令和元年も残すところあとわずか。
平成から令和に変わってもドラマ界には特に大きな変化は
なかったようだ(昭和から平成のときはバブルが
弾けたこともあって大きく変わった記憶がある)。
今や若い人たちがテレビを見ない時代となり、
ドラマにも興味を示さなくなってしまっているが、
この傾向はこれからもさらに進んで行くだろう。
日テレ土10『俺の話は長い』より
まずは、令和元年最後のクール、10月ドラマについて
12月15日放送分までの
平均視聴率[関東地区・ビデオリサーチ社調べ]上位から
コメントする【( )内数字は平均視聴率】。
①テレ朝木9 『ドクターX~外科医・大門未知子~第6シリーズ』(18.29%)
フリーランスの天才外科医・大門未知子(米倉涼子)が東帝大学病院を舞台にAIを駆使した最先端医療と対決。出演者の健康問題なのか、ギャラを抑える目的なのかは不明だが、権威者たちが時折お休みする回があり高視聴率ながら裏方は盤石ではないようだ。手術の下手な医師の手が途中で止まりそこに大門未知子が登場するというワンパターンを繰り返す展開で、さすがに飽きがきたと感じるのは自分だけだろうか?
②テレ朝水9 『相棒(18)』(14.61%)
相変わらずシニア視聴者をターゲットにした鉄板路線でさすがの高視聴率を維持。今シーズンでは前シーズンで不自然に消滅した小料理屋『花の里』のシーンはなかった(なくても問題ないのかも)
③TBS 日9 『グランメゾン東京』(12.51%)
アレルギー食材を誤って使用したことでドン底に落ちたフランス料理シェフが人生の再起を図る“大人の青春”ドラマ。相変わらずのキムタクの演技に苦笑してしまうしかなかったが、ストーリーはともかく、毎回次々と映し出されるおいしそうな料理を見るだけで満足?とことんまで最高の料理をめざす料理人たちの努力は伝わったが、調理の合間にキムタク演じる尾花夏樹が腕を組み両手を両脇の下に挟むポーズはなんとかならないか。料理に臭いが移りそう?なわけで、キムタクにこう言わせてほしい。『料理なめんじゃねえぞっ!』
④日テレ水10 『同期のサクラ』(10.58%)
北の小さな離島から1人上京した忖度できない主人公・サクラ(高畑充希)の10年にわたる社会人生活を描いた成長劇。1年で1話が進むという、『十年愛』でもみられた遊川和彦お得意のドラマ構成。そもそもそれぞれの登場人物が一年ごとにサクラに洗脳されていくという不自然な演出に作為を感じるため、個人的にはネットで称賛されるほど心に響かなかった。
⑤フジ月9 『シャーロック』(9.77%)
アーサー・コナン・ドイルの小説『シャーロック・ホームズ』を原案に、令和の東京を舞台にフリーランスの犯罪捜査屋と精神科医がバディを組み難事件に挑むストーリー。ディーン・フジオカと岩田剛典という、“演技力に期待できない”二人がメインキャストということで心配したが、ディーン様の方は特に感情表現が求められない役だったせいか淡々と演じていて不自然さはなかった。一方の岩田君は以前より演技力が上がっていたようだ。とりあえず、このドラマで一番印象に残ったのはディーン様のバイオリン演奏?
