ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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灰十字沸石の結晶模型

2014-03-31 14:49:50 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「灰十字沸石の結晶模型」です。

先日のブログで「木製多面体模型」の事を書いたのですが、その記事をきっかけにYさんから「灰十字沸石の結晶模型」をつくって欲しいという依頼がきました。灰十字沸石は双晶になりやすく、特にその立体的な貫入双晶は非常に美しい形態をとります。私も以前から「灰十字沸石の結晶模型」は欲しいと思っていましたので、早速、「多面体木工」の中川宏さんにその件を相談しました。

中川宏さんもその形に興味を示され、すぐにやってみよう、という話になりました。

それからの話は非常に早かったです。ブログに記事を書いてからわずか1週間でその「灰十字沸石の結晶模型」が届きました。

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上の写真がそれです。

実はYさんの求めていた模型は双晶の単体だったのですが、それを誤解して貫入双晶であろうと期待した私の希望も叶い、2セットの木製模型が届きました。

私は著書「多面体木工」で中川宏さんの力量は知っていましたし、過去に凧形24面体の木工法の経緯も良く知っていましたので中川宏さんなら「灰十字沸石の結晶模型」も製作可能であろうとは思っていましたが、今回はこれほど早く出来上がり、すぐに手に入るとは思っていませんでした。

この速さは3Dプリンター・サービス以上の速さかも知れません。正直、驚きました。

このような機会をつくって下さったYさん、そして実際に作業を行った中川宏さん、本当にありがとうございました。

尚、今回の「灰十字沸石の結晶模型」と「木製多面体模型30種セット」は「石の華」に置いてありますので、いつでもご覧いただけます。

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隕石2

2014-03-28 11:43:42 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「隕石2」です。「隕石」は2011/11/30に一度書いておりました。隕石という言葉はこのブログでも過去16回出ておりました。石好きにはやはり隕石は気になる存在だと思います。それは宇宙に繋がっているからだと思います。

今朝、昨夜録画したNHK-BSプレミアムの「コズミック フロント」(密着! 隕石ハンターを追え)を見ました。久しぶりに隕石ハンターの番組を見たような気がします。

番組内容はTV番組として充実しておりました。番組内で紹介されていた昨年ロシアに落ちたチェリャビンスク隕石はすばらしいものでした。隕石特有のフュージョンクラストが非常に美しく出ており、誰しもが欲しがるイッピンだと思いました。他にも巨大なパラサイト隕石や火星起源の貴重な隕石等も出てきて、それらを見ながら、今後、隕石ブームが起こりうる予感すらしてしまいました。

隕石にはその希少性だけではなく宇宙や生命の起源に繋がるサイエンス的なロマンが詰まっています。その事が金よりも高いという価値を高めているだと思います。

そうそう、番組には日本のミネラルショーでもお馴染みのフランス人アランさんが登場しました。私も過去にアランさんから幾つも鉱物標本を購入しました。読み難い手書きの筆記体ラベルが印象的でした。そのアランさんのお店も出てきて、隕石の話題よりも店のショーケースの方が気になって見てしまいました。

隕石は隕石そのものはもとより、その落下状況も重要です。番組では隕石よりも価値が高いと言う隕石落下した屋根の一部が紹介されておりました。さらに、日本の研究者の言葉で「人間は汚れの塊だ。」という発言も印象的でした。人間が触ってしまった隕石からは多くの情報が失われているのかも知れません。

それから根上隕石が落ちたクルマ(スバル)は思っている以上に価値が高いのかも知れない、と思ってしまいました。

最近、このブログの写真が少ない、という声が聞こえて来ました。

今日は最後にN君がお取り置き中の隕石の写真を出します。

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Canyon Diablo




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木製多面体模型

2014-03-25 13:21:40 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「木製多面体模型」です。

昨日、山口県萩市の積み木インテリアギャラリーの中川宏さんから「木製多面体模型30種セット」が届きました。中川宏さんは「多面体木工」という本の著者で、中川宏さんのお名前はこのブログでも過去6回登場しています。

