ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

石川県鉱物同好会 忘年会

2013-12-30 13:59:06 | 日記・エッセイ・コラム

今日は今年の「石の華」の最終営業日です。今年1年間、ありがとうございました。来年も宜しくお願い申し上げます。

さて、昨日は営業終了後、ポルテ金沢の地下1階の居酒屋で石川県鉱物同好会の忘年会を行いました。会員12名と特別参加のサイエンスヒルズこまつの関係者3人とで総勢15人の大忘年会です。実は昨年も同規模の忘年会を行いました。何となく今後も恒例化しそうな雰囲気です。

山本会長の乾杯の音頭の後、すぐに飲み会になりました。今年は昨年行ったような石の品評会は止めて、飲みニケーションに徹しました。ただ、この種の忘年会では、どうしても石の話題に花咲いてしまいます。

飲みながらの石談義は非常に楽しい時間です。飲み放題の2時間はアッという間でした。

飲みながらも、印象的だったのはYさんが持ってきてくれた小坂鉱山で使用されていた鑛山燈の現物です。私は初めて見ました。真鍮製で出来たそのランプはきれいに磨かれていて新品のようでした。私は洞窟探検家の吉田勝次さんと一度、岐阜県の珊瑚洞に入った事があるのですが、その時、吉田さんがアセチレンランプを使っていたのを思い出しました。鑛山燈は同じ種類のものだと思います。それには時代を超えて愛用される理由があるのだろうと思います。

それから、Nさんが持ってきてくれたThe Mineralogical Recordのバックナンバーです。何冊かありましたが、そのどれもに信じられない鉱物結晶の写真が満載でした。この種の外国製の鉱物雑誌を見ると、いつもながらカルチャーショックを受けます。どうしても店の標本と比較してしまい精神衛生上はあまり宜しくないのかも知れません。

昨日は皆さんと様々な情報交換が出来ました。このようなコミュニケーションの機会はもっと多くしなければならないのかも知れない、と思ってしまいました。

閉会は河合副会長の一本締めでした。

来年は同好会も3年目を迎えます。会長の交代も予定しており、同好会の節目の年になりそうです。

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石材

2013-12-28 16:20:02 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「石材」です。過去に一度「小松の石材」というタイトルで書いておりました。

今朝の北陸中日新聞を読んでいると「あの名建築に小松産」という見出しで「日華石」の特集記事が載っていました。「日華石」は小松の尾小屋鉱山資料館に行く道の途中、左側に見える黄色がかった岩肌の採石場で採れる観音下石(かながそいし)の事です。

記事では国会議事堂や旧前田侯爵邸洋館で使われている事が書かれていました。「日華石」は全国の有名建築に使われている事で有名ですが、私がそれらの中で、特に気に入っている建築物としては、やはり武庫川女子大学甲子園会館(旧甲子園ホテル)です。その設計はフランク・ロイド・ライトの愛弟子であった遠藤新でした。そのライト的建築空間と幾何学文様や日本的意匠のレリーフ表現には魅せられます。

先日、TV番組「美の巨人たち」の「自由学園明日館」を見ていて、フランク・ロイド・ライトがその完成を見ずして帰国した後、遠藤新が引き継いだ事を知りました。確かにライトと遠藤新の設計は同一人物が設計したように同化していると思います。事前の情報なしで彼らが設計した建築物を見ると、どちらの設計なのか?区別がつかなくなります。それほど似ていると思います。そのふたりとも小松の石材を好んで使った事は喜ばしい事だと思います。

石好きが高じると、その興味の範囲は広がってゆき、その対象は石材にも及びます。私が建築に興味があるのは主にそのデザインにあるのですが、建築物への興味はどうしても、その建材の方へも向いてゆきます。

今日は「石材」です。

Photo
石材 ブルーパール
Photo_2
石材 エメラルドパール

上の写真は建材見本です。ブルーパールの方はラルビカイト(月長石閃長岩)です。この石はどことなくラブラドライトにも似てシラーのような輝きがあり、ブレスレット用のビーズとしても使われています。もうひとつはエメラルドパールという石材です。両方とも御影石としては高価な石材です。そのムーンストーンのような輝きが美しいと思います。

どうして、ここにそのような石材見本があるのかというと、私の友人に建設会社に勤めている友人がおり、その友人が私の石好きの事を知っており、石材見本の廃棄の際に譲ってくれたのです。その時、写真の二つ以外にも多くの石材見本が送られてきました。それらは10cm角程度の小さなものですが、種類が多いので、合計の重量は10キロ位はあると思います。そのような石材見本も何かの役に立たないか?とも思っております。

そう言えば、「石材の事典」という本があるらしいのですが、私はその本は持っておりません。それと「銀座は世界の石材見本」というような本を持っていたのですが、先ほど自宅の書庫を探しましたが見つかりませんでした。石材見本は建築材の見本ですから、確かに完成された建物にはふんだんに使われています。そういう視点でビルの壁などを見るのも一興かも知れません。それは都会のビルの壁面などで化石探しをする事に通じる事だと思います。

来年閉店するラブロ片町(旧大和本店)の南側階段の3階から6階までの大理石製手すりにはアンモナイトの化石がたくさん見られます。それはビル化石としても保存されるようですが、建築材の中には貴重な天然石も含まれており、そのような石材も人の歴史を付加しながら後世に伝えられていくのです。

「石の華」のお客さんの中に岩石の薄片をコレクションしているという人がいました。岩石薄片は偏光顕微鏡で見ると美しい姿を現します。それは極彩色の色や形のアートです。そこには石の別世界があると言えます。コレクターがいても不思議ではありません。そのコレクションは石の研究目的というよりも「石の美」のコレクションと言えるものです。

石材見本も肉眼的な「石の美」に相通じるものがあるかも知れません。石材見本から薄片を作る事もできます。また、石材見本を加工して勾玉等を作ることも可能です。

一度は捨てられる運命だった石材見本、何かの役に立ちそうです。

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うれしいお客さん7

2013-12-26 14:01:30 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「うれしいお客さん7」です。

今日は開店早々からお客さんがありました。普段の午前中はゆったりした時間が多いのですが、今朝はクリスマス飾りの撤去などをやっていると、そのお客さんがいらっしゃいました。

実は、そのお客さんはクリスマスイブの日にもお子さんと一緒にいらっしゃいました。その時は、お子さん用の石を購入されたのですが、自分用に気になっていた石があったらしく、その石が残っているかが心配ですぐにいらっしゃった、との事でした。幸い、お目当ての石は残っておりました。「良かったです。子供も大喜びでした。」というお言葉があり、こちらも大喜びしました。

今日は久々に「うれしいお客さん」です。過去に「うれしい来客」を何度か書いており、その続編「うれしいお客さん」というタイトルも7回目となります。ありがたい事です。

石のお店をやっていて一番うれしい事はお客さんが喜ぶ事です。お客さんに喜んで頂くと、商売抜きにうれしくなります。

「石の華」の石は元々は私のコレクションだった石達です。今では妻が仕入れてきた石達も多くなり、それらの方が良く動いているのですが、まだまだ店にある大半はそうしたものです。それらは私が選んできた「イッコシカナイキセキ」の石達です。全ての石は「イッピンモノ」で、同じものは二つとありません。「石の華」は究極のセレクトショップだと思っておりますし、私の審美眼で選んできた石しかありません。

そのような石を選んで喜んで頂ける事は非常にうれしい事です。そこには商売以上に価値観の共有という大切なものがあると思います。お客さんの笑顔はその日の売上以上にうれしい事だと思います。

