ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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こぶり石4

2017-11-27 11:53:49 | 日記・エッセイ・コラム
久しぶりに「こぶり石」です。(「こぶり石3」は2013.03.31)今日は「こぶり石4」になります。

少し前の事になりますが、石友である愛石家のHさんが、整理中だという石を委託販売して欲しいという事で、能登のこぶり石を数点持ってきました。今日はその写真です。









面白いと思ったのは、上の写真にあるように、それらの多くに抜け穴があった事です。こぶり石には様々な形態があり、その形の多様性が面白いものなのですが、今回のHさんが持ってきたこぶり石の多くは抜けありだったのです。

どうしてでしょうか?恐らく、それらは抜けというテーマで集められたものだったからなのだとろう、と想像されます。

こぶり石の抜けありは珍しいと思いますが、これだけ集められてくると、それらが普通に見えてしまう事が面白いと思います。

自然界では少数派でも人間の意図と共に集められた珍しいものは、それらの中では珍しいものではなくなってしまう、という現象です。蒐集、コレクションという行為のある特殊な側面を表しているような気がしてしまいます。

「石の華」の店内にも珍しい鉱物の結晶がたくさんありますが、店内でそれらを見ていると、たとえ、それが珍しいものだったとしても、それらの中では普通に思えてくる、という現象に近いものを感じてしまいます。

ところで、数学、幾何学、トポロジーの分野でトーラス(円環面、輪環面)という興味深いカタチがあります。わかり易いカタチとしては、いわゆるドーナツ型の事です。

今日の抜けありこぶり石は形態的にはトーラスであると思われます。

どうして、自然界でこのような形態になったのでしょうか?

簡単に考えるなら、それらは一つではなく、二つもしくはそれ以上複数の珪乳石(こぶり石)の結合合体物として成長したもの、と思われます。

ところで、こぶり石の成因はどうだったでしょうか?私は生痕化石説が正しいと思っておりましたが、真相はどうなんでしょうか?

トーラス状のこぶり石を見ていると、単純な成因では説明の付かない、もっと複雑な何かの現象が起きていたのではないか?とも思ってしまいます。



そう言えば、津軽の小僧石に見られるポッチのようなものも気になる存在です。

ポッチにしろ、抜け穴にしろ、こぶり石の凸凹には不思議がいっぱいです。
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雑貨×作家マーケット

2017-11-26 11:11:03 | 日記・エッセイ・コラム
またもや唐突ですが、私には、年に二度だけ楽しみにしているイベントがあります。

そのイベントが昨日行われました。そのイベントとは、店のすぐそばの金沢駅もてなしドーム地下イベント広場で今日まで開催中の「雑貨×作家マーケット」です。

昨日はいつもより少しだけ早く自宅を出て、店のシャッターを開ける前に「雑貨×作家マーケット」会場に向かいました。イベント会場では出展者の皆さんが10時からのオープン前の準備中のあわただしい時間帯です。「石の華」の開店も10時からの為、私はいつも、開店前の10時前にイベント会場に行っております。

私は、いつも、そんなフライングの時間帯にしか行けないのですが、(毎回そうなのですが、)昨日も、すでに多くの先客が集まっているブースがありました。

それは「羊毛フェルトアニマル~羊毛の苑~」のブースです。

先客の人達の心理は皆同じです。いち早くお気に入りの動物をゲットしたいという心理です。

私もそのような同じ心理で、いつものように真っ先に「羊毛フェルトアニマル~羊毛の苑~」のブースに向かいました。
昨日の戦利品は次の写真の柴犬です。




早速、店の棚の上に置きました。

どうでしょうか?この柴犬らしい凛々しさが気に入っています。柴犬好きには、たまらない一品?一匹!だと思います。

この羊毛の苑さんの作品の素晴らしさはその卓越したリアリティにあると思います。

実は「石の華」の店内には過去の「雑貨×作家マーケット」で購入した複数の動物たちがいます。





上の写真はそれらの一部です。

昨日の朝、羊毛の苑さんから私が過去にそれらを買った事を覚えていてくれた事を知らされ、少し、感動しました。やはり、その動物たちの生みの親だからなのでしょうか?作者の愛情のようなものを感じました。

そして、その少しの感動は、昨日の午後になってから、さらなる感動に増幅しました。

昨日の午後、その羊毛の苑さんが「石の華」に顔を出して下さったのです。それも、羊毛の苑さんのお母さんが私の高校生時代の同学年だった事を知らされました。

私は、「ニクマツ」(小松高校29期同窓)という言葉とお母さんの旧姓の名前を聞いて、何となく、聞き覚えがあり、何となく懐かしい気持ちになってしまいました。また「ニクマツ」の同期の別の名前も出てきて、さらに懐かしい気持ちになりました。

その話を聞いて、自宅に戻ってから、高校時代の卒業写真アルバムを取り出してみました。すると、確かに羊毛の苑さんのお母さんの写真がありました。さらに、そのお名前に私の記憶が反応したはずで、私と同じ文化系の部室(私は新聞局にいました。)があった記念館に所属していた事が判明しました。