⑥フジ(関西テレビ)火9 『まだ結婚できない男』(9.34%)
『結婚できない男』13年ぶりの続編作。独身を貫き、偏屈さにさらに磨きのかかった53歳の主人公・桑野を通して、晩婚化の進んだ令和日本を描いたドラマ。前作当時と比べるとさらに未婚率が上がり、晩婚は普通の時代となったことから、『おふざけが過ぎてはNG』感が強くなってしまい、前作ほどの視聴率(16.9%)とは程遠い結果に終わりそう。なぜ13年ぶりにこのドラマなのかという疑問も残されたままである。
⑦日テレ土10 『俺の話は長い』(8.45%)
30代無職、口だけ達者な屁理屈ニートと家族とのやりとり描いたホームコメディ。個人的には今回一推し。格段大きな事件はないのだが、日常生活の中で繰り広げられる小さなできごとが“サザエさん”的に半話ごとにプツンプツンと描かれた(特に毎話のタイトルが昭和の4コマ漫画的)。主人公を演じる生田斗真とその姉役の小池栄子の長ゼリフの応酬がドラマを盛り上げた。東京の下町が舞台となっており、ドラマの端々に昭和な雰囲気が感じられた。
⑧TBS金10 『4分間のマリーゴールド』(7.44%)
人間の余命が視える特殊体質の主人公と余命1年の義姉との禁断のラブストーリー。救命救急士の主人公が手を重ねた人の最期の姿が視えるという非現実的な設定に基づいて物語が成り立っているため、感情移入することが困難、また主人公が、何度か救急患者の最期を見ることができたからといえ、最愛の人の最期について絶対的な自信を持っていることには驚く。さらに、いくら血のつながりはないとはいえ、幼いころから姉弟として過ごしてきた2人に恋愛感情が生まれるという状況にも共感しがたい。一つ屋根の下に暮らす主人公以外の血のつながった3人の兄妹もそれぞれのクセが強すぎて、全く兄妹には見えず、まるで他人の寄せ集めのように感じられた。
⑨TBS 火10 『G線上のあなたと私』(7.43%)
大人のバイオリン教室で習い始めた、恋愛、仕事、家族などで様々な問題で悩む男女3人が、ぶつかり合いながらも互いに支え合う恋と友情の物語を展開する。主役の波瑠にメガネをかけさせ、仕事も婚活もうまくいかない地味な女性を演じさせようとしているのだが、演技力の問題もあるのか説得力に欠けた。恋に悩む理人役の中川大志も同様。唯一、家庭問題に悩む主婦役・松下由樹の好演のおかげでかろうじて視聴を続けることができたように思う。
⑩日テレ 日10:30 『ニッポンノワール~刑事Yの反乱』(6.88%)
殺害された刑事の真相をめぐって一人のやさぐれ刑事と警察内部の闇との対決を描いたミステリー。物語の展開を面白くするための演出かもしれないが、ドラマ冒頭で完全に記憶をなくしていた主人公の警視庁の刑事・遊佐清春が、回が進むにつれ都合よく?逆行性に小出しに記憶が戻っていくってのはどうなのか。実に不自然さを感じざるを得ない。ドラマはなんでもありの展開で、視るのに多少疲れてしまうのだが、エンディングロールで不釣り合いに穏やかなサザンの『愛はスローにちょっとずつ』が流れるのが救い?
⑪テレ朝金 11:15(金曜ナイトドラマ) 『時効警察はじめました』(6.09%)
時効成立事件を趣味で捜査する変人警官・霧山が、時効廃止された現代日本を舞台に12年ぶりに第3シリーズとして再始動。コメディ要素をふんだんに?取り入れておりそれが逆にドラマに対する興味を削ぐ形となった。特に“時効管理課”全員お揃いで演じるギャグは寒すぎる。しかもしつこい。時効を迎えた事件の捜査を純粋に描いた方が良かったのでは?過去2シリーズほどの人気は得られず視聴率は伸び悩んだ。
⑫フジ木10 『モトカレマニア』(4.42%)
元カレが好きすぎるモトカレマニア(MKM)女子の生態を描いたラブコメディ。元カレの存在を引きずる“イタカワ女子(イタいけどカワイイ女子)”のぶっ飛びOLの混乱と暴走と試行錯誤の物語が展開された。予想どおりの大コケで厳しい低視聴率。表情に乏しい新木優子にこの手のコメディはまだ無理。高良健吾も出演選択を完全に誤った?さらに所々にみられるチョー寒い演出がドラマを一層安っぽいものとした。特に、脳内会議と称して、『弱気ユリカ』『堅実ユリカ』『陰湿ユリカ』『甘い見通しユリカ』『いい女ユリカ』がぞろぞろ登場し、『議長ユリカ』のもと議論を始めるシーンは寒さを通り越して痛々しくさえ感じてしまった。
(番外)NHK日8 大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(8.11%, 第1話から)
NHK大河ドラマにとっては色々と辛い一年だったに違いない。一話一話はそれなりに見どころのある作りにはなっているのだが、一連のドラマとしては山も谷もない、単調なドキュメンタリードラマのような流れに終わった。制作発表のときから、低視聴率に沈むのでは?と不安視していたが、ここまでひどいとは…。ま、今後の作品がこれ以下になることはないと思われるので、これからはスタッフも気楽に作れるのではないだろうか。一年間ご苦労様~。