中川宏さんとは「多面体木工」という本の購入で知り合い、過去に私の持っていた鉱物結晶模型のひとつである凧形24面体の木製模型によって交流が始まりました。私の「石の華」オープンの際にはお祝いとして辰砂の貫入双晶の模型を造って頂き、こちらからは中川宏さんの積み木インテリアギャラリーの開店祝いとして中国産の蛍石(切稜立方体に見える結晶)を送ったりして交流が続いております。因みに切稜立方体は多面体木工の最も基本的な形でもあります。

Photo

上の写真がそれです。30種セットの中にはプラトン立体と呼ばれる5つの正多面体やアルキメデス立体と呼ばれる13種の半正多面体はもちろんの事、柘榴石などの鉱物結晶的にはお馴染みの菱形12面体や凧形24面体なども含まれており、多面体好きや鉱物結晶好きにはたまらない30種セットだと思います。

今回は「石の華」でサンプル展示し、興味を示されたお客様には中川宏さんのサイトをご案内する、という趣旨です。

鉱物標本の木製模型では今でも売っているというドイツのクランツ商会の木製鉱物結晶形態模型が有名ですが、他のものも含めてそれなりに高価です。中川宏さんの「木製多面体模型30種セット」は鉱物結晶形態模型というよりも純粋数学的な多面体模型なのですが、今回は野呂輝雄さんの「鉱物結晶図鑑」をもとに作製された鉱物結晶バージョンとなっており、それぞれの形に代表的な鉱物結晶を当てたリストカードが付いており、さらにうれしい事に比較的安価です。

私の鉱物趣味はどちらかと言うと結晶形態から入って行きました。純粋数学的な多面体の形態と自然が造る結晶形態の類似性には自然界の美と神秘が詰まっていると思います。私は鉱物の最大の魅力はその結晶にある、と思っていますし、多面体模型や結晶形態模型はその理想的な形を実際に手に取って見る事のできる、ありがたい模型だと思います。しかも手の平サイズの木製模型にはなぜか温かみも感じられ、コンピュータの3D画像とは違った実体感とも言えるところが魅力的だと思います。

鉱物結晶、特に対称性が高い等軸晶系の結晶形態は多面体の世界に繋がっています。

例を挙げるとすると、四面体は四面銅鉱、ヘルビン、六面体は蛍石、岩塩、方鉛鉱、八面体は磁鉄鉱、スピネル、五角十二面体は黄鉄鉱、輝コバルト鉱、斜方十二面体は灰ばんざくろ石、偏菱二十四面体は鉄ばんざくろ石、方沸石、等々、理想的な結晶形態は多面体世界そのものなのです。

最近は3Dプリンターの普及で、比較的簡単に結晶模型を入手する事ができるようになりつつあるようですが、木製模型には木ならではの良さがあり、ひとの手でつくられた工芸品的な付加価値があると思います。

木製多面体模型はいつでも見れます。ご来店の際に現物を見てみて下さい。

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仏像

2014-03-20 13:08:46 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「仏像」です。過去に「仏像」という言葉は6回出ていますが、タイトルとしては初めてです。ひとつ前の「玉眼」に続きます。

石のブログ的には「玉眼」に続く話題としては、どうしてもあのホープダイヤモンドになるでしょうか。ホープダイヤモンドは言わずと知れたスミソニアン博物館にある有名ダイヤモンドです。ホープダイヤモンドは2011年にNHKの特番にもなりました。その番組では、紫外線を当てると、1分以上に渡って赤い燐光を発する事が紹介されていました。ホープダイヤモンドのブルーはホウ素が原因のようですが、赤い燐光のメカニズムは良く分かっていないようです。

そのホープダイヤモンドには有名な歴史があり、その歴史そのものも面白いのですが、その歴史はヒンドゥー教寺院に置かれた女神シータの彫像の目に嵌められていたものが盗まれた事から始まります。僧侶によってかけられた呪いによってその後の持ち主は不幸になるという呪いの伝説がホープダイヤモンドを有名にしました。

