かぶれの世界(新)

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2006年を大胆に占う

2005-12-23 23:17:36 | 社会・経済

昨年、ボケ防止を兼ね2005年を占い恥を覚悟で年賀状に刷り込んで紹介した。結果は円高進行と中国経済一服の予測は外れ、既にその結果を分析して報告した。しかしその他の項目については意外と私の予測はいい線行った。特に少数意見だった株式市場の日経平均が15,000円を上回ったのは自慢である。

狙いは当たり、日々世の中の動きに興味を持って見るようになり、占いとあっているかチェックし、違っているとその原因を調べ考えるようになった。その意味では大金の投資は勧めないが動きの激しい株式に投資するというのも頭の体操になる。

今年の最大のイベントは小泉政権の構造改革の本格化であり、我が国のパワーセンターが派閥のボスから完全に官邸に移り、政策決定プロセスが一気に変わった。この構造改革のもとでの景気回復は持続性があると市場の信任を得て株価回復のプラスアルファー要因となった。

世界に目を移すとグローバリゼーションとイスラム原理主義の戦い(文明の衝突)が全世界に広がった年であった。最早米国資本主義とイスラム原理主義の衝突と見做せなくなった。イラク安定化は足がかりになるかもしれないが、衝突の根本原因はフセインを除いてもなんら解決せず、長く陰惨な戦いになると推測する。特に欧州の悩みは来年一気に深まる気配がある。

経済的には2006年は今年の勢いを保ち更に成長を続けるが、年後半になって翌年2007年のスローダウンが具体的に見えて来ると、設備投資や消費などでメンタリティが悪化するとみる。米国FF金利上昇が徐々に効いてきて住宅バブルがしぼみ(軟着陸する)消費が減るコースを辿る可能性が高い。

今年の中国の急成長に加え2006年はインド・ロシアが急成長しプレゼンスが大きくなるだろう。予想が大幅に変わるとすれば、景気の潮目変化を読んだとき世界の余剰資金(グローバル・マネー)がどう動くかで、それによっては不測の事態が起こらないとも限らない。

このような粗筋で世界が動くと仮定して、私の来年の占いは数字的には悪くないのだが、今年と違いやや弱気である。それはやはり、2007年に景気後退の可能性を見ているからである。

1.イラク撤退、改革続行政権発足

 イラク連立政府が安定せず困難が続くが小泉首相は退陣前に撤退を決意、世論の支持を受け民主党一部議員を取り込み改革続行政権が発足、小泉氏は影響力を残す。

2.日本経済回復続、GDP成長率2.+

 内外市場好調で回復が続くも年末に息切れし2.5%強程度に留まる。私の考えは少数意見だと分かっているがデフレ基調はまだ続くと見る。

3.米国経済好調を持続後半にやや減速、GDP成長率4.0%弱

 好調が3Q頃まで続くが、後半に住宅バブルの軟着陸の影響が出て消費に陰りが出、年末に07年のスローダウンが始り、4%には達せず。

4.日経平均は20,000円突破、しかし2007弱気予想で後半下落

 春先まで世界の余剰資金のはけ口になり株価は上昇するが、07年のバラ色でない予測が見えてくるに従い株価に組み込まれ下落する。

5.ドル高進行するが年末には105円前後まで円回復、Euro高続く

 金利差による円安は来春まで続くがその後は量的緩和の解除を織り込んで円高に戻るというアナリストの多数意見に私も同意する。

6.中国投資調整で8.5%成長に留まる、インド・ロシア急成長し存在感高まる

 中国は需給をバランスさせる為、資産投資調整と国内消費の落ち着きで堅実な成長モードに入る。しかし過剰供給のはけ口が波乱を呼ぶ恐れがある。インドはインフラ投資が急増し高成長モードに拍車がかかる。