超マンネリでも『ドクターX』がさすがの安定の高視聴率。
テレ朝は堅実に数字を獲っている。
もはや恋愛コメディでは数字は獲れないというのは明白。
どのドラマも平均視聴率10%が一つの壁になっているようだ。
それでは、ここからは次クール1月ドラマに話を移す。
2020年1月からの新ドラマをチェックしてみたい。
フジ月9 1/6 ~ 『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~ (4) 』 沢村一樹、横山裕、本田翼、水野美紀、森永悠希、高杉真宙、上杉柊平、マギー、柄本明、他
過去の犯罪、防犯カメラ映像、メール・電話・SNS の通信履歴など、あらゆるビッグデータからAIが統計学的にこれから起こる重大犯罪を割り出し、それらの未然に阻止する『未然犯罪捜査班』(通称・ミハン)の刑事たちが悪戦苦闘する。脚本家・浜田秀哉によるオリジナルドラマ。2018年7月クールに放映された前期のメンバーが続投。ミハンのリーダー・井沢範人を沢村一樹が演じる。元公安のエリートだが物腰の柔らかい飄々としたキャラクターの持ち主。妻と娘を無残に殺された過去を持ち、犯罪を未然に防ぎたいという思いが人一倍強く、犯罪者に対する怒りが強すぎるあまり、刑事としての一線を越えてしまいそうな激しい凶暴性を持ち合わせており上層部から危険視されている。横山裕演じる山内徹は、特殊捜査班から捜査一課を経て、ミハンのメンバーとなる。今回は新たな辞令を受け、“警察が警察を取り締まる”監察官としての立場となる。表向きはミハンがおこなう住居侵入やクラッキング(ネットへの違法アクセス)などの違法捜査をチェックするためとなっているが警察上層部による井沢監視が目的だった。本田翼演じる小田切唯は、かつて生活安全課の女性警官だったが、痴漢で逃走する容疑者を必要以上に暴行しミハンに異動となった。高校生の頃に男に襲われた過去から男性恐怖症となり、その反動で男性に対し異常に冷たく粗暴に振る舞ってしまう。今作は、大規模なテロが今まさに起きようとしている数ヶ月後の未来から物語が始まる。何者かによって渋谷、新宿、霞ヶ関をはじめとした複数の場所に警戒最大レベルの爆発物が仕掛けられ、官邸からは非常事態宣言が発動される。SATや爆発物処理班が出動する中、ミハンの山内と小田切も捜査に参加。小田切が爆発物の捜索現場となった部屋駆けつけると、拳銃を手にした男性が立ち尽くし、目の前には銃殺された女性が横たわっていた。涙を浮かべ立ち尽くしている男性は井沢だった…。毎話で新たな事件への取り組みが描かれる中、ドラマは衝撃の未来の冒頭シーンへと繋がっていくという設定。今回は、法務省官僚でミハンの統括責任者・香坂朱里役で水野美紀が新たに加わる。そのほか、コンピューターに向き合うことに疲れた伝説の天才ハッカー・加賀美聡介に柄本明、新人研修でミハンに配属され不満を抱えているキャリア警察官・吉岡拓海に森永悠希らがキャスティングされている。大コケもしなければ大ブレークもしなさそうな無難なネタとみられる。
フジ(関西テレビ)火9 1/14 ~ 『10の秘密』 向井理(主演)、仲間由紀恵、仲里依紗、渡部篤郎、山田杏奈、名取裕子、遠藤雄弥、他
脚本家・後藤法子が手がけるオリジナルドラマ。娘の誘拐をきっかけに明らかになる様々な『秘密』が交錯し人間の欲望に翻弄されるサスペンス。向井理演じる主人公・白河圭太は、14歳の娘・瞳(山田杏奈)と二人暮らしの建築確認検査員。大学時代から付き合う由貴子と結婚して娘も生まれたが、ある事件をきっかけに由貴子との関係が悪くなり、離婚を切り出されシングルファザーとなった。“娘第一主義”で何でも話せる良い関係を築き、娘の友達からうらやましがられるほどの理想の父親で、娘のために自分を犠牲にする生活を送ってきた。圭太の元妻で、仲間由紀恵演じる仙台由貴子は大手建設会社の顧問弁護士。貧しい家で育ち、努力して這い上がってきたため、『上を目指したい』が口癖。圭太との間に一人娘をもうけたが、“仕事に専念したい”と、離婚届を置いて家を出た。そんなある日、圭太のもとに電話がかかってくる。『娘を預かった。命が惜しければ元妻を探せ』。一方、由貴子はある“秘密”を抱え、消息を絶っていた。瞳を探すにつれ、別れた妻のセレブな暮らしに隠された秘密を知るばかりか、何でも知っていると思っていた娘にも秘密があることを知ることに…。そのほかの出演者には、圭太の家の近所の住む保育士で、圭太とは幼なじみの石川菜七子に仲里依紗。面倒見のいい性格で保育園での父母からの評判も良かったが、彼女もまたある“秘密”を抱えていた。由貴子が顧問弁護士を務める大手建設会社の社員・宇都宮竜二に渡部篤郎。上昇志向の強い由貴子に興味を持ち、互いに認め合うようになる。会社の“秘密”を守るため、圭太や由貴子に関わっていく。関テレ制作のサスペンスドラマにはこれまで何度も失望させられてきたが果たして本作は大丈夫だろうか?
