昨日、万博「超早割」予約を申し込みました。それは、先週の新聞記事で巨大な火星隕石が初めて一般公開される事を知ったからでもあります。
上の記事がそれです。今から楽しみです。
思えば、1970年大阪万博の目玉は月の石でしたが、私は長い行列を嫌って、それを見る事は出来ませんでした。(月の石を模したお菓子は購入できましたが・・・)
今回の2025年大阪・関西万博では、直に火星の石を見て触りたいものだと思っております。
ただ、今回の火星の石は、前回の月の石と違って、人類が直接火星に行って採集してきたものでは無く、隕石の玉突き現象によって火星から地球に飛来してきたものです。多くの隕石は火星と木星の間の小惑星帯から飛来してきますが、稀に、月や火星由来の隕石も落下してくることがあり、今回の火星由来の隕石はそれらの中でも世界最大級のものらしく期待できると思います。
ところで、水星や金星由来の隕石はあるのでしょうか?水星の場合はNWA7325のような例外を除いて、水星が太陽に近く、その引力が強いので地球まで飛ばされることがないようです。金星の場合は金星の大気が厚いので、これまた隕石の玉突き現象が起こらないようです。また、木星より外側の太陽系の惑星はガス惑星なので、それらの惑星由来の隕石もないようです。そう考えると、火星由来の隕石は太陽系の中でも非常に貴重な隕石と言えるでしょう。
2005年愛知万博では、化石と言うよりもマンモスの冷凍標本が目玉でした。私は、それをしっかり見ました。それ以外にも、ロシア館で見たダルネゴルスク産の様々な鉱物標本が印象的でしたし、ニュージーランド館の翡翠原石やポーランド館の巨大岩塩の結晶なども印象深かったと思います。(万博終了後、名古屋のセカンドショップでその展示岩塩の一部が販売されており、少し、驚いた記憶があります・・・。)
今、思うに、万博と石とは、どうも密接な関係性があったようです。
何かと、問題点が話題になりやすい万博ですが、石好きさんにとっては、どうしても行かなければならない行事なのだろうと思います。
それは、5月9日(木)のお昼頃でした。初めてのご来店となるひとりの男性がいらっしゃいました。その方はアンモナイトの化石に興味があるらしく、私は店内の化石の棚に案内しました。その方は、その棚の中にあるアンモナイトの化石よりも、貝の化石である金沢市の大桑層のナガサルボウ(前期更新世の斧足類)の化石を選び、購入されました。その化石は常連のOさんの委託販売の化石でした。その会計の際にわかったのですが、その方は北川健次さんで、同じビルの3階の画廊「アート 玄羅」でその日から始まる個展「北川健次展−ヴェネツィアの春雷」の前に「石の華」に立ち寄られたのでした。
私は、北川健次さんとは面識はありませんでしたが、実は、そのお名前は存じ上げておりました。私は、若い頃に芸術のシュールレアリスムに興味を持った時期があり、その関連で北川健次さんの作品(主にコラージュ作品)を通してそのお名前だけは知っていたのです。
その機会から、北川健次さんのブログも読む習慣がついております。
その後、私のスマホの電話番号をお伝えした事から、ショートメイルでの会話が始まり、もう一つの別のナガサルボウの化石を贈呈したお返しに北川健次さんの詩集を贈呈されたりして交流が始まりました。
その後、北川健次さんから購入して頂いた化石をご自身の作品で使いたい、という非常にうれしいお話があり、つい先日、その新作を含めた個展の案内状が届きました。
上の写真がそれです。
表紙の作品と、見開きセンターの今回の作品、そして、ナガサルボウの化石、イメージの関連性が読み取れます。そして、北川健次さんならではの統一感のある作品世界が広がっていると思いました。
思えば、化石をアート作品にしたものは北川健次さんも親交のある野中ユリさんのコラージュ作品にもありました。
上の写真がそれですが、リンコネラ(カンブリア紀の腕足類)の化石が意味ありげに出ています。(野中ユリさんの作品には化石の他、鉱物結晶もたびたび出てきます。)
