MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

お出かけの際は必ず靴を…

2011-10-29 16:55:56 | 健康・病気

現在、米国には500万人以上のアルツハイマー病患者がいて
数年以内には4倍に増えると予想されている。
一方、日本でも認知症患者は150万人以上と推定され、
その約4割以上がアルツハイマー型認知症と見られている。
そしてアルツハイマー型認知症の約6割に
徘徊の症状を見る可能性があるという。
もしそうであれば介護者も大変だが、社会的にも問題だ。
そういった問題の対策として、既にGPS 追跡装置を内蔵した
ブレスレットやペンダントが開発されているが、
高齢者はそれらの装着を拒んだり廃棄したりするケースが多い。
小型のGPS装置を服の隠しポケットに埋め込む策もあるが
高齢者が常に決まった服を着用して徘徊するわけではない。
そこで今回新たに開発されたのが GPS 内臓シューズである。
認知症患者に対しては、厳重に監禁するのではなく、
ある程度の行動範囲を保たせてあげることは重要であり、
これが画期的な対策となることが期待されている。

10月27日付 Time.com

A GPS-Enabled Shoe to Track Wandering Alzheimer's Patients 徘徊するアルツハイマー病患者を追跡するGPS内臓シューズ
By Sora Song

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 これは良いアイデアのように思われる:徘徊傾向にあるアルツハイマー病の高齢者の行方を追跡するために GPS を内蔵した靴を用いるというもの。
 アルツハイマー病患者の約60%は時に前触れなく混乱し徘徊し、迷子になる。探し出すのは必ずしも容易ではない。この疾患によく見られる症状にパラノイアがあるため、徘徊する患者は意図的に隠れようとする。迷子になり24時間以内に発見されなかった人の半数は脱水症、感染、あるいは外傷で死亡する可能性があると AFP 通信は報じている。

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 この新しい GPS 内蔵のウォーキング・シューズは、George Mason University の高齢者住宅計画の責任者であるAndrew Carle 氏の指導の下、ロサンゼルスに本社のある mini-GPS 技術を専門としている GTX Corporation と靴メーカーの Aetrex 社の共同制作による製品である。多くの高齢者の足に履かれているようなありふれた靴と見た目はそっくりながら GPS 装置を踵の部分に隠し入れたウォーキング・シューズが考案された。
 「最もリスクの高いアルツハイマー病の最初の段階の人には特に重要です」Carle 氏はAFPに語っている。「彼らは自宅で生活していていながら、混乱しています。彼らは散歩に出かけるが何日も続けて迷子になる可能性があります」
 もし、GPS機能のついたスマートフォンやその他の器具を使ったことがある人なら、この新しい靴の技術はよく理解できるだろう。今月初め、New York Times が次の様に報じている。   

 家族のメンバーが “geo-fence(ジオフェンス)” と呼ばれる仮想的境界線を設定する。それによって、それを身に着けている人は家の周り、庭の周り、そしておそらく、見慣れた隣近所周辺を自由に移動することができる。「しかし、もしその人が境界を越えようとしたら、グーグル地図が私のコンピューターや携帯端末に現れ、その人がいる場所を示してくれるのです」と、現在GTXのコンサルタントである Carle 氏は説明する。
 もしあなたの親はテネシー州にいるが、あなたがそこにいないという場合でも、「メンフィスの警察に電話をして、『私の父親はアルツハイマーで、今徘徊しています。そして彼は今、フィフスとエルムの交差点の角にいます。彼を確保してもらえますか?』と言うことができます。トイレから戻ったとき愛する家族が家の外に出てしまっているかもしれないことから、トイレに行くことすらためらってしまう家族介護者にとってその実現は大きな安心となり得ます」と Carle 氏は考えている。

 たとえば追跡用のブレスレットやペンダントを用いることより靴の中にGPSを入れることの方が有利な点は、アルツハイマー病の患者は前者のようなアイテムを、特にそれが見慣れぬものであればはずしてしまったり、捨ててしまう傾向にあるということである。あるいは、そういったものを失くしてしまう可能性もある。一方、自分の靴を履き捨てる可能性は低い。
 NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)によると、まもなくオンラインで購入可能となる予定のこのGPSシューズは一足299ドル(約2万3,000円)で、これに監視サービスの料金として月々34ドル99セントが必要になるという。

アイデアは良いと思うが、
認知症が進めば、手当たり次第、
そこらの靴を履くだろうし、たとえ寒い中でも
スリッパや裸足で徘徊するようになるかもしれない。
さらに田舎の方では、裏山にでも入ってしまえば
特定困難となる可能性もあるのでは?
とはいえ、ちょっとお値段は高くても
認知症患者の介護に
多大な労力が裂かれている家族にとっては、
徘徊は切実な問題であり、
効果が期待されるところである。

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