ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

終活をどうする(4)

2018年01月16日 | 日記
介護保険が使えるようになり、これを機に住宅
改修工事を始める方が多くいます。

転倒したために骨折、救急入院して、リハビリ
を経て退院し、やっと自宅に帰ってくる直前、
病院の理学療法士や作業療法士、いろんな職種
が本人と家族を囲んで集まり、自宅で生活がス
ムーズに送ることができるよう検討します。

この時、段差を解消することやスッテンコロリ
ンした床を滑りにくい床に変更すること、手す
りの設置などを決めていきます。

この時、危険個所の改修であるにもかかわらず
少なからずの方が、どうしたわけか、最低限の
ことに絞ろうとします。費用のことが気にかか
るのでしょうか、それとも、家の中にそんなも
のを付けてしまえば、なおのこと体力が落ちて
しまうと心配する方も多いのです。

ひとり暮らしのAさんの場合、
あえてベッドは導入せず、畳の部屋から隣の部
屋へ這いまわりの移動にしました。結果、畳に
絨毯の部屋では、何度転倒しても、大事には至
りませんでした。
高齢者にはベッドが必要、でもそれで安全とは
限りません。ベッドすなわち立位をとると、転
倒した場合、強い衝撃になることを忘れてはい
けません。

一方、廊下やトイレ、お風呂には手すり、戸の
入れ替えなどの対策を講じました。そこでの転
倒はありませんでした。
ほなさんは、玄関を出たところも対処しません
か、工事しましょうと案を出しましたが、家の
中だけで良いということでした。

心配した通り、やはり玄関出たところで転倒し、
骨折してしましました。住宅改修工事をして11
か月後のことでした。退院してきても、もう自
宅のひとり暮らし生活ができるまでには至りま
せんでした。

Aさんは老人施設に入り、それから1年して亡く
なりました。その後の病気もあったそうですが、
自宅へ帰ってこれないことが、一番の気落ちを
招いたようです。

Aさんの場合、改修工事によってできた福祉用
具を使った期間は、11か月でした。
介護保険が使えるケースは、費用対を考えると
元が採れないほど高価であるからなんですが、
やはり短すぎる、もっと長生きして欲しかった、
自宅の手すりは木目の色が変わるくらい使い込
んでほしかったと、福祉住環境コーディネータ
ーとして悔しい思いです。

日常生活で買える金額のものは介護保険の対象
になりません。つまり費用対効果で考えるなら
自分ではできないから、保険でカバーする仕組
みとなっています。

でも、Aさんだけじゃないのです。
人生の中で死ぬまでの数年間を介護されていき
ますが、似たような事例は多くあるのです。

住宅改修工事などの
「タイミングが遅すぎ」
「対処の仕方が不完全」
     であるからです。