恐らく、石好きさんなのだろうと想像できます。アート作品に鉱物や化石を使う表現者には無条件で共感してしまいます。
今回の北川健次さんの東京の高島屋の個展には私も行きたいと思っております。その作品を直に見てみたいからです。
今日は久しぶりに「穴」です。(このブログでは2013年の5月に3回「穴」というタイトルで書いておりました。)
数日前、汚れていたブラジル産のアメシストの群晶を水洗いしました。元々濃い色だったアメシストがより一層美しくなりました。
その洗浄の際に、このアメシストの一部に穴がある事に気づきました。
その穴の中にも直接水を入れると、黒っぽい泥が出て来て、その穴の内部も少し洗浄できました。
上の写真がその穴の内部の様子です。
面白い事に、その穴の中にも微細な水晶の結晶が内壁に張り付いていました。このアメシストも大きなアメシストの晶洞の中にあったもののはずなので、これは二重の入れ子構造になっていたようです。
鉱物結晶は母岩となる岩石の穴の中で結晶成長する場合が多く、鉱物と穴とは密接な関係性があります。
上の写真も面白い水晶のミニ晶洞です。
その穴の中には微細な煙紫水晶でいっぱいです。
その穴は奥深く、奥の方までその内壁中に水晶のミニクラスターが張り付いています。
これらは、手のひらサイズの穴からなる水晶のミニ晶洞とも言え、水晶好きには、たまらない存在だと思います。
少し前の事になりますが、NHK Eテレの「3か月でマスターする数学」の「(8)センターはどれだ?多面体総選挙 立体図形」を録画して見ました。
私は、石好き、鉱物好き、結晶好きです。そして、多面体好きでもあります。
そんな多面体好きでもあるので、番組の内容には興味があるものの、知っている事の再確認でもしてみるか、と言うような軽い気持ちで見ておりました。
ところが、その番組内で秋山 仁さんが非常に興味深い正多面体に関する未解決問題を紹介していました。それは、五つの正多面体の中で、正十二面体だけに見つかっていない問題で、正多面体の表面を四面体の表面に変換する、という問題でした。
多面体の中でも正多面体は最も単純な存在なので、その性質は古代ギリシア時代から研究され尽くされていると思っておりましたが、未だに未解決問題が存在している事自体に驚いてしまいました。
確かに、数学の世界には、幾つもの未解決問題が存在している事は知っておりましたが、多面体の中にもそのような問題があったとは知りませんでした。
さらに、他にも複数の未解決問題があるそうで、「未知の宝庫」だとも言っておりました。
多面体、数学、さらに科学の世界は「未知の宝庫」なのです。
かつて、教科書的に、鉱物学は終わっている、とも言われた事があったと思いますが、決してそうではなく、鉱物の世界も「未知の宝庫」です。
鉱物に限らず、石や自然界は知っている事よりも知らない事の方が圧倒的に多く、そういう意味で「未知の宝庫」だと思います
「未知の宝庫」、その言葉には興味がそそられ、何となくその響きには甘美な感じすら覚えます。
長年、碁石や勾玉制作をされてこられた大森さんから先日依頼がありました。
断捨離の一環として勾玉や大珠などの作品を石の華で販売できないだろうか?という内容でした。
当店は大森さんからの委託販売という形でお引き受けいたしました。
このブログ内で「勾玉」というタイトルは、かつて「干支の勾玉」というタイトルで今回と同じ大森さんの作品を紹介しております。
干支勾玉は大森さんの最も大切な作品でありますので今回はお預かりしていません。
☝美しい翡翠(ミャンマー産)の甲虫幼虫形の勾玉です。
他にも翡翠で制作された作品は沢山お預かりしております。
☝姫川で採集した石(石名不明)で制作された龍の子(今年の干支ですね)の形の勾玉
☝様々な種類の天然石の勾玉(大森さんのFBから拝借)の一部です。翡翠を含め他にも多数お預かりしております。石の種類が多く形も様々ですので、見るだけでも楽しめると思います。
全て一点物です。売り切れの節はご容赦ください。