ある日のメール（後）

収入が減りましたら、また別のものが見え
てきます。トップギアの入れっぱなしは、
もういいじゃないか、５０歳を過ぎた頃か
ら、だんだんと仕事一辺倒の生活を離れだ
しました。

これにはゴルフは最適でした。
２千円もって一日遊ぶ。お昼は食堂かコン
ビニのおにぎりで、夕方まで歩け！歩け！
です。くったくたになり、半ば足をひきず
るようにして、スーパーで夕食と缶ビール
一本を買い帰る。スーパーのレジ係さんも
顔見知りだ。

家に着くとすぐ洗濯物を取り入れ、まだ余
力があれば、床掃除をスイスイとほんの真
似ごと１０分間。これで掃除をしたと大き
な顔ができるワイ。

ひとっ風呂浴び、
「酒飲むから用事はないな？」
と女房に電話で尋ね、お許しがでたら、
缶の蓋をプッシュー。
紅く染まってゆく夕暮れの風景、ねぐらに
帰る鳥たちを見送って、弁当か刺身をパク
パク、そしてゴクゴク。ありゃもう半分無
くなった。もう１本買ってくればよかった
とチョット後悔。

それでも風呂で温まった体と疲れで、たっ
た１本のビールでいい気持ち。眠気を誘う。
ＴＶ画面のアナウンサーが何を言っている
か、耳に残らない。すべてを忘れているの
だ。

やがて眠りに落ちる。この瞬間が有意義か
どうか、そんなこと知らないが、私にとっ
ては毎回なんと贅沢な時間だろうと思う。

仕事は大事、でも、こんな時間の過ごし方、
かつては考えたことすらなかった。

人の価値観は変わる、、、。
また、、、変わっていかなくてはいけない
ことのように思うのだが、、、。