TBS 火10 1/14 ~ 『恋はつづくよどこまでも』 上白石萌音、佐藤健、香里奈、蓮佛美沙子、毎熊克哉、渡邊圭祐、山本耕史、他
原作は円城寺マキの少女漫画 『恋はつづくよどこまでも』。新米看護師とドSドクターによるラブコメディ。主人公・佐倉七瀬を演じるのは上白石萌音。無謀ながらもまっすぐに想いつづける新米看護師。5年前のある日、偶然起きた出来事で運命の男性となる医師・天堂浬(かいり)(佐藤健)と出会う。彼に会いたい一心で猛勉強した七瀬は晴れて看護師となり、5年ぶりに天堂と再会を果たしたが、あこがれの医師は思い描いていた人物とはまるで別人だった。天堂は.容姿も仕事の腕もピカイチで完璧主義のエリートだが、超ドSで同僚に対して過度に攻撃的、毒舌を吐きまくるため『魔王』と恐れられている存在だった。七瀬はそんな天堂に憤慨しつつも、純粋に素直な思いを伝え続ける。仕事にも恋にもまっすぐな七瀬は持ち前の根性で次々に起こる困難にぶつかっていくさながら『勇者』のよう。そんな七瀬の姿に、徐々に天堂の鉄の心が溶かされていく?のだった。実は天堂が『魔王』のようになったのにはある悲しい理由があった。『勇者』・七瀬と『魔王』・天堂の間で繰り広げられる院内ラブコメ。あまり期待できそうにない…。原作では七瀬の真っ直ぐで熱い想いに次第に浬の凍り付いた心が溶かされ、七瀬に惹かれるようになり、ついには恋人同士となるらしいのだが…。
テレ朝水9 継続 『相棒(18)』 水谷豊、反町隆史、浅利陽介、川原和久、山中崇史、山西惇、神保悟志、仲間由紀恵、石坂浩二、杉本哲太、柄本明、他
10月~12月の内容については前述した。このまま安定した視聴率が続くとみられる。
日テレ水10 1/8 ~ 『知らなくていいコト』 吉高由里子、柄本佑、重岡大毅(ジャニーズWEST)、本多力、小林きな子、和田聰宏、山内圭哉、関水渚、森田甘路、今井隆文、秋吉久美子、佐々木蔵之介、小林薫、他
大石静によるオリジナル脚本ドラマ。週刊誌記者の成長を描いたお仕事ドラマ。週刊誌記者ながら自身もまたスキャンダラスな部分で人生を狂わしていく。主人公は、政治家の不正から芸能人のスキャンダルまで数々のスクープを世に送り出す週刊誌『週刊イースト』の女性記者・真壁ケイト(吉高由里子)。自信家ながらも母譲りの人ウケの良さと人懐っこさで仕事も恋も絶好調の日々を送っていた。しかし、そんなある日、シングルマザーとしてケイトを育て上げた母・杏南(秋吉久美子)が急死。母が最期の言葉で告げたのは、今まで決して明かしてこなかった父親の名前だった。それは誰もが知るあのハリウッドスター…。謎めいた母の言葉から自身に関わる驚愕の真実を知ったケイトの人生は一変、アイデンティティを失う。週刊誌編集部を舞台に一話完結で、毎回、現代社会の時事性の高いトピックスを扱うとともに、世の真実を暴く週刊誌記者という自身の立場との葛藤と闘いながらケイトが記者としてだけではなく人として成長していく姿を描く。その他の登場人物には、フリーランスの動物カメラマン・尾高由一郎に柄本佑。報道カメラマンだったが、あることがきっかけで転身。ケイトの元カレで、現在は妻子持ち。『週刊イースト』連載班・野中春樹に重岡大毅。ケイトの今カレ。そろそろプロポーズを考えている。わがままな作家の懐に飛び込むのが得意。『週刊イースト』編集長・岩谷進に佐々木蔵之介。売上部数1位を維持する『週刊イースト』の顔として部下から厚い信頼を得ている。さらにドラマ中盤から物語を大きく動かす謎の男・乃十阿徹に小林薫がキャスティングされている。この枠お得意のお仕事ドラマのようだが、コメディではなさそうだ。一方、社会派ドラマではなく、サスペンス要素もあるということで、今のところ予想がつかないドラマである。
