立方八面体である事が分かります。黄鉄鉱に限らず、実際の鉱物結晶には完全な形のものは存在しません。それを見ながらイデアの形をイメージしながらその形を見る事が必要です。

黄鉄鉱の形はこれらの多面体的な形以外にも様々な形で産出します。

明日はまた違った視点から黄鉄鉱を見てみたいと思います。

コメント
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