どうもホープダイヤモンドも元々は「玉眼」の一種だったようです。

さて、「玉眼」は仏像の目の部分だけなのですが、木彫りの仏像以外に、仏像そのものも石で彫られている石仏もたくさんあります。石仏には石仏ならではの良さがあります。ただ、このブログは石仏のブログではありませんので、これ以上は書きません。

そうそう、このブログでも一度、ブルームーンストーンで出来た小さな阿弥陀如来像を出した事がありました。それは小さいながらもブルーのシラーが美しいものでした。(「ミニチュア4」2013/03/28に写真あり)

石仏や木彫りの仏像が出てくる映画としては、やはり「無常」(1970年 ATG 実相寺昭雄監督)を思い出します。京都の仏師に弟子入りする主人公正夫・・・。日本的風土の中で繰り広げられるストーリーは脚本の石堂淑朗のオリジナルなのですが、「偏屈老人の銀幕茫々」(石堂淑朗 著 2008年 筑摩書房)という本の中で「無常」はアフリカ文学のある作品のパクリであった事が書いてあり、私はショックを受けました。色んな意味で「無常」は価値観を覆す作品だったと思います。

「仏像」は日本だけのものではありません。本来、仏教はインドで生まれ、中国を経て、日本に伝来してきました。

ウィキペディアの「仏像」には、「瞳に水晶を嵌める技法はエジプトにもあり、ギリシャ彫刻などでもエマイユを使っている例や、中国では宝玉やガラス珠、練物を入れた作品がある。しかし、玉眼のように目全体を実際の目のように表す技法は、他のどの国にも見出させず日本独自の技法である。」と書いてありました。

どうも「玉眼」は日本オリジナルな技法のようです。

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玉眼

2014-03-18 15:51:03 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「玉眼」です。

一昨日の事になりますが、富山県の井波で木彫り修行中のMさんが来店しました。Mさんは木彫で仏像をつくる仏師さんです。Mさんは石好きさんでもあり、お店にいらっしゃるのは2回目です。先日、初めてのご来店の際に、Mさんから仏像の目を水晶か何かの天然石でつくりたい、というお話があり、翡翠の勾玉造りを趣味にされているOさんを紹介しました。

今回のご来店の目的は「石の華」で紹介したOさんとの顔合わせと打ち合わせの為です。待ち合わせの時間にお二人がいらっしゃいました。それからMさんが偶然知り合ったという宝石のルースコレクターでいらっしゃるIさんも同席されました。MさんとOさんの打ち合わせに私とIさんが外野として参加しました。これも石を通じた何かの縁だと思います。

まず、Oさんが持ってきた写真画像で、石の磨きや穴開けなどの工具や加工法の説明がありました。それから、実際の加工例としてOさん作の碁石や翡翠の装飾品等を見せてもらいました。私も外野ながら興味深く思いました。もうひとりの外野であるIさんも貴重な宝石ルースを見せてくれました。パライバトルマリンやアレキサンドライトやデマントイド等々、それらの貴重な輝きには魅せられました。

その後、打ち合わせは、本題である仏像の話になりました。Mさんは持参した最初の作品という仏像の頭部と大学生の頃につくられた人形の頭部を見せてくれました。それから小型の木彫りの観音様も出してくれました。それらはいずれも中々の作品です。思わず、木彫も良いものだ、と思ってしまいました。

MさんとOさんの打ち合わせは「石の華」に置いてある石のサンプルを見ながら進んでいきました。

Oさんから人工テレビ石での加工という提案がありましたが、どうもMさんは天然石にこだわりたいようでした。その後、MさんとOさんは仏像の目の入れ方や黒目をどうするか、等々、二人で絵を描きながら、専門的な話に移っていきました。その辺から私とIさんの二人の外野は話からそれました。

MさんとOさんの打ち合わせはその後もしばらく続き、その結果、まずは、やはり、水晶でやってみようという話になったようです。

因みに、木彫像に用いられる水晶製の眼は「玉眼」というそうです。日本では平安時代末期に始まり鎌倉時代以降,時代の写実的な美意識に支えられて盛んに用いられたそうです。

水晶の目を持つ仏像、何かいい感じがします。すばらしい作品ができる予感がします。

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