今日は「逃した石は大きい2」です。(過去に「逃した石は大きい」2014.01.19というタイトルで一度書いております。)
昨日の閉店間際の事です。その日の売上の締めの作業をしていると、久しぶりの若い女性の石好きさんが来店しました。彼女は以前に立方体の方鉛鉱の貫入結晶を買った事があり、私はその事を印象深く覚えております。その彼女、昨日はすぐに店内のコンテナを積んであるコーナーに行きました。ポルテ金沢の閉店の案内が流れている時間帯でもあったので、急いで何かを探しているような雰囲気がありました。
そして、急いで探し物をしているせいか、ひとつのコンテナを落としてしまったようで、大きな音がしました。
私は「どうしました?」と言って、その場に行きました。すると、ビニール袋に入れてある標本のコンテナがだったので、「大丈夫です。ノープロブレム!」と言いました。
すると、彼女は「以前見かけたマラカイトを探しています。」と言いました。私はマラカイトなら幾つか残っていると思い、積んであるコンテナの中を一緒に探しましたが、どうも残っているものの中にはそれが見当たりませんでした。マラカイトは複数あったはずですが、探しているものはビロードのような質感のある針状結晶だったようで、それは残っていませんでした。どうも売れてしまっていたようです。
マラカイトも人気のある鉱物です。私は「また仕入れます。」と言いましたが、彼女は「縁がなかったのですね。」と言って残念そうでした。
確かに、全ての石は一品ものです。彼女にとっては「逃がした石は大きい」のです。
思えば、過去に、私もそのような経験があります。それらは、水入りトパーズだったり、那智の滝のような立派な直瀑の滝石だったり、複数の「逃した石は大きい」経験をしました。
石好きさんならではの、そういう気持ちが良くわかります。石の店をやっていても、中には、売ってしまって後悔してしまう石があるくらいですから・・・
最後に、今日の写真はまだ非売品にしている方鉛鉱です。
これはSweetwater,Missouri,USA産のGalenaです。その内、店頭に出します。