テレ朝木9 1/16 ~ 『ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~』 桐谷健太(主演)、東出昌大(主演)、比嘉愛未、風間杜夫、柳葉敏郎、矢柴俊博、菅原大吉、峯村リエ、西村元貴、八木亜希子、他
横浜を舞台に、元体育教師の情熱刑事と東大卒の頭でっかちな超エリート検事が仲良くケンカしながら難事件に挑む。福田靖・脚本によるオリジナルドラマ。昔ながらの気質で走り出したら止まらない神奈川県警の“元体育教師の異色な刑事”・仲井戸豪太に桐谷健太、頭脳明晰すぎて逆にズレている横浜地方検察庁の“東大卒の頭でっかちな超エリート検事”・真島修平に東出昌大、のW主演。豪太はコンプライアンス無視で、『とにかく犯人を逮捕して、被害者に感謝されたい』と躍起になる男。一方の修平は『犯罪者を裁くための一番の社会正義は起訴すること。そのために証拠を集める刑事は、検事の“駒”である』と考える男。そんな相容れない豪太と修平だが、ぶつかり合いながらも徐々に共鳴が生まれ絆を深めていく。この二人以外の登場人物には、まず、豪太の妹で、周平とペアを組む立会事務官・仲井戸みなみに比嘉愛未。何かと対立する豪太と修平に振り回されながらも、修平からは思いを寄せられており、しっかりと二人の手綱を握っていく。豪太の所属する、神奈川県警横浜桜木警察署の署長・大貫誠一郎に風間杜夫。まだ半人前の豪太の良き理解者であり、その行く末を温かく見守っている。一方、修平の所属する横浜地方検察庁みなと支部の部長検事・樫村武男に柳葉敏郎。修平の未熟さを知っており、彼には重犯罪を担当させないが、彼の潜在能力を感じ取っている。せっかくの企画だが演技力に疑問の桐谷と東出のW主演ではちょっと心配。『ドクターX』の後番組としては荷が重そうだ。
フジ木10 1/9 ~ 『アライブ がん専門医のカルテ』 松下奈緒、木村佳乃、清原翔、岡崎紗絵、木下ほうか、藤井隆、他
内科医&外科医の女医がバディを組んだ医療ドラマ。がん治療に特化した腫瘍内科を舞台に繰り広げられるオリジナルのメディカル・ヒューマン・ストーリー。彼女らが治療に携わる患者たちの生き様や、彼女たち自身もそれぞれに痛みと秘密を抱えながら絆を深め合い、人生を生き抜いていく姿が描かれる。松下奈緒演じる主人公は腫瘍内科の医師・恩田心。人を救う職業に就きたいという思いから医師を目指し、奨学金で医学部に進学。医学部卒業後、最初は放射線科に進むが、画像診断でがん患者を救った経験をきっかけにがんの専門家になりたいと思うようになり、腫瘍学を学び国内ではまだ数少ない“がんのスペシャリスト”である腫瘍内科医を目指すことになる。周囲からは名前の『オンダ・ココロ』を略して“オンコロ先生”と呼ばれているが、メディカル・オンコロジー(腫瘍内科)の駄洒落ということらしい。学生時代に知り合った男性・匠と結婚し、一人息子をもうけ、順風満帆な毎日を送っていたが、3ヶ月前に夫の匠が転倒事故に遭い、緊急手術を受けるも意識が戻らないままでいる。職場では気丈に振る舞っているが、自身は未だに現実を受け止め切れていない。そんな時、勤務先の病院に移籍してきた有能な消化器外科医の薫(木村佳乃)と出会う。腫瘍内科の必要性を理解してくれる外科医として、そして、太陽のように明るい性格で心の支えになってくれる同僚として、この年齢になってできた大切な友人となった彼女との出会いは、心にとって、公私ともに突然差し始めた一筋の光のように感じられていた。『癌治療』のドラマとなると、必ずしも『ドクターX』のようにハッピーな結果にはならないことが予想される。医療ドラマではあるが、このような重いテーマで果たして視聴率が獲れるのか?
