ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

卯辰山と医王山

2015-03-31 13:55:13 | 日記・エッセイ・コラム
昨日は天気も良かったので、午前中は常連のOさんと近くの卯辰山経由で医王山方面に行って参りました。その目的は石の産地の情報収集と下見です。私は金沢に住んで5年目になりますが、店をやっている関係で休みが少なく、金沢近辺の産地にはほとんどいっておりません。昨日は金沢生まれ金沢育ちのOさんに案内してもらいました。

昨日は金沢人らしい裏道ルートで医王山方面に行って参りました。途中、卯辰山の見晴らし台に寄ってみました。そこは金沢市内が一望できる金沢のシンボルともいえる場所です。私の小さい頃には金沢ヘルスセンター(後のサニーランド)があった跡地で、動物園だった昔の懐かしい思い出がある場所です。見晴らし台は非常に眺望が良く、「石の華」が入っているポルテ金沢のビルも良く見えました。また、そこには一昨日設置されたばかりの「風の樹」(彫刻家新宮晋さんの風で動くオブジェ)がありました。今日の最初の写真はそれです。ちょうど新聞記事で見たばかりでしたので新鮮に思いました。



その後、キゴ山の食堂どんぐりに立ち寄りました。そこには石だけではなく面白そうなものがたくさんありました。Oさんがそこの店主と気になっている石の産地情報の話をしている間、私は店内を見歩きました。店の中には面白い事に、白い珪化木だと勘違いされていた深海松もあったりして、興味深く思いました。

ただ、肝心の産地情報は地図上でははっきり示せず、産地を良く知った人に約2時間半登山をして案内してもらわなければならないらしく、下見も含めて断念しました。

その後、もう一つの医王山の下見予定の場所に移動しました。そこはメノウの産地です。昨日は春らしい天気でしたが、まだ3月の雪解けの時期でした。人工の滝があり、水量の多い雪解け水が勢いよく流れ落ちていました。その流水紋が美しいので思わず写真を撮りました。



その少し下流の風景に見覚えがあり、また写真を撮りました。



私はその場所へは初めて行ったのですが、なぜ見覚えがあるかというと、実は「不思議で美しい石の図鑑」という本の62ページに載っていた渓流の写真の記憶があったからです。その写真には三つの大きな岩が写っており、その風景によく似た風景があったのです。本の写真からは数年経っていると思われるので、岩の風化もその年月並みに進んでいると思われます。二つの写真を見比べてみると何のなく似ているような気がします。もしかすると同じ場所かも知れません。

昨日は本来の目的ではなかったものの収穫があったような気がしてしまいました。

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ドラコニア

2015-03-27 18:49:59 | 日記・エッセイ・コラム
昨日、昼過ぎの小一時間、前から気になっていた泉鏡花記念館に行って参りました。そこではリニューアル開館記念特別展「ドラコニア龍の国から吹く風 澁澤龍彦展」をやっておりました。泉鏡花が澁澤龍彦や種村季弘によって幻想文学の先駆者として評価されていた事もあっての特別展なのだろうと思います。

私の興味は泉鏡花というよりも澁澤龍彦の方で、澁澤龍彦も種村季弘も共通するところは石好きだった、というところでしょうか。もっとも、澁澤龍彦の嗜好は石だけではなく、貝殻や玉虫や丸玉やその他のオブジェ等々、博物的に多岐に渡っており、その少年的な好みは私にも共通性があるようにも感じております。

展示は企画展の部屋だけの小さなスペースだけだったのですが、ちょうど2010年に集英社新書ヴィジュアル版「澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド」という本を読んだ時と同じような印象を受けた展示だったと思います。澁澤龍彦の生涯の年譜は他の本などで何度も目にしてきましたが、今回の展示で初めて知った事が二つありました。

そのひとつは澁澤龍彦が金沢好きだったという事です。彼が北陸地方に何度か旅行していた事は他の本で知ってはいましたが、澁澤龍彦というと、どうしても西洋的なイメージが強く、金沢的な和のイメージとは合わないような違和感が残ります。ただ、自筆の原稿で金沢好きという事が書いてあり、そうだったのか、と認識を新たにしました。

もうひとつは澁澤龍子さんへのプロポーズの言葉が「旅行が好きなら、いつでも連れて行ってやる。」という言葉だった、という事でしょうか。私も本来、旅行好きなのですが、石の店を始めてからは中々旅行に行っておらず、実は妻とは新婚旅行も行かずに店を手伝わせています。いつか澁澤龍彦さんのような旅行をしてみたいと思ってはいるのですが、どうなるでしょうか?

