ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

石に描く2

2022-05-27 14:47:04 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「石に描く2」です。実は過去に「石に描く」(2014.02.09)というタイトルで同じような話題を書いておりました。

今朝の北陸中日新聞を読み始めると、いきなり一面のトップ記事に縦「蒔絵アート 石に木に」横「減る仏壇需要・・・新たな種蒔く」という蒔絵の蒔(まき)と種蒔(ま)くの文字を縦横重ねた凝った見出しで、石川県羽咋市の仏壇蒔絵師の田多良輝さんの蒔絵アートの記事が出ておりました。

その記事を読んでいると、その記事の中に、「金沢駅の店に並んだ」と書いてあり、その瞬間、フッ!と12年前に、その蒔絵アートを買った事を思い出してしまいました。

上の写真がその蒔絵アート(石バージョン)です。店内の棚の中にしっかり残っておりました。

私は、これまで、その作者を知らなかった訳ですが、今日の新聞記事で、そのお名前とそのお顔を知る事になりました。

私が購入した12年前、金沢駅の店は、その第一号店だったようです。

現在では、石川県内だけではなく、全国各地で売られるようになったそうです。

そう言えば、金沢駅の店が第一号店になった例として、その昔の「ザ・ネイチャー・カンパニー」という石も売っていた店の事も思い出してしまいました。

どうも石関連では、金沢駅がテストマーケティングになるケースがあり、ある意味、「石の華」もその例の一つなのかもしれません。ただ、「石の華」はもう11年目になっており、テストマーケテイングの域はとっくに過ぎてしまっております。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェナカイト双晶その後

2022-05-20 11:56:47 | 日記・エッセイ・コラム

一昨日は定休日で、店のパソコンのメールは見ていなかったのですが、昨日、店の開店前にメールチェックすると、野呂さんと岸和田の武さんから複数のメールが届いており、その内容を見てみると衝撃的な内容が書いてありました。

その内容とは、詳しく紹介するには、私の理解がまだ足りないので、簡略化して紹介すると、フェナカイト双晶が貫入双晶であると仮定して結晶模型が完成したので、一端は完了したものの、幾つかの疑問点が残っておりましたが、岸和田の武さんからゴールドシュミットのアトラスに載っている結晶図の資料が提供され、その中の一つの結晶図の点線がきっかけで、面接触双晶でも可能性があると考えた野呂さんが再度試したところ、簡単に出来てしまい、幾つかの疑問点も原理的にシンプルに解消されてしまった、というような内容でした。

そのような結果から、野呂さんは論文を一旦ボツにする事を考えたそうですが、岸和田の武さんから、今回の考察の途中の思考過程を残しておく事にも重要な意義がある、と言うような助言があり、ある鉱物同好会の会報に掲載申請する事になりました。

鉱物結晶の双晶には幾つかのタイプがあるのですが、双晶の奥深さをあらためて感じる一件だったと思います。

私もゴールドシュミット(水晶の日本式双晶の命名者)のアトラスという存在を知る事ができましたし、さらに水晶の双晶の中には、ゴルドシュミット式双晶なるものがある事や、それ以外にも多くの双晶の存在が議論されている海外のサイトがあった事など、新しい知識をたくさん得る事ができました。

鉱物結晶の双晶には、その理論的な美しさだけではなく、対称性からくる見た目の美しさが溢れています。その多様な美の世界を楽しみたいと思っております。

今日の写真は、ゴールドシュミットのアトラスのフェナカイトの結晶図の中のひとつです。

どうでしょうか?その風車のような結晶図に魅了されてしまいます。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ブルータス、お前もか」

2022-05-17 12:33:39 | 日記・エッセイ・コラム

フェナカイト双晶に関しては、このブログを見て、野呂さんの論文を読んだ方の参画もあって、バージョンアップ中で、然るべきところに発表される予定となっております。

さて、閑話休題、今日は「ブルータス、お前もか」です。とは言っても、劇作家ウィリアム・シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』のセリフの事ではありません。

昨日、マガジンハウスの雑誌「BRUTUS」の次の号の特集が珍奇鉱物となる事を知りました。

その紹介文を見て、思わず、「ブルータス、お前もか」という言葉が浮かんでしまいました。

その紹介文は

「珍奇鉱物
植物、昆虫と続いた“珍奇"シリーズ、ついにラスボスこと「鉱物」の登場です。
加工されたジュエリーには馴染みがあるけど、実は加工前の姿こそ、地球が創る究極の芸術。
美しい結晶に目を輝かせ、自然を切り出したままの姿に息を吞む。
憧れの鉱物図鑑、鉱物の飾り方、世界一のコレクター取材にパキスタンの鉱物採集記まで。
一度入ると抜け出せない、珍奇趣味史上最大の沼へ、いざ!」