そう言えば、先ほどのお客さんからもうれしいお言葉を頂きました。それは「欲しい石がたくさんあり困ってしまいます。宝くじが当たったら店ごと買いたいです。」また、「ここにある石達は宝くじに当たるよりも貴重なものが多いと思います。」非常にうれしいお言葉でした。

確かに「石の華」にある石達は化石にしろ鉱物にしろ、それらは奇跡の惑星である地球の産物です。それらの存在確率やここに集結している事自体の確率は宝くじに当たる確率の比ではありません。

そのお客さんはお目当てだったもの以外に中国産のテクタイトの欠片を五つ購入されました。それらの金銭的価値は安価なものかも知れませんが、テクタイトの存在は隕石衝突がなければ存在しませんでした。隕石衝突と宝くじの当選確率は比較になりません。そのように考えると、店の石達は貴重なものたちの集合体なのです。

「うれしいお客さん」のお言葉は非常に重要です。その言葉の意味を噛みしめたいと思います。

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十字2

2013-12-25 11:26:25 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「十字2」です。昨年のクリスマスに「十字」、一昨年のクリスマスに「十字石」の事を書いております。

私は十字の形が好きです。キリスト教的な象徴的な意味というよりも、そのシンプルで90度で直交する形そのものが鉱物的で好きなのです。そして、それはどうも私だけの嗜好では無いらしいのです。

先日、お客さんのMさんにフラワー状のオレンジセレナイトのクラスターを見せていたところ、Mさんはその標本の部分的なある一角に「十字」があります、とおっしゃいました。その標本を見直したところ、Mさんの言うように、確かに「十字」がありました。それまで私はその事に全く気づいておりませんでした。その時、私は「良いものを見ました。今度、ブログねたにします。」とお話ししました。

そのオレンジセレナイトがこれです。

Photo

写真の中心部に「十字」があります。

Photo_2
Washington Co.,Near Hurricane,Utah,U.S.A. オレンジセレナイト(Orange Selenite)
このオレンジセレナイトは花のように見える立派な結晶なのですが、その中の小さな一部分に微細な針状結晶が十字状に交差しており、Mさんが発見したような「十字」が見えておりました。それを見た瞬間、神聖なものというよりも、その理知的な形状に大脳が反応してしまい、何か得した、という気持ちになってしまいました。

ある特定の形に脳が反応する現象は認知心理学か認知神経科学の研究対象分野の現象かと思いますが、「十字」に反応してしまう現象はどのように捉えれば宜しいのでしょうか?詳しい事は知りません。ただ、私の美意識の中に「十字」に反応してしまう何か?がある事だけは確かです。

それは決してスピリチャアルな要因ではないはずです。それは「美」に関する「意識」の作用のような気がしています。

石の中に「十字」を見る例は他にもあります。

Photo_3

これはルチルinクォーツの丸玉です。この石はクラックが入っているのが惜しいのですが、それでも2次元的に広がった針状結晶の集団がしっかり直交して、ある角度から見ると「十字」に見えます。私にとって、この石は、その「十字」に見える事から大事な石のひとつになっております。

Photo_4
新潟県 糸魚川 産 ヒスイ(Jadeite)

また、上の写真のような「十字」が見える石もあります。これは糸魚川のヒスイの原石です。それほど質の良い石ではありませんが、このように幾何学的な「十字」が入っている事によって、この石の価値を高めているような気がします。

「十字」と言えば、黒部渓谷の十字峡の存在を忘れてはなりません。黒部川の本流と左右の二つの沢からの流れが十字形をなす様は自然が造った妙を感じざるを得ません。そのポイントはまさしくパワースポットと呼んで良いものだと思います。残念ながら、私はその十字峡には行った事がありません。TVの滝の番組の映像でその存在を知ったのですが、どうもそこは秘境と言われるような険しい場所にあるようです。そのような場所だからこそ十字峡の存在価値があるのかも知れません。