私が初めて澁澤龍彦の本を読んだのは中学生の頃、小松市立図書館で「夢の宇宙誌」を偶然見つけた時です。その本のタイトルに魅かれてその本を手にしたのですが、文章よりもその本に載っていた図版の方に興味を持ち、結局はその本を購入してしまいました。その後、何冊かの本を読みましたが、それは趣味嗜好が似ているような気がしていたからでした。

そうそう、私が名古屋にいた頃、ちょうど中日文化センターで「澁澤龍彦のビブリオテカ」という講座があり、私はそれを受講しました。その講座は3回シリーズで、谷川渥、巌谷國士、馬場駿吉という講師陣、特別参加に芥川賞を受賞したばかりの諏訪哲史(種村季弘の教え子)がおり、非常に面白い講座でした。皆さん、それぞれの分野の著名人の方々ですが、それぞれいろんなところで繋がっていらっしゃるのが面白いと思いした。その講座の後日、馬場駿吉さんと諏訪哲史さんが鎌倉の澁澤龍彦邸に行かれドラコニア・ワールドそのものを見学された話を聞き、うらやましく思いました。その昔、ドラコニア・ワールドをCD-ROM(先日亡くなった金子國義の作品世界を庄野晴彦が再構築した『Alice』のように)にするという話があった事を思い出します。その企画は幻となってしまいましたが、今ならWeb上で可能なはずです。実現できないものでしょうか?

さて、今回、金沢で澁澤龍彦展が開催されているという事も泉鏡花が金沢人だったからで、何か?不思議な繋がりだと思います。

もうひとりの金沢の文豪、徳田秋声は尾小屋鉱山と繋がりがありました。泉鏡花は何か?鉱物や石との繋がりがあったのでしょうか?

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糸魚川

2015-03-24 14:39:04 | 日記・エッセイ・コラム
今日は久しぶりにひとり静かなお店です。久々のブログ更新となります。

昨日は10時の開店と共に糸魚川出身の学生さんが来店されました。彼は昨年、大学入学と共に金沢に来たのですが、石の本場である糸魚川出身でもあって、鉱物の事に関しては非常に詳しい学生さんです。昨日は昨年の入学式の時以来、何度目かのご来店でした。ひととおり店の中を見回り、購入する石が決まったあと、少しお話をしました。彼は彼の御祖父さんが小滝に住んでいらっしゃるらしく、家の踏み石として使っている巨大な翡翠の写真をスマホの画面で見せてくれました。それは相当昔からあるそうですが、今では天然記念物となっている贅沢な翡翠の踏み石だと思いました。糸魚川はジオパークになっている位で地質学的にも貴重な場所ですが、鉱物的にも様々な新鉱物を産する貴重な場所です。小滝産の翡翠の踏み石だけではなく、鉱物学的にも奈奴川石、青海石、糸魚川石、蓮華石、松原石、新潟石、などの新鉱物が多産する特異な場所です。彼との話は新しくリニューアルしたフォッサマグナミュージアムの話になりました。

彼も新しくなったフォッサマグナミュージアムには行ったらしく、鉱物の展示物が多くなった事を話してくれました。私はまだ新しいフォッサマグナミュージアムには行っていないのですが、実は、常連のお客様達はすでに行っており、彼らの撮ってきた写真は見せてもらっております。私もその内、一度は行ってみたいと思っております。

そう言えば、先日の北陸新幹線が開業した事もあって、1時間足らずで行けますので、金沢から糸魚川は近くなった気がしております。

そうそう、常連客のKさんは「はくたか」のグランクラスで行かれたらしく、平日だったせいか、糸魚川駅で降りたのはKさんお一人だったとおっしゃっていました。行くなら春休みやGWの混み合う時期は避けて平日の静かな日に行くのが得策かもしれません。

そのKさんのお土産は加賀の井酒造の純米吟醸でした。ありがとうございます。新潟の糸魚川のお土産なのに、なぜか加賀という名前の付いている日本酒には訳があります。実は、加賀の井酒造の場所は江戸時代の参勤交代で加賀潘の本陣が置かれていたからなのです。加賀前田家3代前田利常が献上された酒をいたく気にいり、加賀国でないのに加賀の字の使用を許し、酒銘を「加賀の井」とした、という謂れだそうです。そのお酒には金沢と糸魚川との繋がりがありました。

私はその「加賀の井」の酒蔵見学をした事があります。今日の写真はその見学の際に撮った1枚の写真です。



これは何に使ったものなのでしょうか?実は、私が特に興味を持ったのは、それそのものよりもその上部に置かれた赤い立方八面体の形でした。バックミンスター・フラーがベクトル平衡体と呼んだその形は正方形と正三角形からなる準正多面体です。その美しい姿はどんなものであろうとも存在感のある形です。前田家の家紋よりも気になって写真に撮りました。

今日は写真をもう1枚出します。それは、上の写真が入っていた同じSDカードに入っていた写真です。



これは5年前にフォッサマグナミュージアムに行った時に単独展示されていた赤谷鉱山産の霰石です。それはフォッサマグナミュージアムのお宝といっても良いと思われる標本だと思います。先日見せてもらった写真では単独展示ではなくなり他の鉱物標本と同じコーナーに格下げされていましたが、少し残念な気がしております。

