ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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沸石の美

2019-10-25 11:54:25 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「沸石の美」にします。

沸石は好きな石のひとつで、このブログでも過去に何度か話題にしておりましたが、今回は、久しぶりの登場となります。

それは、沸石グループは、種類が多いので、何沸石かを肉眼鑑定するだけでは難しく、厄介な存在に思えて、何となく避けて来たような気がしております。

今回は、新入荷したインド産のミニ標本セットの中に、気になるソーダ沸石が数点あり、それらを見ていると、何となく鉱物コレクションを始めた頃の新鮮なトキメキに近いような気持ちになってしまいました。このところ、鉱物に、少しマンネリを感じていた事もあってか、それらの小さな標本を見ていると、少しだけ、初心に戻ったような気がしてしまいました。



今日の最初の写真は、ソーダ沸石です。サムネイルボックスサイズの小さい標本ながら、その存在感はすばらしく、廉価ながらもコレクションしたいと思ってしまいました。最近は、この種の鉱物は、何となく避けていましたので、久しぶりに見たような気がしております。



次もソーダ沸石です。このような針状の放射状結晶には、沸石の美が詰っているような気がしております。



今日の最後もソーダ沸石です。これの愛らしい所は、複数の放射状結晶がかみ合っている所だと思います。これを見ていると、鉱物趣味の初心に戻ったように何となくときめいてしまいます。

ところで、ソーダ沸石・中沸石・スコレス沸石などは化学組成が連続して変化する固溶体です。基本的に肉眼では同定できないので、鉱物名は元ラベルに頼っております。

沸石の美を愛でていると、何も知らなかった初期の頃の新鮮な鉱物愛を思い出してしまいました。
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ドゥルージー

2019-10-18 11:13:44 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「ドゥルージー」です。このブログでは、タイトルとしては初登場となります。

まずは、この「ドゥルージー」(英語表記:Druzy)は鉱物学的な名称ではなく、主にアクセサリーの世界で使われている総称で、石の表面に小さな結晶部分が現れた天然石のことです。

今日の最初の写真は、このたび初入荷したブラジル産の紫水晶です。



全体がドゥルージーな結晶に覆われており、それがキラキラして非常に魅力的に見えます。



その表面にはコブのような部分が数か所あります。





そこに光を当てるとその魅力が増して見えるような気がします。

方解石の結晶も付着しており、もしかすると、その小さな結晶はドゥルージーな方解石なのかもしれません。

次は、白いドゥルージーなカルセドニーです。





これも丸いコブのような形状で、その表面にはドゥルージーな微細結晶が無数に現れており、こちらもキラキラして非常に美しく見えます。

最後にもうひとつ。





これは金沢市の医王山のメノウの母岩に張り付いたドゥルージー水晶です。

医王山にはブラジル産の紫水晶にそっくりなものも産出します。普通の紫水晶だけではなく、ドゥルージーなものもよく似ています。

医王山とブラジル、地球の反対側の産地同士の類似性、非常に面白い現象だと思います。
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称名滝と立山博物館

2019-10-10 11:57:49 | 日記・エッセイ・コラム
昨日は定休日で、天気も良かったので、早朝ドライブで立山の称名滝に行って参りました。私は、称名滝は約30年ぶり、2回目です。前日までの雨のお陰で、この時期としては水量も多く、ダイナミックな滝を堪能できました。



最初の写真はハンノキ滝に昇る朝日の光景です。このような風景は早朝ならではです。



次は称名滝とハンノキ滝のV字です。このアングルがベストだと思います。昨日は、早朝にもかかわらず、数人の滝ガールがそれぞれ単独であちこちで写真を撮っておりました。

実は、称名滝でヒカリゴケが見られるという話があって、その八郎坂に行こうとしたのですが、生憎、土砂崩れで通行止めになっており、その入り口で諦めました。

称名滝を堪能した後、吉峰温泉 ゆ~ランドに行き、温泉に浸かりました。滝見物と温泉と昼食、充実した休日です。

その温泉施設で立山博物館で開催中の「立山・天産物のかがやき」というポスターを見掛けました。玉髄や玉滴石塊や白鉛鉱の写真と天産物という名前に魅かれて、そこに行きたい気持ちになり、すぐに立山博物館まで戻って、その特別企画展を見ました。

その企画展では江戸から明治、そして昭和へと立山の天産物をめぐる近世本草学・近代博物学の展開を標本展示と共に紹介しておりました。私は特に「弄石から鉱物学、殖産興業へ」というコーナーに興味を持ちました。そして、その企画展の図録も購入しました。

その図録には金沢博物館(このブログの「金沢博物館」2017.01.10~「和田維四郎」2017.02.07参照)の事が出てきたり、「我が国における鉱物資源調査」(清水正明)の論文が掲載されていたりして興味深く読みました。(その“和田鉱物標本”には「今回、見学許可が得られず、云々」と書かれており、まだまだ非公開なのだとわかりました。)

この立山博物館の特別企画展は11月4日まで開催中のようです。図録も貴重な文献だと思います。

昨日の休日は思わぬ収穫があったと思いました。
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アメシストフラワー2

2019-10-04 10:42:52 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「アメシストフラワー2」です。(このブログでは過去に「アメシストフラワー」2016.07.22を一度書いております。それからタイトル名にはしなかったもののフラワーアメシストという言葉を使った記事も数回ありました。両者は混在しております。)

つい先日、初めてのお客さんに、ブラジル産の母岩付きアメシストフラワーが売れました。売れたのはうれしかったものの、気に入っていたものだったので、少しさみしい気にもなったのですが、やはり、同じ美意識を共有できた事に、うれしさの方が勝りました。



その空いたスペースに、これまで自宅に飾ってあったもう一つの母岩付きアメシストフラワーを商品として出しました。今日の写真はそれです。



これもブラジル産のアメシストフラワーです。これの面白いのは、母岩もアメシストフラワーになっており、今日のタイトル「アメシストフラワー2」に相応しいと思いました。

当店は、その名も「石の華」なので、アメシストフラワーは重要な存在です。そういう意味では、店のコンセプトでもあり、目玉でもあるのです。

それから、もうひとつ、出します。



これもブラジル産のアメシストフラワーです。こちらは複数のアメシストフラワーが共存している贅沢で魅力石な存在です。



これらのアメシストフラワーも商品として出したからには、いつかは売れてしまうのでしょう。石の店をやっているからには、それも良し、としなければならないのです。

「石の華」も既に9年目を迎えています。今後は、今まで出していなかったものを、そろそろ、出していこうかと思っております。
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