7.ドイツ・ワールドカップ日本予選敗退

 高さの攻めにバックスが守りきれず一勝も出来ず予選敗退、世界の壁を思い知る。これだけ低い期待で観戦すると何があっても耐えられる。本当は期待が大きい。

8.MLB城島攻守に活躍、他の日本人選手は壁にぶつかる

 城島は質の高い基本プレーとガッツで予想を上回りチームに貢献する。他の選手はチームの中軸になり、より高い期待のプレッシャーの中で四苦八苦し不満足な結果を残す。

2006年は経済が成長し全体に元気のいい年になるだろう。夏頃には2007年の姿が見え始める、積極的に投資するか消費する気持ちになるかで年末の様子はかなり変わるのではないだろうか。私はやや悲観的である。政治的には誰が首相になるかよりどういう形でなるかを注目、欧州とインド・ロシアの動向も気になる。■

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二つの危機管理:松下と東証

2005-12-22 10:47:06 | 社会・経済
東京証券取引所と松下電器の事故は危機管理の重要性について改めて考えさせられた。

新たな標準を作った松下
松下の温風暖房機の事故については、先に述べたがその後の同社のとったアクションは先例のない徹底したもので、今後のPL(Product Liability製品責任)の果たし方に新たなスタンダードを作った。

1年で最も稼ぎ時の年末商戦の最中、テレビや新聞は松下電器のプラズマテレビの広告ではなく問題商品の回収の告知を繰り返し流している。しかし、同社の商品の売れ行きは落ちてないようだ。

人身事故を起こした同社に対する非難を短時間に沈静化させ、むしろその素早く徹底した対応によって事故の対応中にもかかわらず同社の信頼は高まったかにさえ思える。

一時的な経済的損失よりはるかに重要な松下ブランドに対する信頼を何とか持ちこたえた。社内で色々議論があったと思うが最も良い結論を出して素早く実行したと思う。

松下は事故のコストを払い信頼を繋ぎとめた。しかも今後はこれが業界標準となる、つまり松下と同じようにやって当たり前になると理解しなければならない。

トップの無知が露呈された東証
一方、東証のシステム問題はそれほど簡単ではない。その後の報道はトップのシステムに対する驚くほどの無知であった。証券取引所の重要な役割は当然のことながら株式取引の場の提供である。

商品は膨大な数の取引が「公正、透明で正しく処理されることが保障されたプロセス」であり、絶対的な信頼の上に成立している。ところが唯一の商品であるプロセスがIT化された瞬間にトップは思考停止し判断を誤った、というより何を判断しなければならないか分かっていなかった。

リンゴの芯は腐ってはいなかったがスカスカだったというわけだ。その後の報道によるとどうも役員全員がそんな状況だったらしい。事故原因が判明する前からシステム・サプライヤー責任を言及するという的外れの言い訳をし、システム・オンチ振りを発揮した。

80年代日本企業に徹底的に痛めつけられた米国企業は、日本企業を研究し物まねではなく経営にITを組み込み競争力を回復、90年代後半から一人勝ち状態になった。企業トップにはITが経営に組み込まれ一体化されたプロセスをよく理解した人材がおり、問題発生時の原因を的確に把握し対応できる。

東証が問題を直ぐ丸投げしたように、ITと聞いた瞬間に思考停止し対応を丸投げする日本の経営者はまだまだ多い。実際には既にIT連携した経営が不可分になっているにもかかわらずである。

結果は西室会長が当面社長兼任し若手の委員会を作って今後どうして行くか検討していくと表明した。裏返せば経営幹部にそういう人材がいないということだろう。

米国なら外部から如何に早く優れた専門家を引っ張ってきて、短期間に問題をフィックスするかというのが会長の評価になるはずだが、日本ではやむを得ないかも。しかし、松下並の速さで信頼の回復が求められている。■


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世界で一番住みたい家

2005-12-21 16:19:23 | 日記・エッセイ・コラム
古本屋で題名に惹かれて買った。読む前に、私にとって一番住みたい家はどこだったか考えてみた。その家は97年から1年間住んだ米国のフェデラルウェイ市にある一軒家だ。

95年からシアトル郊外のベルビュー市にある一軒家を借りた。市の南側のワシントン湖沿いにあるニューポート・ショアという高級住宅地で、湖から裏庭まで運河が引かれクルーザーがつけられるようになっていた。5台の車が駐車できる車庫と巨大なクルーザーが停泊している豪華なうちはアラブ王子の家だと教わった。

