今日はマンモスの牙をスライスして磨いた断面の写真です。
これはアラスカ産のマンモスの牙のスライスです。横断面をスライスしたもので菱形模様が美しいと思います。
実は、このスライスは、私の要望で、いつもお世話になっている石の問屋さんが、その牙を薄くスライスして磨いて下さったものです。私が、初めて、このマンモスの牙を見た時は長さが約10cm位ありました。その断面の幾何学模様が規則正しい花柄の模様に見えたので、思わず「欲しい!」と思ってしまったのですが、それはそれなりに高額だったので、その時は諦めました。そして、冗談で、これを薄くスライスしたものなら欲しい!という話をしてみたら、それを本気で作って下さったのです。
どうでしょうか?その自然の幾何学模様は正しく石の華のように見えてしまいます。
その模様を見ていると、何となく、ヒマワリの種の配列のように、その背後にはフィボナッチ数列が隠れているような気がします。
いずれにしても、このような規則正しい模様には私は無条件に惹かれてしまいます。(黄金比の美しさでしょうか?)
それから、それは象牙ではありません。象牙の取引はワシントン条約で厳しく禁止されております。その問屋さんは信頼できる方なので、私は、それは象牙ではないと信じて購入しました。
では、象牙とマンモス牙の違いは判別できるのでしょうか?
色々、調べてみると、Web上に環境省が作成した「象牙とマンモス牙 識別マニュアル」というPDFが見つかりました。それには横断面のスライスに現れる菱形模様の交叉角度の違いが書いてありました。その角度はシュレーゲル角と言い、象牙は115°以上の鈍角で、マンモス牙は90°以下の鋭角である、という風に書いてあります。
そのような指標からすると、それは間違いなくマンモスの牙だと識別できました。安心しました。
そもそも、マンモスは絶滅した動物ですから、絶滅のおそれのある野生動物ではありませんので、ワシントン条約とは無関係でした。
本来、原石鉱物結晶派の私ですが、化石でしかもスライスされた加工品であったとしても、そのような石の華と呼べるマンモス牙に反応してしまいました。