かぶれの世界(新)

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母が辿った道を歩く

2021-08-26 21:11:30 | 日記・エッセイ・コラム
天候が回復した昨日から、2週間前に泊まった子供達家族が使った寝具の洗濯・整理を開始した。昨日は終日青空が見えたが湿度が90%に届くほど高く、天候の回復を待ってもう一度日干しして収納することにした。今日は予報は晴れだったが、期待した通りとはいかず終日曇天だった。

だが、予報に従って朝一で残りの寝具を洗濯した。今日も湿度が高く二日に亘って洗濯した寝具はチャンと乾かず、廊下に重ねてぶら下げ明日以降の好天を待つことにした。こんな調子だから、大人5人分の敷布団も乾燥が進まず1階の客間において置くしかなかった。

実は私が本当に困ったのは天候ではない。2階の客間から1階に寝具を抱えて降ろすのが大変だったことだ。敷布団は昔の綿布団で二つ抱えて階段を降りるだけでフラフラした。2-3年前なら平気だったはずだが、今では階段が急すぎて一歩下りるだけでドキドキした。

昔の農家は天井が高く階段は急にならざるを得ない。15年位前に私が早期退職し養蚕に使っていた2階の部屋を書斎や客間に改築し、その時階段を可能な限り緩やかにした。その後、母の自宅介護の為に階段に手摺を付けた。だが、布団を抱えて下りる時は手摺は役に立たなかった。

改築した時に全ての布団を2階に持ち上げたのは母だった。その他の家具類も母が面倒をみてくれた。改築した当時、建築会社と契約した後さっさと帰京し後は全て母に任せた。私は母が二十歳の時に生まれたので、実は私は当時の母とそれ程違わない年齢だと気付いた。

私は何と酷いことを母にやらせたんだろうと、2階から寝具を降ろした時に初めて気づいた。子供達家族が来た時に撮った孫と一緒の写真を見て、私の老化を実感してがっかりしたと先日投稿した。情けないことに私の年齢から逆算して母に酷い仕打ちをした自分に今頃気づいた。

母の介護の為の風呂や階段に取り付けた手摺が、今になって老いた私を助けてくれる。最初は皮肉な冗談程度に思っていたが、マジそれが無ければ田舎の一人暮らしは出来なくなった。男と女の寿命の差と母との年齢差を考えると、私は母の辿った道のすぐ後を歩いている。■
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