私の家は2寝室・2浴室・応接・食堂・LDKの平屋だったがそれでも応接と居間に暖炉があった。当時は住宅バブルの前で、かつ円が強かった(ドル100円以下)。日本人幹部サラリーマンがそういうところに住めた時代だった。住民は競って美しく手入れした庭にクリスマスデコレーションをし、当時遊びに来ていた娘と見て回った記憶がある。

その頃は現地従業員に私が腰掛でないことを示すつもりもあって、バドミントン仲間の不動産屋ビルに探してもらい、最後に見つけたのがシータック空港を挟んでシアトルと反対側のフェデラルウェイ市にあるピュージェット・サウンド(湾)沿いのランブラー(平屋)だった。散々探し回った結果、ビルの家の正面にある家だ。

丁度フランス人の持ち主が定年退職になりフランスに帰国する為売りに出した20年以上の中古物件だった。応接、2寝室、2浴室、LDKは普通なのだが、この家の特徴は三方が高い天井まで届く特製のガラス窓に囲まれ、大きい池と多くの珍しい植物とダイニングが一体となった広い部屋だ。サンルームとか言う当たり前じゃない洒落た呼び方があったがもう忘れた。

この部屋からガラス戸を出て行くと庭に出る。当時ガーデニングなんて言葉も知らなかったので奥さんが苦労して色々な種類のハーブ(アーブと聞こえた)を集めて育てたと一生懸命説明しても、手入れの悪い庭くらいにしか思わなかったが不思議と庭の全体の印象はとても良かった。 

私は“サンルーム”を見た瞬間、後先考えず舞い上がって言い値で買うといった。後から考えると外壁は黄色、バスは壁一杯の鏡と黒のタイル、水まわりは良くなかった。後から日本や現地のお客を招いてもサンルームには感嘆の声を上げても、バスを見ると引いた。

それは日米とも違うフランス人のテーストだった。私はオーナーに「このテーストが好きだ」といったのを聞いて、オーナーは喜こびアンティークの家具やストーブなど色んなものを残してくれた。フランス人らしく凄い種類の胡椒など料理に使うスパイスや調味料も残してくれたがどうしていいか分からなかった。

家を出て車で坂を下ると直ぐボート・ランチャーがありその横に有名なシーフード・レストランがあり内外のお客や同僚としょっちゅうディナーに行った。窓から見るピュージェット・サウンドの夕焼けは素晴らしかった。

引っ越してから週末にジムでトレーニングした後家に戻り、サンルームのダイニング・テーブルにつき、窓から差し込む日差しが植物や池に揺れ動く陰影を見ながらコーヒーを飲むのは最高の贅沢だった。これにはシアトルの夏の澄み切った青空が随分と貢献していた。

しかし、一人暮らしは寂しい。素晴らしいが故に寂しさが募った。そのうち車に装備一式を放り込んでレニア山かオリンピック半島に向かい、山に登りキャンプする週末になってしまった。平日は夜遅く帰ってシャワーを浴び、酒を飲んで寝る生活に戻った。掃除洗濯皿洗いと庭の手入れは週一サービスに頼み、出張のときは池の魚と植物の手入れを近所の子供にお小遣いをやって頼んだ。最初気に入ったところが徐々に負担になった。

半年もたった頃カリフォルニアに転勤が決まり考えた末、売ってくれとビルに頼んだ。ところがあれだけ私が気に入ったフレンチ・テーストが邪魔になって中々売れない。まる1年住んだだけでカリフォルニアに転居、更に1年弱たって帰国途中ハワイのホテルでビルから連絡が入り値下げしてやっと売れたという連絡が入った。経済的には大損だが後悔はしてない。

今思い返して、もし自分が若くて愛する人と住めたとしたら、フェデラルウェイの家を選ぶ。サンルームでのんびりしてお茶を飲みビスケットを食べた日に戻りたい。■


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首席補佐官死す

2005-12-20 22:58:00 | テレビ番組
米国で最も人気のある大統領は誰か知ってますか?それはバートレット大統領です。何代目の、ケネディじゃないの?実はNBCの人気番組「ウエスト・ウィング」(邦題ザ・ホワイトハウス)のチャーリー・シーン演じる大統領のことだ。

