ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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黄河石

2021-09-28 11:07:26 | 日記・エッセイ・コラム

先日、自宅で録画していたTV番組をBDにダビングして、暇な時間帯に、店のパソコンで見ていました。すると、何の予備情報もなかったのですが、石に関する興味深い映像が流れてきました。

その映像とは、中国の黄河で石拾いをしている兄弟が紹介されており、その黄河石で生計を立てている、というお話でした。

その番組とは、NHK BSプレミアムで2014年の12月に放送された「星の生まれる海へ~中国・黄河源流への旅」です。

その番組はNHK国際共同制作という今から思えば信じがたい力の入った番組でしたが、私は、本放送の時は見逃しており、今回、再放送で初めて見ました。それは、黄河を遡り星宿海という星が生まれる海への旅という紀行番組に興味があったからです。その道中で、黄河石が紹介されておりました。

私は、これまで黄河石という存在を知りませんでした。それで、Web検索で調べてみましたが、石に猫の絵を描いている女性の記事ばかりで、黄河石そのものに関する日本語の情報は非常に少なく、画像検索で、絵画石的な黄河石の画像情報からその実態を知りました。

黄河石とは日本の水石に似ている奇石という分野の観賞石です。それらの中には、ピクチャーストーンとも言うべき絵画石があったり、文字が表れているものがあったり、同じ漢字文化ならではの面白さがありました。(「石山」という文字が現れている黄河石もあり、非常に興味深く思いました。石山さんに渡したい石ですね。)

番組の中では、黄河の流れのような模様が出ている石があったり、高額の値が付いて非売品にしたという虎のような姿石があったり、面白かったと思います。

それから、その番組を見ていると、私的にも、非常に興味深い映像が流れてきました。

上の写真は、「石の華」の店内に置いてあったものの、店頭には出していなかった大きな亀甲石です。(これもはみ出し標本です。)円盤状に成形され多少の磨きが入っております。

実は、その番組中にそれとよく似た亀甲石が登場しました。紹介されていた男性が、最初に売れた(数千元)黄河石がそのような亀甲石だったらしいのです。

まさか!「石の華」にも黄河石があったとは・・・損なこととは露知らずでした。

上の写真は、店内に置いている消毒用エタノールを振りかけて撮ったものです。

泥岩質の亀甲石では、浸み込んだエタノールは、すぐに乾燥してしまいました。

 

 

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花柄の断面を持つ紫水晶

2021-09-26 13:25:18 | 日記・エッセイ・コラム

一昨日、常連のYさんが面白い石を持って来てくれました。どうでしょうか?石の右側下部に花柄のような鉱物があります。

上の写真がそれです。酸化鉄で赤茶けた母岩の中で、一際目立っています。これは福井県の細野口鉱山産の紫水晶ですが、このような規則正しい破断面が現れる事は珍しいと思います。

その石の裏側はあまり面白くありませんが、採集地はズリ場なので、大半がこのような状態で落ちています。それらの中から、魅力的な鉱物を見つけ出すのが鉱物採集の醍醐味なのです。

上の写真は、花柄部分を拡大してマクロ撮影したものです。立体視すると、規則正しい六条の構造が見えます。

水晶は三方晶系の鉱物ですから、このような結晶構造が読み取れます。

上の写真は紫水晶の頭の部分を切断して、その切断面を撮ったものです。原子力マークのような構造が現れており面白いと思います。

また、このように複数個を並べてみても面白いと思います。

アメシストの中にはスライスしてその断面にトラピチェ構造が出るものもあります。それらはアクセサリーとして使われているようです。

鉱物結晶は、正直で、結晶構造そのものが現れるところが良いのです。やはり、その辺が鉱物最大の魅力なのかもしれません。

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カイラル結晶のような黒いインクルージョン

2021-09-24 10:46:56 | 日記・エッセイ・コラム

カイラル結晶と言っても鉱物の用語ではありません。カイラル結晶とは「DEATH STRANDING」というプレイステーションのゲームに出てくる結晶の事です。ゲームをやっていない人にはわからない事だと思いますが、その形状が似ているので、今日の話題としました。

上の写真がそれです。部分的に万年筆のペン先のように見えるかもしれません。あるいは加賀野菜の金時草の葉にも少し似ているような気もしますが、何となく有機的な形状のように思えます。

上の写真がそのインクルージョン物質が入った両錐の水晶です。

この水晶の産地は中国の貴州省となっておりました。これに似た水晶は四川省産のものが有名ですが、その水晶に入っている内包物はタールだと言われています。

ただ、今日の貴州省産の水晶は類似のものが少なく、チョッとWeb検索で調べてみても、それが何なのかは?すぐにはわかりませんでした。

黒いインクルージョンと言うと、すぐに考えられるのは、炭素もしくは二酸化マンガンでしょうか?