TBS金10 1/17 ~ 『病室で念仏を唱えないでください』 伊藤英明、中谷美紀、ムロツヨシ、松本穂香、余貴美子、萩原聖人、堀内健、唐田えりか、宮崎美子、泉谷しげる、土村芳、他
伊藤英明が僧侶にして救命救急医の主人公を演じる異色の医療ヒューマンドラマ。その独自の死生観によるコミカルでシリアルなやりとりを描く。原作はビッグコミック増刊号で連載中の、こやす珠世の漫画『病室で念仏を唱えないでください』。僧侶でありながら救命救急医でもある異色の主人公・松本照円を伊藤英明が演じる。彼の奮闘を通して、『生きること』を問う一話完結形式ドラマで『生きること』『死ぬこと』が問われる。松本は、幼少期に目の前でおぼれている幼馴染を救えなかったことから仏門に入り、さらに大切な人の死を前にして命を救いたいという思いから医者を志した。病院では救命救急医として医療に従事しながら、霊安室での枕経や、終末期の患者の心のケアといった僧侶としての仕事も兼任しているため、法衣のまま救急センターに運びこまれた患者の処置にあたることもあり、時に患者に「自分が亡くなってしまったのでは?」と勘違いさせるなど騒動を起こしてしまうことも。また、何かにつけて念仏を唱えたり説法をしたりすることで、患者だけではなく同僚からも煙たがられてしまうが、本人は医師としても、僧侶としても明るく真面目に取り組んでいる。その一方で、美人に気をとられるなどの煩悩を断ち切れていない。伊藤以外の主要キャストには、まず、松本と同じ救命救急センターの医師で、松本とは意見が異なる部分がありつつも、お互いの実力を認め協力しあう女医・三宅涼子に中谷美紀。医者として有能な上に美人なのに、少し抜けたおちゃめな部分がある。そして、松本と度々衝突する超エリートの心臓血管外科医・濱田達哉にムロツヨシ。その濱田の下で働く新人心臓血管外科医・児嶋眞白に松本穂香。プレッシャーに弱く濱田に役立たず扱いされながらもひたむきに医療に向き合う。さらに、松本を僧医として病院に迎え彼を陰ながら支える理事長・澁沢和歌子に余貴美子。松本の上司である救命救急センター部長・玉井潤一郎に萩原聖人。医師としての腕は確かだが気弱なところがあり、時に無茶なことをしたり他部門と衝突したりする松本にハラハラさせられている。そして、松本に時に怪しげな取引をされながらも医療面での協力関係・個人的な友情を育んでいく整形外科医・藍田一平に堀内健。この役のために剃髪したという伊藤英明の活躍が期待されるが、最近の彼はちょっとキモすぎ?
テレ朝金 11:15(金曜ナイトドラマ) 1/24 ~ 『女子高生の無駄づかい』 岡田結実(主演)、恒松祐里、中村ゆりか、町田啓太、他
女子校ならではのグダグダな日常を描いたJKコメディ。ニコニコ動画から漫画、アニメと躍進したビーノの漫画 『女子高生の無駄づかい』をドラマ化。不評だった2019年1月のこのクール『私のおじさん~WATAOJI~』の岡田結実を再び主演に。岡田が主人公の『バカ』こと田中望を演じる。そしてこの『バカ』といつもつるんでいる、『ヲタ』こと菊池茜を恒松祐里、『ロボ』こと鷺宮しおりを中村ゆりかが演じる。そしてそんな3人が通う、さいのたま女子高等学校(通称:さいじょ)の1年2組担任・『ワセダ』こと佐渡正敬(さわたりまさたか)を演じるのが町田啓太。『若さ』という最大にして最強の武器を持つ『女子高生』たちが、女子高生活をただただ無駄に浪費するハナクソレベルの日常が描かれる。岡田 19才、恒松 21才、中村 22才が高校1年生?イントロダクションを読んだだけで視聴意欲はゼロ!になった(オッサンには無理)。
日テレ土10 1/11 ~ 『トップナイフ~天才脳外科医の条件~』 天海祐希、椎名桔平、広瀬アリス、永山絢斗、古川雄大、三浦友和、他
