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鉱物の部屋へのいざない

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電気石3

2012-07-28 11:59:43 | 日記・エッセイ・コラム

今日は電気石3、黒い鉄電気石のヴァリエーションにします。

鉄電気石の特徴は黒いガラス質の柱状結晶というイメージが強いのですが、今日はそのイメージから少し違った鉄電気石を出します。

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ブラジル ミナスジェライル州 産 鉄電気石(Schorl)

この標本は鉄電気石の特徴を保ちながらも柱面がほとんど無く、その表の面と裏の面の表情の違いが極端な標本です。表の表情は鉄電気石らしい、しっかりしたツルツルの光沢のある面構造です。写真からは西欧の鎧兜の面のようにも、あるい悪役ロボットの顔のようにも見えてしまいます。それに対して裏面はゴツゴツとした細い柱状結晶の集合体で長石や雲母で構成されているの母岩の欠片の一部が付着しております。これは鉄電気石の変種として面白い標本だと思います。

Dscf0836_2

ブラジル ミナスジェライス州 産 鉄電気石(Schorl)

この標本は先ほどの標本とは逆で、柱面は鉄電気石らしい柱状結晶で条線が発達していますが、先端部分にはツルツルの面は無く、規則正しく束ねられた針状結晶で構成されています。この標本もある意味、鉄電気石の変種として面白い標本です。

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Sonora Chihuahua Mexico 産 鉄電気石(Schorl)

この標本の表面は微細な針状結晶で、写真ではうまく伝わらないかも知れませんが柔らかいビロードのような質感に見えます。最初の写真ではまるで深海のチムニーのような印象を受けますが、横にして撮った写真ではその短い毛のような質感が分かると思います。

これらのように同じ鉄電気石といってもそのヴァリエーションは豊富です。鉄電気石のコレクターがいてもおかしくないと思います。ただ、黒い石は一般的に人気がありません。何故なのでしょうか? 

私は同じ石でもヴァリエーションの多い石が好きです。水晶、方解石、蛍石、沸石、黄鉄鉱、等々それらは同じ鉱物でも種類が多いのが面白いところです。電気石も種類が多い鉱物です。

ただ、良く考えてみると、どんな鉱物でもそれらは全て一品ものです。同じものが二つと無いのです。それが鉱物標本の特徴なのかも知れません。

コメント
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