MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

犬と私の10の約束

2008-04-06 19:48:53 | 映画

映画『犬と私の10の約束』を見た。

映画に登場する10の約束は公式HPを見ていただきたい。

http://www.inu10.jp/

10の約束は世界に広く伝わる作者不詳の短編詩

『犬の十戒』をもとにしている。

原文の方がはるかにすばらしいので、ここにあげておく。

1. My life is likely to last ten to fifteen years. 

  Any separation from you will be painful for me. 

  Remember that before you get along with me.

 私の一生はせいぜい10年から15年です。

 あなたとの別れは私にとってもつらいことです。

 どうか一緒に暮らす前にそのことを覚えておいてください。

2.  Give me time to understand what you want of me.

 あなたが私に求めることをわかるようになるまで

 私に時間をください。

3.  Place your trust in me-it's crucial to my well-being.

 私を信じてください。私の幸福に必要なことなのです。

4.  Don't be angery at me for long and don't lock me up

  as punishment. 

  You have your work, your entertainment,

  and your friends.  I have only you.

 私を長い間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないでください。

 あなたには仕事があり楽しみがあり、友達がいます。

 でも私にはあなたしかいないのです。

5. Talk to me sometimes. 

  Even if I don't understand your words,

  I understand your voice when it's speaking to me.

 私に時々話しかけてください。

 たとえあなたの言葉を理解できなくても

 私に届いたあなたの声を理解できます。

6.  Be aware that however you treat me, I'll never

  forget it.

 あなたがどんな風に私に接しても、

 私は決してそれを忘れないことを知ってほしい。

7.  Remember before you hit me that I have teeth that

  could easily crush the bones of your hand but that

  I choose not to bite you.

 あなたが私を叩く前に知っておいてほしい。

 私にはあなたの手の骨を容易に噛み砕くほどの

 牙を持っているが、決してあなたを噛むことは

 しないということを。

8.  Before you scold me for being uncooperative,

  obstinate or lazy, ask yourself if something might

  be bothering me.  Perhaps I'm not getting the

  right food, or I've been out in the sun too long,

  or my heart getting old and weak.

 私があなたの言うことを聞かなかったり、

 分からず屋だったり、怠け者だったりするときには

 私に何かが起こっていると考えてほしい。

 きっと、きちんと食べ物を与えられていないか、

 長い間、太陽に照らされ続けているか、

 年老いて私の心臓が弱っているかのいずれかだろう。

9.  Take care of me when I get old; you, too, will

  grow old.

 私が歳をとってもめんどうを見てほしい。

 あなたも同じように歳をとるのだから。

10.  Go with me on difficult journeys. 

  Never say, "I can't bear to watch it." or

  "Let it happen in my absence." 

  Everything is easier for me if you are there.

  Remember I love you.

 最期まで一緒にいてほしい。

 「見ていられない」とか「自分のいないところで逝ってほしい」

 などと決して言わないで。

 あなたがそばに居てくれるだけで、私はすべてを

 安らかに受け入れることができる。

 私があなたを愛していることをずっと覚えておいてほしい。

黙って読んでみると、結構、わがままな主張だ。

正確には『犬の十戒』ではなくて

『犬を飼う人への十戒』だろう。

そして、あくまでも犬に感情移入した人間の

気持ちを表現したに過ぎないのだろうが…。

本当の犬の気持ちはどうなのだろうか?

そんな『犬の気持ち』がわかる映画だというので

見るのを楽しみにしていたのだ。

03

主人公である14歳の斉藤あかり(福田麻由子)は、

勤務医の父・祐市(豊川悦司)、優しい母・芙美子(高島礼子)

