かぶれの世界(新)

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介護録09夏(1)

2009-06-18 12:03:48 | 日記・エッセイ・コラム

今朝方7時過ぎにドアフォンが鳴った。てっきり母が室内フォンのボタンを押したのだろうと思って、モニタを見ると玄関に近所の中年男性がいた。パジャマのまま寝ぼけ眼で一階に降りて話を聞いた。母が早朝6時前に出したゴミ袋をカラスが食い散らしたので、新しいゴミ袋を持っていって片付けろというものだった。

早速着替えをしてハサミと袋を持って自転車でゴミ捨て場に急ぐと、2人の中年女性がいてその周りにゴミが散らかっていた。我が家の場合、生ゴミよりオムツが圧倒的に多く、さすがにカラスも手を出さなかったようだが、収集時間が迫っているので急いでゴミを拾い新しい袋に詰めた。

どうも母は6時前にゴミを出していたらしい。その時間帯は人通りも少なく、カラスが降りてきてゴミ袋をつつき荒らしたわけだ。カラスの被害を避けるためにゴミ捨ては7時以降と決められおり、母にも直接言ったことがあるらしいが、よく伝わっていなかったと思われる。

先月前に実家に戻った時、母は私にゴミ出ししてくれと言ったが、代わりに表に出て散歩するならゴミ捨てしてあげるが、そうでなければゴミ捨ては唯一の運動の機会なのでやらないと答えた。母はしぶしぶゴミ出していた。しかし、そんなに朝早くやっているとは思わなかった。

今回久し振りに母の姿を見た時、意外ときちんとした身なりに安堵した。一言二言話をして受け答えでぼけてないことも確認できた。しかし緩慢な動作を見て、体力的には母が更に老いたことに気が付いた。好きなテレビ番組も見ないで、1日中殆どベッドにいる。

しかし、相変わらず食欲はある。冷蔵庫に入れておいた私の朝食用のヨーグルトやジャムの減り方がやけに早く、母のつまみ食いが分かった。以前はそんな大っぴらで見え見えのつまみ食いはしなかったので注意してなかったが、最早抑制が効かなくなったようだ。

ヘルパーさんが1日分の食料をナイロンケースに入れ、分けて保管することにより余分な食料が母の口に入らないように考慮してもらっているのに、私が不注意で母につまみ食いさせてしまった。1週間前に調理しなくても食べられるものは全て、2階の寝室の小さな冷蔵庫に移した。不便だけど他に方法がない。食事は余りの出ない1回完結の麺類が増えた。

それに先立って、先週ケアマネージャの主催でヘルパー、弁当屋さんとの三者会議を行い、私の食料移動や弁当配達時間と衛生上の保管方法についての改善を打ち合わせた。母は上記のように定期的にゴミ捨てはするし、風呂に入り、医者に行く。意識ははっきりしているのだが、食べることになると理性がなくなる。

結果として母の血糖値が高止まりで、先週診て頂いた医者から厳しいことを言われた。私が顔を見せ、二人の孫の結婚が進んでいる話を聞いて、久しぶりにヘルパーさんと話が弾み30分も話し続けたと聞いた直後だったので、いささかへこんだ。■

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鳩山総務相更迭について補足

2009-06-16 21:03:02 | 国際・政治

かんぽの宿売却問題について、私の舌足らずのコメントを補強する為、下記の佐山展生氏の論評を参考にされることをお勧めしたい。

http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/sayama.cfm  

氏は鳩山前総務相の主張を網羅的・論理的に整理して矛盾を明らかにし、悪乗りした政治やマスコミの責任まで指摘し、最もまともで的をついている論評をされたと思う。次の政権を取る可能性が高い民主党に、この程度の見識すら見られないのは実に残念である。■

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天の声と政治の季節

2009-06-16 11:47:05 | 国際・政治

麻生首相の決断に関わらず総選挙が間直に迫ってきた。政治の季節が始まっている。日本郵政の西川社長再任を巡り先週鳩山総務相を更迭した直後の世論調査で、報道各社は内閣支持率の低下を報じた。総選挙を控え、名古屋・さいたま・千葉市長選で連敗が続く中での支持率低下は、自民党に衝撃を与えたと報じられている。

だが、鳩山総務相更迭について世論は5割以上が「不適切」と答えているのに対し、主要紙は社説で「鳩山氏更迭はやむを得ず、西川社長に問題はあるが民営化に努めよ」と説き、新聞の影響力低下を露にした。世論は連日TVに現われ正義感を振りかざす鳩山氏を支持した。

私は2500億円もの公金をつぎ込んで毎年50億円の赤字を垂れ流す決定をした責任追及のほうが余程重要だと思うのだが、これには目を瞑り何も言及しない鳩山氏が一方で西川社長の経営責任を執拗に追及する姿勢に違和感があった。彼の「正義感」とは何だろうかと。

だが、鳩山氏の圧倒的な露出度の前に、新聞の論理的な報道は蹴散らされ、「天の声」を決定付けたようだ。世論は馬鹿になったのか?1978年の自由民主党総裁選挙で大平正芳氏に敗れた福田赳夫氏は、「天の声にも変な声がたまにはある」と言い、微妙な言い回しで世論を批判した。

一方、一時期メディアが熱中した小沢前民主党代表への西松献金問題はすっかり過去のものになり、民主党の支持率低下傾向がとまった。だが、なぜゼネコンから巨額の政治献金を受けたのか、何のために使われたのか、全く明らかになっていない。民主党が実施した調査でも明らかになっていない。自浄能力に疑問を残し、彼らが政権をとっても自民党と変わらない疑いを残した。

