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鉱物の部屋へのいざない

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石の華 沸石3

2012-07-07 11:31:31 | 日記・エッセイ・コラム

今日は沸石3です。

昨日の沸石2では晶洞タイプでしたが、今日は突起タイプです。

鉱物結晶の中にはある一方向に伸びていくタイプのものがあります。

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インド産 束沸石・スコレス沸石(Stilbite/Scolecite)

これは印象的な形をした束沸石とスコレス沸石の共生標本です。下の方には魚眼石も付いています。これらの鉱物は共生し易い鉱物です。天を突くように結晶が伸びているのがスコレス沸石です。沸石は水と熱が存在する場所に産します。水と熱とが豊富にある環境で、結晶成長できる空間にも余裕があり、思う存分自由に成長した結果、このような形になったのでしょう。なんとなく余裕を感じてしまいます。

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インド産 輝沸石・スコレス沸石(Heulandite/Scolecite)

これは輝沸石の母岩の上で突起状に結晶成長したスコレス沸石です。スコレス沸石はどのような環境でも成長条件さえ良ければこのような形になるようです。鉱物には人のような意識はないはずですが、このような鉱物を見ていると、伸び伸び育っていったように思えてしまいます。

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インド産 スコレス沸石・束沸石(Scolecite/Stilbite)

こちらは突起した形だけではなく、全体的な印象も特異です。まるで妖精の世界のキノコのようでもあり、それぞれの部分的な印象も不思議な存在感があります。どうしてこんな形になったのでしょうか?鉱物の形態は整った多面体的なものが多い中で、この沸石達のように、稀にこのような不思議な形になってしまうものもあります。それらはまるで植物のようです。

そういえば、以前何かのTV放送で見た事のある、百年に一度だけ咲く花の事を思い出しました。ネットで検索すると出て来ました。それは「アンデスの女王」と呼ばれるプヤ・ライモンディという花でした。それはボリビアのシューミという高山地帯に生育する花です。その花は開花の前には地表から最大で12メートルにもなる花茎を伸ばすそうです。

その花と今日の沸石達、どことなく共通性を感じます。

地球には自然の驚異がいっぱいです。






コメント
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