世の中狭い!知らないところで繋がっていたのです。感動しました。

ところで、どうして?そのような繋がりがわかったのでしょうか?それはまだ不明です。



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ラリックのガラスのような印象を受けた束沸石

2017-11-17 11:53:23 | 日記・エッセイ・コラム
唐突かもしれませんが、私はガラス好きでもあります。鉱物好きの方なら、かなりの高い確率でガラス好きでもあるような気がしております。

実際、私もガラスコレクターでもあり、古代ガラスから現代の若手作家さんの作品まで、身の丈に合ったガラスコレクションがあります。そうそう、つい先日も、金沢のあるギャラリーでガラス作品を衝動買いしてしまいました。思うに、今のガラス工芸の世界では、多種多彩な才能が咲き誇っているような気がしております。それぞれの作家さんの新しい作風には初めて見る美しい鉱物結晶と同様の感動を覚えます。そのような作品に出合うと、鉱物が一番だと思っている私でも、正直、「人間の作る作品も捨てたものではない」と思ってしまいます。

これまでに買い求めたガラス作品はそれなりに沢山ありますが、欲しいと思っても、高価な為に、購入を断念したものも沢山あります。

そのようなものの一つにラリック社のTrophy Lalique があります。それはどうもフィギュアスケートのフランス大会のラリック杯だったもののようですが、スケーターを模した美しい曲線のガラス彫像です。

今日の写真はそれではなく、それに似たイメージのあるインド産の束沸石です。





如何でしょうか?この束沸石は立てると座りが良く、見る角度によっては、Trophy Lalique の一部と同じような印象を受けます。

私はこの束沸石を見つけた時に、欲しくても買えなかったTrophy Lalique と同じような印象を受けました。そして、この沸石なら購入可能だと思い、即買いしました。



この束沸石を横に寝かせて上から撮ると、普通の束沸石のように見えます。鉱物結晶も3次元立体物ですから、それを見る角度では随分その印象が変化してしまいます。

今日は久しぶりに鉱物のイメージ遊びでした。


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奇妙な水晶2

2017-11-12 10:35:01 | 日記・エッセイ・コラム
先日のブログ「奇妙な水晶」の水晶の写真を見た野呂輝雄さん(「鉱物結晶図鑑」の著者)からメールでその結晶図が送られてきました。



上の結晶図がそれです。

私は正直、そのような水晶のj面という存在を知りませんでした。また、「奇妙な水晶」に入って来た野呂さんのコメントを見て、Dana6の水晶のページを見直しました。すると、とても水晶だと思えない多様な結晶面の結晶図が多種載っておりました。



上のページがその一部です。

これらの事から、水晶だけでも、まだまだ見た事もないものが複数存在し、知らなかった事が沢山あるという事に気づきました。

あらためて鉱物の世界の奥深さを再認識しました。そして、自然界には、まだまだ未知のものや未知の事が沢山ある、という事を再認識してしまいました。

また、これからも、そのような未知の現象を知っていく楽しみがまだまだあるのだ、と妙に納得してしまいました。



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黒い石の華

2017-11-10 12:07:22 | 日記・エッセイ・コラム
先週の金曜日、「石の華」では、店に集まった常連さん達の間で、ある「黒い石の華」の話題が花咲きました。

「黒い石の華」とは放射状に結晶した黒い鉱物の事です。



今日の写真はその黒い石の華の集合写真です。

事の発端は、先週仕入れたコロンビア産のエメラルドの原石の裏の母岩部分に見られた黒い放射状結晶の鉱物でした。それが何なのだろう?という素朴な疑問から始まりました。



上の写真がそれです。

私は過去に見た事のある鉱物という経験から、最初はそれはエジリン輝石ではないか?と思いました。ロシア産のチャロアイトの原石には黒い放射状結晶のエジリン輝石が共生しているものがあったからです。最初はそれに似ていると思ってしまいました。

その日はちょうど出張販売してくださった石の問屋さんがいらっしゃいましたので、それを見せてそれが何なのか?を聞いてみました。すると、それを見て、「透輝石?緑閃石?緑簾石?」というような回答だったので、確かにそれらの可能性もあるかもしれない、と思ってしまいました。

その後、常連のOさんが来店し、Oさんがクルマに置いてあるという石を取りに行ってくれました。





上の写真がその石です。その石はOさんが加賀市の某所で拾ってきたもので、それは恐らく、球果流紋岩だろうと思います。球果流紋岩の中には花火状の紋(パチパチとも言われる)があるものがあります。ただ、普通は白いものが多いのですが、Oさんの拾ってきたものは珍しい黒い色をしておりました。

さらに店の棚の中にもう一つ同じような黒い放射状結晶の鉱物がありました。



それが上の写真です。これは京都府相楽郡精華町東畑産の藍鉄鉱です。

様々な黒い石の華が揃い、その話題が花咲きました。

ところで、今回、事の発端となったエメラルドの原石の黒い石の華は何だったのでしょうか?

皆さんで協議した結果は、今のところ、ブラックトルマリン(ショール 鉄電気石)という事になっておりますが、果たして真相や如何に?
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