天才の中の天才が集まる『脳外科医』たちの姿を追った医療ドラマ。原作は『コード・ブルー』の脚本家、林宏司の小説『トップナイフ』。外科医の中でも一握りの『手術の天才』が集う“脳外科”を舞台に、わずか0.1ミリの手元の狂いが患者の生死を分けるプレッシャーの中で常に完璧を求められ、手術はすべて成功して当たり前…そんな最高の医師(トップナイフ)たちがそれぞれに抱える秘密と苦悩を巡る群像劇。天海祐希演じる主人公・深山瑤子は東都病院に勤務する脳外科医で脳動脈瘤のスペシャリスト。部長の今出川から脳神経外科をまとめるように言われ管理職的役割を与えられる。自分の実力一つで患者の人生が変わるのが脳外科医だと実感、その責任と重要性を自覚して患者の命を第一に考えている、しかし、その裏では家族を捨てたという罪悪感を抱えていた。そして深山を取り巻く重要人物として、東都病院脳神経外科の脳腫瘍のスペシャリスト・黒岩健吾に椎名桔平、『愛に飢えた手術室の暴君』『世界のクロイワ』の異名をとり、マスコミにもたびたび取り上げられる。自分第一主義。仕事で散々人の命を救っているのだからそれ以外はすべて自分を優先してもいいと考えている。東都病院脳神経外科の専門研修医・小机幸子に広瀬アリス。『自称“天才”のド新人』。幼い頃から神童ともてはやされ一番が当たり前、トップ中のトップになる人生を歩んできた。しかし実技はからっきしダメな新人と噂されるも本人にその自覚なし。東都病院脳神経外科の脳外科医・西郡琢磨に永山絢斗。『心を閉ざした孤高の秀才』。外科もカテーテルも出来る二刀流。表面的には手技に絶対的な自信を見せるが中身はコンプレックスの塊。東都病院脳神経外科部長・黒岩健吾に三浦友和。『真意を見せない脳外科のクセ者』。医者としては平凡だが、人の適材適所を見分ける能力には長ける。天才医師たちをこの脳外科に集めたのには秘密があった。脳外科医ってそんなにすごいのかっ!と思わずツッコミを入れたくなるイントロダクションだが、果たしてその中身はいかに?
NHK日8 1/19 ~ 大河ドラマ『麒麟がくる』 長谷川博己、染谷将太、佐々木蔵之介、風間俊介、尾野真千子、伊藤英明、川口春奈、他
最新研究に基づく新たな明智光秀像を描いた2020年度大河ドラマ。池端俊策のオリジナル脚本。久々の戦国時代大河ドラマで、安定視聴率が期待されていたのだが、スタート前から濃姫役の女優の降板があり放映開始日が延期になるなど前途多難(4Kでフル撮影と制作にはかなり気合いははいっていたのだが…)。王が仁のある政治を行う時に必ず現れるという聖なる獣・麒麟。応仁の乱後の荒廃した世を立て直し、民を飢えや戦乱の苦しみから解放してくれる救世主の出現が期待されていた。若き頃、下剋上の代名詞ともいわれる美濃の斎藤道三を主君として勇猛果敢に戦場を駆け抜け、その教えを胸にやがて織田信長の盟友となり、多くの群雄と天下をめぐって争った智将・明智光秀。これまでほとんど描かれていない謎めいた光秀の前半生にも光を当て、彼の生涯をめぐる戦国の英傑たちの運命の行く末が描かれる。ドラマは光秀の20代の青春時代から始まる。この明智光秀を長谷川博己が演じ、織田信長には染谷将太、豊臣秀吉に佐々木蔵之介、徳川家康に風間俊介がキャスティングされている。これまでのイメージと異なり、保守的かつ中世的な側面を持ち、父・信秀から実直に受け継いだ財政面、経営面での才覚を発揮した信長、さらに親子二代で美濃をのっとったという説に基づく斎藤道三、反織田勢力を自由自在に操り、室町幕府の再興をなそうとする権謀術数にたけた第15代将軍・足利義昭など新たな認識をもとに主要人物が描かれていく。
TBS 日9 1/19 ~ 『テセウスの船』 竹内涼真(主演)、榮倉奈々、鈴木亮平、上野樹里、ユースケ・サンタマリア、貫地谷しほり、芦名星、竜星涼、芦名星、安藤政信、笹野高史、麻生祐未、他
竹内涼真が日曜劇場初主演。死刑囚の父を持つ息子が、30年前にタイムスリップして事件の真相を辿っていくSFミステリー。原作は週刊漫画誌『モーニング』(講談社)で連載されていた東元俊哉の漫画『テセウスの船』。タイトルの『テセウスの船』とは、ギリシャ神話がモチーフとなったパラドックス(逆説)に由来する。英雄・テセウスの船を後世に残すために朽ちた部品が全て新品に交換されることで、“この船は、同じ船と言えるのか?”という矛盾を問題提起するエピソード。過去を変えても、未来の家族は同じと言えるのかという難しい課題に主人公が挑む。