ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

狐と狸「合戦始末記」(7)

2015年03月05日 | 日記
ほなさん狐=女房殿にモノ言う際には、
「言わざるを得ないこの事は、どこから見ても問
 題ないよな。」
と己自身に何度も問いただし、手落ちがないを判
別しておかないと、どんなことで手痛い反撃を食
らうかわからないからでありました。
夫婦の歳月は、力関係を如実に反映するものなの
ですから。

ある晩のこと、、、
TVで懐メロを歌う女性歌手が、画面いっぱいに
なり、感極まって目から涙が幾筋も落ちたように
見えました。本当は一粒の涙だったのでしょうが、
我が家のTVでは判断がつきません。

それを観た、ほなさん狸は、
「今の涙は、何粒だと思う?」
とほなさん狐に問いました。
「?」
ほなさん狐は即座に答えられませんでした。

ほなさん狐が、「?」と思っている隙を狙って、
追撃をかけます。
「おい、いつまでこんな画面を見るつもりなん
 だ?」
ここが勝負!なのです。先手必勝です。

「だいたいだなぁ、一人の歌手の声しか聴こえな
 いのに、何人もが同じ歌を歌っているように見
 えるは、ちょっとオカシイTVだと思わないか。
 双子の歌手でもないし、トリオにも見えるぞ。」

「今の液晶画面は、化粧までわかるっていうから
 うちのTVは潮時じゃぞ。」
と断言しました。

こう言われた、ほなさん狐は弁明しました。
「え?何人もに見えるのは、TVのせい?」
「てっきり老眼が進んで悪くなり、画面が何重にも
 見えていると思ってたんよ。」
と言った後で、
「へぇ~、目じゃなかったんだわ。」
ほなさん狐は少し安堵の声で言いました。

ザ・ピーナッツは遥か昔に引退したし、こまどり姉
妹は、もっと太っています。
せめてこの差がTV画面でわかるようでないと、T
Vとは言えないと思います。

「思い切って、買ってくれ!」
ほなさん狸はこう叫んだのでした。
自分の懐ではないから、気分よく言えます。
この声に、ほなさん狐は、安堵したのもつかの間、
がっくりと肩を落とさざるを得なかったのでありま
した。