糸魚川は北陸新幹線の停車駅でもあり、地元では新幹線効果を最大限に出すために様々な試みをしているようです。フッサマグナミュージアムのリニューアルもそのひとつだと思いますが、私が興味を持ったのはTVで見たヒスイカクテルでしょうか。ヒスイカクテルは鉱物バーに行けばメニューにあるような気がしますし、糸魚川に行ったら飲んでみたいお酒のひとつでもあります。

今日は何だか、お酒の話になってしまいました。

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交通アクセス

2015-03-15 15:49:22 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「交通アクセス」です。

昨日開業した北陸新幹線で、金沢から東京までの「交通アクセス」が飛躍的に便利になりました。今後はミネラルショーなどで東京方面に行く場合には非常に便利になると思います。

先ほど、ネットのジョルダンで、今現在から、金沢から東京、大阪、名古屋までの「交通アクセス」の所要時間を調べてみたところ、何と!東京までが最も短時間で行けるという結果になりました。次は名古屋で、その結果、大阪が遠くなった気がしてしまいました。それでも金沢からどこでも3時間以内で行けるのです。金沢駅前という立地は「交通アクセス」の点では全国的にも好条件の場所になったと思います。

私は名古屋に10年ほど住んでいたのですが、名古屋も「交通アクセス」が良いところで、ミネラルショーに行くのに東京、大阪、京都へは何の精神的抵抗もなく行けたと記憶しております。「交通アクセス」の移動時間が3時間以内であれば、どこへ行くにも日帰り圏内です。私は移動時間に心理的負担がかかりやすい方なので、名古屋の「交通アクセス」の良さには満足しておりました。

今後、金沢でも名古屋と同じような感覚になると思います。特に東京への「交通アクセス」は大きく変化します。金沢という場所はある意味、3大都市圏から等距離になったとも言えます。それは今後の金沢にも大きく影響すると思います。

そう言えば、その昔、「日本列島ここが真ん中」というタイトルのラジオ番組があったと思います。そのようなタイトルは名古屋の方が相応しいと思っていましたが、今思えば、今後の金沢に相応しいタイトルという気がします。金沢は地理的に日本列島の真ん中に位置しておりますし、東京、名古屋、大阪という大都市からもほぼ同じような時間距離に位置する事になります。これからは人・物・情報の流れは平均的な日本という姿に収斂していくと思われます。金沢は日本海側に位置し、400年以上も戦災が無く、自然災害も少なく、金沢独自の文化を育んできました。太平洋側の気候風土とは異なった環境で独自の文化を保ってきたのですが、今後は否応なく3大都市圏の影響を受けていくと思います。そして、関東・関西の両方の文化の影響を受けつつも中部圏としては名古屋とは違った文化を持つ日本の中心的な地方都市になっていくと思われます。それは決してミニ東京になる訳ではありません。金沢ならではの伝統と文化の元に東京的な平均化した日本の文化が交わってゆくのだろうと思います。

北陸新幹線の金沢開業で始まる新しい金沢は今後ますます面白く変身してゆくような予感がします。「交通アクセス」の利便性は金沢そのものを変えてゆくでしょう。石の世界も東京の影響を大きく受けてゆくと思われます。どのように変化してゆくのか?今後が楽しみです。
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北陸新幹線 金沢 開業

2015-03-13 05:41:19 | 日記・エッセイ・コラム
今日は久しぶりのブログ更新です。このブログは主に店でお客様のいない時に書いておりましたが、うれしい事に、最近はゆっくりとブログを書ける時間が少なくなってきております。今日は早朝に自宅で書いております。

明日はいよいよ北陸新幹線の開業日です。金沢駅前に住み、店を構える者にとっても、大きな関心事です。明日の早朝は、少しだけ早起きして、開業日の様子を見に行こうかと思っております。

このところ、TV、新聞、ラジオ、雑誌のようなマスメディアはもとより、Web上などで個人が発する情報でも北陸新幹線の金沢開業の話題が非常に多いと感じております。金沢駅やその周辺も新しい金沢に変身ししつつあります。長らく藩制時代の影響が抜け切れなかった金沢でもようやく新時代に突入してゆくような雰囲気が漂ってきました。日々刻々と変わっていく様を見ていると大きな時代の節目にいる事を実感できます。

金沢が全国的にこれほど注目される事は過去になかったと思います。特にTVではローカル番組だけではなく全国ネットや衛星放送の番組にも登場します。そのような番組で見る近くの風景には親近感と違和感が入り混ざった不思議な印象を抱いてしまいます。また、番組の中には私が知っている人も登場していたりして妙に面白く感じた事もありました。

面白いと思ったのはそのようなTV番組だけではありません。特に身近に思ったのはWeb上で見つけた「新幹線開通 今こそ行きたい!!金沢の面白スポット5選」という記事です。個人の方の情報発信だと思いますが、その5選の3番目に「石の華」が入っておりました。どなたなのでしょうか?うれしい情報発信、ありがとうございます。

これから、首都圏からも新しいお客様がいらっしゃる事があるかもしれません。新しい出会いに期待したいと思っております。
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