実際、肉眼的にインクルージョンの物質を見極めるのは難しく、過去の経験に頼るしかありません。

そういう意味で、今回のような特殊な形状のインクルージョンは見た事がないので、何なのか?はわかりません。

このところ、わからない石が次々に現れてきます。・・・。

石の世界はわからないことだらけです。そのようにわからないことだらけだからこそ飽きることなく面白いのかもしれません。

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謎の環状鉱物

2021-09-17 11:29:16 | 日記・エッセイ・コラム

暑かった夏も終わり、ようやく秋めいた日が続くようになってきました。先日、長らく自宅のベランダに放置していた石の一部を店に運び、自分のお気に入りコレクションだった石や店内の未整理の石などを、まとめて店頭に並べました。それらの中には、久しぶりに目にする石もあったりして、新鮮な出会いを感じてしまいました。

今日の話題の石は、そのような石の中の一つです。

上の写真は、ブラジル産のアメシストですが、そこそこの大きさで、台座付きの観賞石だったものです。台座に接していた部分が隠れており、段ボールに納まっていたという事もあって、これまでその石の魅力の部分を見逃していました。

先日、この石を出してすぐに、常連のOさんがこの石の魅力に気付き、すぐに取り置きになってしまいました。

この石の隠れた魅力とは、アメシストの内部に入っている異常に多くの針鉄鉱(ゲーサイト)ではなく、それらの中に点在している謎の環状鉱物の事です。

これは、いったい何なのでしょうか?

これまでに、アメシストの中に白い球状のクリストバライトが入っているものなら見た事がありましたが、今回のものは、それに似ているようで、違うような気もします。

その形も円環というよりも円と四角形の中間的な形の環状をしているものが多いような気もします。

中には、針鉄鉱(ゲーサイト)を囲うように入っているものもありました。謎です。

謎の鉱物と言うと、それだけで、その石の魅力が増してしまいます。

我々のようなアマチュアの鉱物愛好家は、肉眼で見る事しかできないので、その謎の解明には限界があります。

この謎の環状鉱物の正体を知っている方がいらっしゃいましたら、コメントを頂けると幸いです。

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謎の菊花状結晶痕2

2021-09-14 12:21:59 | 日記・エッセイ・コラム

先日、いつもブログを読んで下さっている常連のMさんが、店内で、「ここにも【謎の菊花状結晶痕】(2021.07.20)と同じようなものがありますね。」とおっしゃいました。私は、「え?」っと思い、それを見に行くと、確かに菊花状の結晶痕のようなものがありました。

上の写真がそれです。

実は、これは、まとめ買い取りしたものの中にあったものの一つで、よくあるアメシストを加熱処理した焼きシトリンだと思い、軽く見て、お買い得品のコンテナに放り込んでいたものです。

Mさんから、「これも針鉄鉱(ゲーサイト)の抜け跡ですかね?」と言われ、「そうかもしれませんね・・・」と答えてしまいましたが、後になってから、再度、それを見直すと、どうも違うような気がしてきました。

その石を良く見直してみると、他にも窪んだ花柄のように見える箇所が数か所ありました。もしかすると、元のアメシストの群晶の時から、花柄のように見える群晶癖とも言うべき集合体秩序のようなものがあって、加熱した際に剥がれ落ちた部分が菊の花のような形状になったのだろうと推測できます。

菊花石の成因が一つではない事と同じように、石の世界には複数の菊花状のものがあります。答えは一つではないのです。

それにしても、石はよく見なければならないと、思いました。石はその魅力を引き出してくれる事を待っているのです。

「先入観はいけない」という教訓を石から得ることができました。

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