自然界には他にも「十字」があるのかも知れません。

自然の風景の中や石の中にある「十字」には興味津々です。

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サイエンスヒルズこまつ

2013-12-20 12:02:33 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「サイエンスヒルズこまつ」です。

昨日、石川県鉱物同好会の山本会長、河合副会長と共にJR小松駅前にできた「サイエンスヒルズこまつ」に行ってきました。「サイエンスヒルズこまつ」は12月1日にプレオープンし、来年3月22日(土)にグランドオープンする「ひととものづくり科学館」です。そこはコマツの小松工場跡地に小松市が造った小松の活性化の起爆剤となりうる先進的な施設です。訪問目的はその「サイエンスヒルズこまつ」のアカデミーというイベントプログラムの中で石川県鉱物同好会として石を通じた教育プログラムで何か協力できないか?という打ち合わせ相談の為でした。

Photo
尾小屋鉱山のカラミ煉瓦を利用した花壇

まず、最初に、施設の入り口で尾小屋鉱山の六角柱状のカラミ煉瓦を見かけました。それは尾小屋鉱山特有の形状をしており、小松ならではのものです。私は尾小屋鉱山と共に尾小屋鉄道の新小松駅の事を思い出しました。その地は古くは八日市地方遺跡(ようかいちじかたいせき)の場所の一部でもあり、尾小屋鉱山に繋がる尾小屋鉄道の一部でもあります。そのような由来の深い場所である事に感慨深いものを感じてしまいました。そのように最初から好感を抱く事ができました。

施設に入ると「サイエンスヒルズこまつ」の広報・イベントチームのTさんが施設内を案内してくれました。Tさんは高校の後輩なのですが、お互いに共通するところが多く、このような仕事に就かれた事をうれしく思います。打ち合わせの前にTさんのガイドで施設内を見学しました。

「サイエンスヒルズこまつ」の見所は非常に多かったのですが、特に私が興味深く思ったものを少しだけ写真に撮りました。

Photo_2
滝ケ原の珪化木

大きな珪化木には地球史における小松の地質的なロマンを感じます。

Photo_3
照明で影文字が見える高層ビル群の模型

私はこの種の仕掛けが大好きです。福田繁雄のトリックアートを彷彿させます。

それと写真には撮らなかったのですが、そこそこハイレベルの電子顕微鏡もありました。同行していた山本会長の「これで赤瀬の有色オパールを見てみたい!」という言葉や河合副会長の「菩提の潜晶質のメノウも!」という言葉には思わず同感しました。

それからミュージアムショップも見ました。書籍コーナーでは山田英春さんの「不思議で美しい石の図鑑」が何冊か置いてあったのが印象的でした。それから、Tさんから「小松にしかないもの」を置きたいという話があり、遊泉寺銅山産のアメシストや、その他、小松産の鉱物標本等を置くコーナー設置の案件に発展しそうです。同好会や「石の華」でも協力したいと思っております。

本題の打ち合わせは、最初に石に興味を示す小学校3.4年生から中学生向けの教育プログラムを作成し、室内及びフィールドに出るイベント企画を作って行こう、というような話になりました。今後、具体的なプログラム作成をしなければなりません。子供たちが喜びそうな夢のあるイベントが出来たら良いなーと思っています。

打ち合わせの後、「サイエンスヒルズこまつ」の目玉である3Dスタジオをチョイ見しました。そこの立体視型全天周3Dシアターは東京・お台場の日本科学未来館のドームシアターガイアを上回る日本最大級となるシアターです。高解像度高輝度4Kデジタル映像が上映可能という事で非常に楽しみです。

初めて入る「サイエンスヒルズこまつ」の印象は先進的で魅力的な施設だと思いました。これからが楽しみです。

実は、昨日は「サイエンスヒルズこまつ」に行く前に、最近小松郊外にできた大型書店をチョイ見してきました。そこも国内最大級となる大型書店です。本好きにとってはたまらない場所です。

来年は「小松が面白い!」と思ってしまいました。

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