となっており、ついにブルータスというライフスタイル情報誌までもが鉱物を特集する時代になってしまった事を知ってしまいました。

これまで鉱物趣味はマイナーな趣味だと思ってきました。このブログの10年前の「鉱物を特集した雑誌」(2012.05.26)では、数少ない雑誌の話題を出した事がありました。

ところが、近年、日本のどこかで毎週のようにミネラルショーが開催されているようなご時世になってきており、さらにTVなどでも鉱物の話題が登場する機会が増えてきているような気がしております。

そんな中、これまで鉱物とは無縁だと思われていた一般雑誌までもが鉱物特集を組むようになってしまったようです。

私は、思わず、「ブルータス、お前もか」と思ってしまいました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェナカイト双晶

2022-05-13 15:36:16 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「フェナカイトの錐面」(2022.04.19)の続きです。

昨晩、「石の華」のメールに野呂 輝雄さんから「フェナカイト双晶の考察(未投稿)」という論文が届いておりました。

私は、「フェナカイトの錐面」を書いた時に、その写真が不思議な桜の花のような形状だと思い、さらに書きながら、野呂さんなら反応して下さるような予感がしておりました。

その予感は的中し、案の定、野呂さんがその謎の解明に取り組んでくださいました。

その後、野呂さんと何度かメールのやり取りがあり、その現物標本を送付しました。野呂さんは顕微鏡観察したりDana 6thや高田雅介さんのペグマタイト誌の情報を元に結晶図(データ)を作成されたり、試行錯誤されたそうですが、2週間ほどで行き詰ってしまったそうです。

その1週間後(充電+リフレッシュ)し、再トライされ、ついに実物と類似している双晶の結晶模型作成に成功されました。

その検討過程については、ミラー指数が出てきたり、C軸中心に60度回転した貫入双晶の結晶図が出てきたり、このブログ用に簡略化しようとしましたが、難解なので割愛します。野呂さんにとってもこれまでの最高レベルの難問だったそうです。論文の原典を読みたい方はご一報ください。PDFファイルで送ります。

それから、いくつかの残された謎も残っているそうですが、その辺の謎とそれに対する仮説は今後の課題として、今回のフェナカイト双晶は鉱物結晶の世界の奥深さを感じられた一件だったと思います。

鉱物結晶の世界には、まだまだ未知の現象が潜んでいるようです。だからこそ鉱物は面白いのだろうと思います。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合成ダイヤモンド

2022-05-10 12:00:19 | 日記・エッセイ・コラム

アンカットダイヤモンドもカーボナードも自然界の天然石ですが、世の中には人間が造った人造石も多々あります。

人工的なダイヤモンド、合成ダイヤモンドの存在も忘れてはなりません。

上の写真はずいぶん前に石華工匠さんから購入した合成ダイヤモンドです。粒のサイズは1mmに満たない微細なものでした。

上の写真は数年前に同じく石華工匠さんから購入した合成ダイヤモンドです。粒のサイズは1mm程度になっておりました。

合成ダイヤモンドの進化は進んでおり、例えば、Kanazawa DiamondのSHIKKOKU DIamondは質・サイズともに宝石レベルのラボグロウンブラックダイヤモンドになっているようです。

合成ダイヤモンドは宝石の用途より次世代半導体材料としての期待が高いようですが、合成ダイヤモンドは最先端テクノロジーの最前線で役立っていくのでしょう。

石の華的には、そのような合成ダイヤモンドの原石の形態が気になっております。

それは、その結晶形態が多面体になっており、正方形と六角形からなる切陵立方体や切頂八面体のような形状が見られるからです。

中には正方形と正三角形からなる立方八面体のようなものも見られます。

小さな粒を一粒だけルースをつまむピンセットで摘まんでみました。小さいながらも琥珀色の愛らしい合成ダイヤモンドだと思います。

合成ダイヤモンドの形態は正八面体面と正六面体面を併せ持った結晶になるからで、その成長過程で、連続した中間的な結晶面を持った多様な多面体構造ができるようです。

小さいながらもその幾何学的形状に魅せられてしまいます。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする