日頃から、健康に十分留意しているとはいえない MrK だが、
一つだけこだわり続けていることがある。
コンビニのレジで『お弁当、温めますか~?』と聞かれれば、
迷わず、『結構です』と答えること。
冷たいままで食べるか、
自宅であれば、別の容器に移してチンする。
弁当容器ごと電子レンジにかけて果たして大丈夫なのか、
という不安があるからだ。
しかし、幸い、コンビニ弁当やカップ麺の容器の
材料はポリスチレンが中心で安全ということになっている。
一方、計量カップ、哺乳瓶、缶製品の内張り、
給食用容器などに用いられているプラスチック材に使われる
エポキシ樹脂やポリカーボネイトには
化学物質のビスフェノールA(bisphenol A、BPA)
が含まれている。
これは熱や洗剤により溶出し体内に入る可能性があるという。
BPAは女性ホルモン(エストロゲン)類似物質として作用し、
生殖機能障害やがんを引き起こすと考えられている。
しかし、これまでの調査では、通常の食事で体内に入る
BPAはごく微量であり健康上の問題はないとする報告が
ほとんどであった。
あ
ところが、今回の Washington Post 紙の記事である。
U.S. Cites Fear on Chemical In Plastics
(2008年4月16日)
あ
連邦健康機関は昨日初めて哺乳瓶やCDなど
数多くの日常品に認められる化学物質が
がんやその他の深刻な異常を来たすかもしれないという
懸念を表明した。
国家毒性プログラム(National Toxicology Program)
によるこのレポートは、
6歳以上の93%の人で
尿に検出されるという化学物質、BPAに対する
これまでの政府の立場の転換を示すものだ。
昨年、外部の科学者を採用した別の専門委員会は
BPAの健康上のリスクを最小評価したが、
議会の調査によって、
この解析のために採用された会社もまた
化学工業界に関わっていたことが発覚。
これにより、その見解は厳しい批判を受けることとなった。
1950年代以来、BPAはプラスチック合成に用いられたが、
実験動物において、乳がん、前立腺がん、
女児における思春期早発、および行動異常との関連が
示唆されている。
レポートでは、BPAの健康に及ぼす影響についてさらなる
調査研究を求めている。
粉ミルクを飲む乳児は最もこの化学物質の被害を
こうむりやすいという。なぜなら、哺乳瓶だけでなく、
粉ミルクの缶の内張りに用いられる樹脂にも
BPAが含まれるからである。
非営利の Environmental Working Group の
上級科学者である Anila Jacob 氏は
「乳児達は二重に曝露されている」という。
カリフォルニア州やニュージャージー州などの
いくつかの州ではBPAの禁止を検討中とのことだ。
(記事要約終わり)
あ
こうして見ると、日本の少子化の進行と
プラスチック製品の普及には関連があるのかも知れない。
日本人男性の精子数がこの20年間で激減して
いるのは明らかにおかしい。
それから、関係ないけど、
一食分でも、コンビニで済ませ、
食べ終わって片付ける時に気づく
残された膨大なプラスチック類のゴミの量には
あらためて驚かされる。
これまでの安全神話が、
化学工業界の自己調査によって誘導されていた可能性が
高かった、やっぱり安全じゃないかもしれない、という今回の顛末。
こりゃ、やっぱり、コンビニ弁当の加熱拒否はこれからも
続けた方がよさそうだ(それよりちゃんと作ってもらえよっ)。