MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

『北』を知るには紅茶占い?

2009-05-29 19:49:02 | 国際・政治

5月25日、
北朝鮮が2回目となる核実験を行ったが、
その背景には、健康問題を抱える
金正日総書記の後継問題が絡んでいるとの
見方がある。
4月5日にテポドン2号が発射された直後の
9日に行われた最高人民会議において
増員された国防委員の一人に、
金正日総書記の妹の夫、張正沢氏が選出された。
さらに、総書記の三男、金正運氏も
国防委員会の指導員に任命されたという。
軍部を抑えるための金一族の重職への配置が
粛々と進められている模様だ。
昨年、脳卒中を患ったとみられる金正日だが、
4月の劇ヤセ映像を見て、まだまだ長生きしそうな
印象を受けたが、実際には、
かなり健康に不安を抱えていると見るべきか。
実の息子とはいえ
できが悪かったり、若すぎたりで、
今のままでは、後継を託しても
軍部を掌握することは難しいと考えているのであろう。
金正日自身は長男の正男氏より三男の正運氏を
推しているやに伝えられるが、真実は不明のままである。
いずれにしても、偉大なる将軍様は
国際世論や世界平和よりも、
一族による体制維持が最重要課題であると
お考えなのであろう。

5月25日付 New York Times 電子版

Test delivers a Message for Domestic Audience 核実験は国内向けのメッセージ

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 二回目の核実験を行ったと北朝鮮が突然月曜日に声明を出したとき、これはワシントンからさらなる譲歩を引き出すための北朝鮮による新たな挑戦的な策略だというのがこの領域における最初の見方であった。
 それは過去に何度も繰り返されたパターンであり、今回も同様に一つの動機ではあるようだと、北朝鮮ウォッチャーは言う。しかし今回については、北朝鮮の後継者問題が第一の要因であると多くの専門家たちは信じており、今回の核実験を聞かされる人たちが、米国民だけでなく、その国の全国民であることを指摘する
 月曜日の核実験はより独断的な外交政策への転換の最たるものであり、そういった政策は北朝鮮指導者の金正日が脳卒中を患ったとみられる8月からほどなく始まったようだとみる識者もいる。後継者についての憶測は、一番下の息子、金正雲に注目が向けられているが、3代目への一族の世襲制を続けようとしているものであり、共産主義国家では類のないものだ。
 今回の核実験が北朝鮮の強力な軍隊との結束を示すことを目的とした権力の誇示であると指摘する専門家たちがいる。一方、軍隊の支持は金氏による後継者の選択を磐石なものとするのに不可欠である。必要最小限の食料や電気すら供給できなくなっている政府において技術的躍進の誇示が年老いた金氏の遺産としての役割を果たすことを目論み、この声明を北朝鮮の大部分の貧困層に向けたものとみなすものもいる。
 いずれにしても、北朝鮮政府がおそらく今回の核実験で権力の円滑な移行が確かなものになることを望んでいるのであろう。そして、おそらく、少なくとも当分は年配の金氏がいまだ権力の座にあることを示している。
 「金正日は、国家に強大な核兵器をもたらしたことを示したいと考えています」と、ソウルを本拠地とする研究機関、Institute of Foreign Affairs and National Security で上級研究員を務める Yoon Deok-min 氏は言う。「この実験は間違いなく国内向けのデモンストレーションです」
 識者たちはこの核実験を、支配者一族が移行に向けての準備をしている兆しと呼んだ。先月、金正日の義弟、張成沢が、北朝鮮政府における最も権力のある集団、国防委員会に加わったと、ソウル高麗大学の国際関係学教授 Kim Sung-han 氏は語った。彼によれば、張氏の昇任は金正日の健康悪化の場合に軍からの支持を確実にするための動きかもしれないという。
