さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 ミケーネ

2010年10月14日 | 海外旅行
ミケーネは、ペロポネソス半島東部に位置し、1872年にシュリーマンによって遺跡が発掘され、ミケーネ文明と呼ばれる古代ギリシア以前の青銅器文明が発見されました。

現在は、世界遺産にも登録されています。

丘の上にミケーネのアクロポリスが広がっています。この風景は、後に述べることにするアトレウスの宝庫から眺めたものです。



丘の上目指して登っていくと、ミケーネ遺跡のシンボルになっている獅子の門が現れます。

ミケーネ文明は、その前のミノア(ミノス、クレタ)文明が開放的であったのに対し、巨石を使い閉鎖的な特徴を持っています。



獅子の頭は失われています。



獅子の門を抜けると、直径約26m、深さ1~4m、二重構造の外壁を持つ円形墓地Aが現れます。ここで、「アガメムノンの黄金のマスク」がシュリーマンによって発見されました。

シュリーマンは、もともとはクリミア戦争に際してロシアに武器を密輸して巨万の富を得た事業家でしたが、ギリシャ神話に出てくる伝説の都市トロイアが実在することを発掘によって証明しました。

自身の著作では、幼少のころにホメーロスの「イーリアス」に感動したのがトロイア発掘を志したきっかけであるとしていますが、当時もトロイアの遺跡発掘は試みられており、これは功名心の高かった彼による後付けの創作である可能性が高いようです。

1876年に、ミケーネで黄金のマスクを発見し、これをアガメムノン王のものと考えますが、後にトロイア戦争よりも古い時代のものということが判りました。



丘の上には王宮が広がっています。



アガメムノン王は、絶世の美女とされるヘレネーの双子の姉妹であるクリュタイムネーストラーを、夫でありいとこのタンタロスを殺して奪い、妻とします。弟メネラーオス(スパルタ王)の妻ヘレネーが、トロイアの王子パリスに連れ去られたことに怒り、全ギリシアから志願者を募って、自らは総大将となりトロイアに戦争を仕掛けます。戦勝後、トロイア王女カッサンドラーを己の愛妾として帰還しますが、妻クリュタイムネーストラーとその情夫アイギストスに暗殺されてしまいます。



丘の上からは、アルゴリス平野の眺めが広がっています。緑はオリーブ畑です。

ミケーネの遺跡に立つと、ギリシャ神話の世界が現実のものであったような気持ちにさせられます。



丘の麓には、アトレウスの宝庫があります。アガメムノンの墓とも呼ばれるように墳墓として造られたようです。



アトレウスの宝庫と呼ばれますが、シュリーマンが発掘を行った時には、すでに盗掘が行われて、金銀財宝は何も見つかりませんでした。

内部は暗いがらんどうの区間が広がっているだけですが、アトレウスの宝庫は、ミケーネ文化を代表する遺跡の一つになっています。
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