の3人で函館にある庭の広い素敵な家で幸せな日々を

過ごしていた。

ある日、芙美子が不治の病に侵されていることがわかる。

芙美子は、残されるあかりのために、近所から

ゴールデン・レトリバーの仔犬を譲りうける。

足の先が広く、靴下を履いているように見えるので

『ソックス』と名づけた。

芙美子はあかりに、

『犬の飼い主となるための10の約束』を教える。

ほどなく芙美子は死去するが、

ソックスの持つ不思議な力があかりを支えてくれたのだった。

エリート医師である祐市は、やがて札幌の医大の准教授に

抜擢されるが、転居のためあかりはソックスと

別れなければならなくなる。

同級生だった星進(佐藤祥太)にソックスを預かってもらうことに

なったのだが、クラシックのギタリストをめざす進は

パリへの留学が決まる。

居場所を失ったソックスは、あかりを求めて

函館の街をさまようのだった。

首輪の電話番号から、あかりはソックスとの再会を

果たすが、大学病院での医師の仕事と、家族を悲しませる

ばかりの生活に疑問を感じた祐市は辞表を提出し、

函館に戻って医院を開業する。

こうして父娘とソックスのあたたかい家族生活が

再び始まったのだが、

あかりは成長とともに、進路のこと、仕事のこと、

恋人のことなど、自分の生活に精一杯の毎日となり、

ソックスとの距離は少しずつ遠くなっていった。

そして、約束に出てくる『10年』が経とうとしていた…

ディテールについては色々と注文のある映画だが、

本編が決して犬中心となっておらず、ほのぼのとした

ストーリーで淡々と進んでゆく。

映画後半でようやく涙を誘う場面が登場するが、

悲しいシーンは思ったより少なかった。

福田麻由子の演じた少女時代のあかりから

田中麗奈の演じる成人してからのあかりへの

移行は違和感なく見られた。

ただソックス役のワンちゃん達が飼い主に

なついていないように見えたの残念だった。

ところどころ、犬のしぐさにわざとらしい演出が

見られたが、前述のように犬の露出が

抑えられており許容範囲であったと思う。

なお、あかりの恋人である進の父親役の布施明の

演技がイマイチ。

最後の賛美歌312番の熱唱だけは、

さすがの歌唱力で気合が入っていたが、

このシーンのために選ばれたのか?

さて、果たしてこの映画を見終わって、

犬の気持ちは、さっぱり…だった。

所詮解釈は人間のエゴに過ぎないと思う。

我が家の犬とも四六時中顔をつき合わせているが

彼女の真意のほどは全くわからない ↓

Photo

ただ、犬の目線から人間を見てみるとき、

人間の弱いところ、ダメなところ、傲慢なところ、

尊大なところ、etc…、そんな人間の欠点が

見えてくることはありそうだ。

犬が答えてくれるわけではないのだが、

癒され、励まされることで、自分を見つめなおすことが

できるのかもしれない。

それが、犬の大きな役割ではないかと思うのだ。

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ビミョ~語の達人

2008-04-04 21:43:11 | アート・文化

病院を訪れた今どきの若者への問診は大変だ。

「この前出した鎮痛薬で頭痛の方はどう?」

(若者)「ビミョ~」…

「夜は眠れるの?」、(若者)「ビミョ~」

「食欲はどうよ?」、(若者)「ビミョ~」

「痛いのか?痛くないのか?」、

そんな単純な質問に対して

明快な答えが返ってくることを期待していたら、

それがなんで「ビミョ~」なんだよっ!(怒)

「じゃぁ、もう薬、出さなくていいんだねっ?」、で、

(若者)「えっ?マジっすか?」…

会話にならないこんな微妙表現がまかり通るようになったのは

一体いつからのことだろう。

ま、そもそも日本語ってのが、

婉曲表現豊富な言語であるのは間違いないのだが…

断定表現を忌避する国民性が災いしてるのか。

それにしても、「……、みたいな~」とか「て、ゆうか~」などの

言い方や、断定文なのに語尾を上げる話し方など

あいまい表現がますます横行している。

お国のトップである、あのオランウータン総理が

ここんとこ毎日のように、『微妙語』を連発する時代である。

若者の使う『ビミョ~語』だけを責めることはできまい。

「つい口に出る『微妙』な日本語」の中で著者の濱田秀彦氏は

微妙語を無意識に使ってしまう危険性は

中高年ほど高いと述べている。

http://s02.megalodon.jp/2008-0404-1804-08/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080404-00000005-gen-ent
(ウェブ魚拓、YAHOO! JAPAN ニュース 日刊ゲンダイ)

オランウータンが最近頻回に発する、

「~すべきだと思いますよ」とか「何度も申しますように」は

遠まわしに相手をバカにしたようで、

嫌味なヤツとの印象を与えるそうだ。

あの人が発する、「ん?どうなんでしょうね?」も、

とってもいやらしく思うのだが、

長嶋さんの、「ん~、ど~なんでしょ~?」は

ちっともいやらしくないことから、

やっぱり言葉を発する人間の問題かぁ。

その他、「~ってものはだね」、「オレの若い頃は…」など

説教臭い『高飛車系』も敬遠されるのは当然だろう。

MrK 的にたまらんのは、「要は~」。

一回だけの使用なら納得もするが、

しつこいくらい「要は~」を連発するヤツ。

ちっとも要約になってないよ。

濱田氏によれば、むしろ話をまとめる能力のない人ほど

使いたがり、的外れなことを言うタイプが多いそうだ。

あと、「~って話なんですよね」できっちり話を締めた気になってる

尊大なやつ。

話にオチがなく、収拾がつかなくなった時に用いる常套句。

そのほかに、こんなのもどうよ。

いよいよ昨夜から始まった、『渡る世間は鬼ばかり』。

この中でしか聞くことのできない、

「~って道理はないでしょう」(笑)。

昨夜の2時間スペシャルでも、早速連発しており、

その回数を数えるのは大いに楽しかった(爆笑)。

さすがに『道理』がわかってらっしゃる脚本家の大先生は

違うと感心した。

自分のしゃべりの癖ってのはなかなか自覚できないものだし

他人から注意を受けることも少ないだろう。

一方で、しっかり陰口を叩かれるのは間違いない。

反芻しながら言葉を発する習慣を身につけるよう

努力してゆきたいと思う(ムリムリッ!)。

コメント (2)
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