 4月、韓国ニュース・メディアは、20代半ばの金正雲が委員会の下級職に任命されたことを報じた。Kim Sung-han 氏によれば、若い金氏が、年長を重んじる社会において権力者に就任できる年齢に達するまで張氏が後見人の役目も果たすことになるのではないかと言う。
 「今回の実験は軍との良い関係を築こうとする金正日の願望のメッセージです。軍が継承問題の鍵となっているのです」と彼は言う。
 確かに、北朝鮮識者が認めているように、このきわめて秘密主義の政府の動機を理解しようとすることはまさに紅茶占いの訓練である。そして北朝鮮がいまだにワシントンから可能なかぎり多くの援助や食糧を引き出すために核による瀬戸際政策をしたがっているということで多くの北朝鮮ウォッチャーの意見は一致している。そういったやり方はこれまでに実証済みである。
 北朝鮮はこれを1998年に試みた。この時、北朝鮮は日本の上空へ多段階ロケットを発射し、その数ヶ月後長距離ミサイルの発射実験を中止する申し出で追い打ちをかけた。それらの譲歩はワシントンとの関係に緩和をもたらす結果となり、2年後に Madeleine Albright 国務長官による画期的な訪問へとつながっていった。
 問題は、これらの関係改善がしばしば長続きしなかったことである。ちょうど一年前、北朝鮮はその兵器計画を断念することに同意した後、主要な核兵器プラントで冷却塔を爆破した。しかし、北朝鮮は4月にその約束を破り、長距離ロケット打ち上げ実験に対する国連の制裁措置への怒りから、その計画を再開した。
 月曜日の実験における北朝鮮の主たる目的が、イスラエルやパキスタンにならって独自の核抑止力を築くために、その核技術を進展させることであったにすぎないという人たちもいる。早期の地震記録が示したところでは、北朝鮮北東部の地下爆発は3年前の最初の核実験よりはるかに強力であったと韓国のニュース・レポートは述べている。
 核爆弾や他の兵器の開発が現体制の存続を確かにする最善の方策であると北朝鮮が見ているというのが、多くの専門家による共通の見方だ。ちょうど米国がインドに対する反対を取り下げ、結局関係を修復したように、今回の実験によって北朝鮮を核武装国家として米国に認めさせるのを北朝鮮が望んでいるとも彼らは言う。
 「ピストルを突き付けて誰かにプロポーズしているようなものです」と東京、慶応大学の政治学者、小此木正夫氏は言う。「北朝鮮の目的とその手段の間には大きなギャップがあります。しかこれは北朝鮮が操作法を知っている唯一のやり方なのです」
 北朝鮮は、ワシントンの注意を引くことを主たる目的として月曜日の実験をおこなったと、小此木氏はみている。継承の危機とイランへの関心の集中を考えるとき、北朝鮮が新しいオバマ政権にとって低い優先度であり、そういった米国の見方が北朝鮮を軽視しようとする政策を反映しているという感覚が同国指導者たちの間に広がっていると彼は指摘する。
 「彼らは核武装国家として認められたいと思っているのです」と、高麗大学の Kim 氏は言う。「もしワシントンがそれを認めたとしたら、北朝鮮はアフガニスタン支援の軍隊を進んで送ることさえするだろうと確信しています」と、いくらか誇張を交えて付け加えた。

金正日は、切れ者といわれる張成沢に
一族の命運を託すつもりなのか?
金正日の68才は、まだまだ老けこむ歳では
ないと思われるのだが、
今回の核実験は、
彼が明日をも知れぬ重病を抱えている可能性を
感じさせるやけくそとも思える暴挙であり、
独断的な行為である。
しかし、そうは言うものの、
我が日本も、
クラスのいじめっ子に対して、臆病な生徒が見せがちな
一対一では何も言えないくせに、
学級会になると先頭に立って糾弾するといった
いかにも性格の悪そうなやつにみられる行動を慎み、
各国と協調して非難の足並みを揃えるべきだと
思ってしまうのだ。

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