竹内涼真が演じるのは、家族の運命を変えた警察官の父親が起こした殺人事件の謎を追う青年・田村心(たむらしん)。心が生まれる前に連続毒殺事件の犯人として父親が逮捕され、以後、心は母親・姉兄とともに、世間から後ろ指を指されながら身を隠すように生きてきた。しかし、心の父親が殺人犯と知りながら両親の反対を押し切って結婚した最愛の妻・田村由紀(上野樹里)から「お父さんを信じてみて」と言われた心は拘置所にいる父に会うことを決意。しかし、昔の事件現場に向かう途中、突然の霧に包まれ、30年前にタイムスリップ。そこは、父が殺人事件を起こす直前の平成元年、事件現場となる雪深い村だった。その“過去”で父・佐野文吾(鈴木亮平)と母・佐野和子(榮倉奈々)と出会う。父・文吾は当時、村の駐在警察官、底抜けに明るく豪快な二児の良き父親(心はまだ生まれていない)、家族からも村人からも愛される男だった。心は文吾の人柄に初めて触れ、「父は本当に殺人犯なのか?」という疑問を抱く。一方、母・和子は、大きな愛で家族を見守り、時に叱咤激励する明るく逞しい母親だった。失われてしまった家族の笑顔を取り戻すため、父の無実を信じて心は父の事件を阻止しようと過去を変えるべく立ち上がる。定番のタイムスリップ・ドラマなので現実性からは逸脱するが、エンターテインメントとして楽しむにはよいドラマかもしれない。
日テレ(読売テレビ) 日10:30 1/12 ~ 『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』 清野菜名、横浜流星(W主演)、佐藤二朗、要潤、白石聖、山崎樹範、吉田美月喜、他
驚異的な身体能力を持つ謎の女・ミスパンダと彼女を操る男・飼育員がバディを組み、“Mr. ノーコンプライアンス”からの指令を受け、警察やマスコミが触れない世の中のグレーな事件にシロクロつける。主人公は清野菜名演じる川田レン。かつては“天才美少女棋士”と騒がれたが10年前のある事件をきっかけにネガティブで弱気な性格になってしまった囲碁棋士。いつも守りに入ってしまい勝ちきれないでいた。しかし彼女にはもう一つ全く別の顔があった。世の中にはびこる様々な“グレーゾーン”にシロクロつける謎の存在、“ミスパンダ”。動物的な直観から生まれる予期せぬ行動とトップアスリート顔負けの身体能力を持ち合わせていた。闇に隠された真実をあぶり出し、“クロ”と認定したターゲットを嬉々として公開処刑する。この“ミスパンダ”とバディを組むのは、彼女が“飼育員さん”と呼ぶ森島直輝(横山流星)。大学で精神医学を学ぶ一方、メンタリストNとしてテレビにも出演。裏では“Mr. ノーコンプライアンス”の指示で世の中の“グレーゾーン”にシロクロつける活動を行っている。卓越した記憶力、観察力、洞察力、推理力で、対峙する相手のほんの少しの心の揺れを敏感に感じ取り、相手が考えている事を瞬時に把握することができる。また対象者の眠っている記憶や力を呼び起こしたり、うまく同調できれば別の人格をすり込み相手の行動をコントロールしたりすることも可能だ。しかし、しばしば言うことを聞かず自由気ままな行動をとるミスパンダに手を焼いている。実は直輝の活動の根本には、8年前に突然失踪し遺体で見つかった父の死の真相を突き止め復讐を遂げるという目的があった。そんな直輝の能力に目をつけ、グレーな事件にシロクロつける指令を出す謎の人物・Mr. ノーコンプライアンスを佐藤二朗が演じる。週刊誌がワイドショーで騒がれる事件がグレーなまま間違った噂や憶測をはびこらせている現状に対し、法律では裁けない真実を暴き出す活動をしている。その行き過ぎた正義感には過去に下した“ある決断”が関係していた。清野菜名と横浜流星のW主演抜擢が吉と出るか、凶と出るか?
なんと医療ドラマが4本…
そして事件物のドラマも多い。
残念ながら次クールも高視聴率が期待できそうなドラマは
ほとんどなさそう。
個人的には、吉高由里子の日テレ水10と、
竹内涼真の日曜劇場にかすかな期待を抱いているのだが…
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