今回、民主党が実施した西松献金問題の調査結果に対するメディアの反応は、一時の異常な集中豪雨的報道に比べると一転して非常に地味な扱いだった。あれ程熱意を持って小沢元代表の説明責任を求めたのに、代表を降りたらもう首を取ったのだからいいと判断したのだろうか。すっかり熱が冷めてしまった。

直近の世論調査はこれらテレビの報道の変化を見事に反映した結果のように見える。やはり、「天の声は変な声」なのだろうか。だが、今回も天の声は変な声じゃないように私は思う。この国の世論は目先のことでは変でも、長期的には正しい判断している場合が多いのではないだろうか(希望を込めて)。

というのは、日本経済新聞の緊急世論調査記事(6/16)を例に取ると、内閣支持率の低下と合わせ、次の首相に相応しいのは麻生・鳩山どちらでもないが56%にもなり、実は民主党支持率も低下していることだ。お互いに敵失で支持率の低下争いをしているだけのことだ。

次に政権をになう可能性が高い民主党は、こんな敵失続出の状態でも支持率で圧倒できない理由をよく認識して取り組んで欲しい。それにしても鳩山氏のテレビ露出は恐ろしいまでに効果抜群、この程度の問題を国民的アジェンダにした。世論を信じたいと思う一方で、危うさを感じる。■

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鳩山総務相更迭、4紙4様の社説

2009-06-13 23:12:26 | ニュース

日本郵政の西川社長の再任を巡る混乱は、鳩山総務相の実質上の更迭をもって、新たな局面に入った。鳩山総務相の派手な動きが連日マスコミで流され露出の大きい事件だった。決着したとは言い難いのは、衆院選を直近に控え一部で政局絡みの動きも予測されているからだ。

私は、本件に対して珍しく新聞各社のスタンスが夫々違うことに注目した。ネットで見た朝日・読売・日経・産経各社の社説は、見事に意見が分かれていた。普段の奇麗事でなく、各社の郵政民営化、若しくは構造改革に対する‘肉声’を反映した内容だったように感じる。

読売は鳩山氏の主張を支持し、西川社長を交代させ体制一新で出直せと説く。日経は全く逆の対立軸に有り、鳩山氏の主張には最後まで根拠がなく更迭は当然、西川社長は民営化再加速せよと説いている。朝日は麻生首相の優柔不断が求心力を決定的に弱めたことに焦点をあて、西川氏は問題あるがまだ民営化1年8ヶ月であり、頑張って官業体質を改善せよと主張した。

産経は朝日と日経の主張をミックスした内容で、私には目配りが利いた内容のように感じる。郵政民営化は衆院選で国民の支持を受けて法律化された重みを指摘し、社長人事をてこに路線転換を狙う考えが背景にあると踏み込んでいるのが目立つ。一方で西川社長には国民が納得できる説明と業務改善を求めている。

大雑把に総合すると、主題の西川社長の続投に関しては、読売対朝日・日経・産経連合というところだ。水面下の活字にならない動きを察知した3社連合かもしれない。この件に関してだけ評価すると、私は産経の物の見方はバランスが取れており、筋の通った論理を展開していると思う。

更に付け加えると、産経が鳩山氏はかなり最初の段階から総務相として指導する気がなく、西川氏辞任ありきで動いていたとの指摘は気になる。もう一つ、以前指摘したように、もともと「かんぽの宿」に2000億円以上の金をかけ、現在は毎年50億円の赤字を垂れ流している原因を作った責任を何故追及しないのか。総務相もマスコミも何故わめかないのか、私には理解できない。■

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オバマの目指すもの(11) 反資本主義?

2009-06-11 18:34:34 | 国際・政治

一時難航が伝えられたチャプター11(連邦破産法)の手続きが終り、クライスラーが伊フィアット社の下で再建を目指すことになったと報じられた。これでGMを含む自動車産業の救済の道筋が法的に確認されたといえる。だが、この個的資金を使った救済は誰にも歓迎された訳ではない。

この救済劇を通じてオバマ政権の平時なら「非アメリカ」と見なされた性格を有することが明らかになったように私は感じる。それは一旦会社を破産させた上で新会社を設立し、退職者を含む労働者、取引先(販売および部品供給会社)、資本家(債権者)に新たな条件で新会社の株式を分配する救済スキームが従来ルールに反するように思うからだ。

当然のように新会社への資産譲渡手続きに資本家側から待ったがかかった。通常なら優先順位の高い債権よりも、労働組合側に有利な比率で株式配分されたのが請求理由だ。明らかにオバマ政権の意向が優先された。資本家といっても金融機関やファンドもあるが、年金基金の機関投資家もいることを理解しなければならない。

実際、譲渡差止めを求めたのはインディアナ州の年金基金だった。クライスラーと異なり、つい最近まで世界最大の自動車会社で倒産することなど考えもしなかったGMには、老後の生活の為にと購入した社債保有者が多数おり、社会的な影響は更に大きいものと予測される。

今朝方、連邦最高裁はインディアナ州年金基金の差止請求を却下したと伝えられた。これで、新会社としての再建活動に支障が無くなったのは結構なことだが、救済の過程で市場ルールがないがしろにされたことが、後々大きなツケを払うことにならないか気になる。

これは異常な事態での特別な政府介入であることは理解できるが、オバマ政権の体質的なものを反映しているようにも感じる。実際には労働側と資本側の両方から不満が出ているらしいから、現実的なアプローチとして中間を取ったのかもしれないが、何が原則か良く分からない。

昨日の日本経済新聞は、米国の企業再建の専門家の中には、この救済により痛手を被った金融機関は融資基準を厳格化する可能性があると警告していると報じた。つまり、自動車産業の救済のかたに、一般企業への貸し渋りが助長されるという。原則か、現実か、微妙な狭間にいる。■

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