初歩的なパーティ・ジョークだが、そのくらい人気があるということ。連続してエミー賞を受賞したテレビ番組で、その設定・構成と出演者の演技は本物以上に迫真に迫っているとの評判だった。

その中でタフだが忠実なレオ・マクギャリー首席補佐官を渋く演じるジョン・スペンサーが金曜日の夜、ロスアンジェルス病院に入院し一日もたたないうちに心臓病でなくなったと報じられた。

NHKBS2でこの数年放映され、見た瞬間から私は彼の演じる首席補佐官役のファンになった。物語は親友の大統領担ぎ出しから、心臓病を克服して副大統領候補になるところまで進んだところで、皮肉にも現実の世界で心臓病で倒れ帰らぬ人となった。

私は気が付かなかったが、「ブラック・レイン」にも出演したらしい。転機になったのは「推定無罪」の弁護士役で、認められてテレビ番組「LA Law」と「ホワイトハウス」の役を得たとのこと。

ホワイトハウスには魅力的なキャラクターが数多く出てくるが、中でも私は才気溢れ魅力的な報道官(夏木マリの吹き替えが良い)と、身を削って大統領を支える首席補佐官の役柄が気に入っていた。私はどうも殿様より参謀のほうが身近に感じるようだ。日本でこれだけしっかり作られた番組は見た記憶がない。

番組は7年目に入りかつての人気が保てず水曜から日曜に放送日を移動し巻き返そうとしていたらしい。彼の出番は1月までないらしいが、番組構成への影響は避けられないという。どうするのだろうか。

彼は私と同じ年代で時にテレビ番組ながら役柄がある意味身近に感じ、我が身に置き換えて見ることがあった。丁度今パソコンテレビで番組を見ながらこれを書いている。ドラマなのに死んだ彼が出てくるのを見ると不思議な気がする。冥福を祈りたい。■


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ブログの人柄

2005-12-18 17:51:28 | ブログ
ある専門調査では全世界のブログ数はこの半年間で10倍に増え1億を超えたそうだ(日経新聞)。津波やカトリーナ報道では既存メディアに先駆け世界に現地の悲惨な状況を伝えたし、メインストリーム・メディアの誤りをただし看板キャスターを辞任に追い込むまでになった。特に米国ではプロのジャーナリストが個人のブログを開設しパーソナル・ジャーナリズムと言うジャンルを確立した。

私も真似事で出来るだけ信頼できるソースとして独自の洞察で物事の評論を発信したいと思ってやってきた。ブログの種類は千差万別でそれぞれに個性が現れてくる。それがブログのいいところだ。ブログ人気ランキングがあるそうで、女優の真鍋かおりさんのブログが人気があるそうだ。彼女のウィットがあり、チラッと知性の輝きを見せ、携帯メールっぽい端的で分かりやすい文章は読んでてついつい引き込まれる。人気があって当然だ。

ところが私の文体と言えば理屈ぽくって重々しく軽快さに欠け面白くない。一度だけ「世界マッサージ紀行」がランキングにはいったと連絡をいただいたがテーマから言っても例外的である。真鍋さん風にぶつ切りの文章で軽快さを出そうと思ったが私がやると散漫になりとてもだめだった。

私は相当なプラグマティストだからいつも実利的にしか物を見ない。ブログも同じである。ところが最近ひょんなことで全く別の世界のブログを見た。色々なものに触れて筆者の心の動きを短い言葉だけど丁寧に表現して美しい芸術をみるような気持ちになった。仕事に行詰った時このブログを読んで清々しい気持ちになり又、ため息をついて現実的な仕事に戻る。

大胆にもそのサイトに投稿したくなったが、人生をやり過ぎた私が触ると毒が回って壊れるかもしれない。全く年柄にもないことを考えたもんだ、焼きが回ったかも。でも少なくとも時にはプラグマティストを止めなければ。■

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