自転車を愛する諸氏へ。
自転車ツーキニスト。つまり自転車通勤の言葉の生みの親でもあり、リーダーでもある疋田さんのメルマガを転載します。
自転車は道交法上軽車両であり、車道を通るのが本分ですが自転車を車道から閉め出そうとする法案が通りつつあり、疋田さんはメルマガを通じてそれに対する反対運動をなさっています。私はそれに強く共感する者です。自転車を車道から閉め出す悪法、かなり進んでしまっているようです。
ところで自転車を愛する我々にも、できることがあることがわかりました。法案に対するパブリックコメントを書くことです。転載したこのブログの末尾に載せてありますので、ぜひ。
ちなみに送り先はここです。
電子メールkoutsukyoku@npa.go.jp
※件名にパブリックコメントと必ず御記入ください
〒100-8974
郵送東京都千代田区霞が関2-1-2 意見提出先
警察庁交通局交通企画課法令係
パブリックコメント担当
FAX 03-3593-2375
※1枚目にパブリックコメントと必ず御記入ください
平成18年12月29日(金)から意見提出期間
平成19年1月28日(日)までの間(必着)
以下が疋田さんのメルマガの転載です。ぜひご覧ください。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
┃ ┗┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┛ ┃
┗━━┛ ┗━━┛
【例の法案】押せ!押せ!の288号
■新年は(遅ればせながら)メディアで明ける!
一部に絶大なる反響を呼んだ朝日新聞全国版「私の視点・歩行者にツケ回す法改正」(昨年末30日掲載)が、英字紙"The Herald Asahi "に、翻訳されて掲載されることになりましてな。ありがたいことだ。
ちなみに外国人スタッフからは大受けだったそうな。きっと前々から日本のシステムはおかしいと感じていたのだろうね。
さあ、日本の恥を世界にさらすぞ。
ということで、今月から来月のアタマにかけて、本法案はメディアラッシュにさらされることになった。
本法案を取り上げるのは、現在までに、地上波テレビが2局、衛星デジタル波が1局、大手全国紙が2紙(もしかしたら3紙)、メジャー雑誌が2誌、と、いずれも本法案(まだ試案)に関して、反対、もしくは、疑義あり、の立場だ。
うふふふふ、私は嬉しいぞ。ようやくメディア側も「これちょっと変じゃない?」と気づき始めたのだ。
最近、私のところに問い合わせがよく来るのが次のような質問だ。
「それで、ヒキタさんね、『反対派』の識者はたくさんいて問題ないんですが、『この法案に賛成だ』という人のインタビューも撮りたいんですけど、誰かご存じの方はいらっしゃいますか?」。
やはりメディアとしては両論併記でいきたいからね。そりゃ私としてもよく分かる。
だが、そこでハタと気づいたのだ。
法案に賛成の人? それも識者?
……。
いないのですよ。まったくいない。
だからして、私は記者さんに言う。
「うーん、個人的には知りませんし、そういえばいませんねぇ。そうそう、懇談会の委員に一人一人当たってみたらいかがですか?」と。
ところが記者さんたちはこう言うのだ。
「委員の先生方は、ほとんど取材拒否なんですよ」
……。
なーるほどね。
そりゃそうだ。彼らだって分かってるのだよ。
今回掻き集められた委員の先生方は、2名を除くと、自転車なんて門外漢の人ばかり。それが警察庁に引きずられるような格好で、たった6回の会合で「法案をまとめた」という体裁を作っただけなんだから。
そりゃ取材拒否にもなるさ。
こんなに矛盾と過誤と論理破綻だらけの試案および提言を、それでも「正しいのだー」なんて強弁するならば、自らの学者としてのインテリジェンスが問われかねない。
賛成の立場でインタビューを受けたら、いわば、その場でバカの烙印を押されてオシマイ、というヤツなのだ。
彼らには、そこまでのリスクを冒して、この法案に殉じる気持ちは毛頭ない。当たり前だね。
伝え聞くところによると、それでも、委員の一人は「あくまで一時的な暫定措置なんだから」と言ったという。このセリフ自体が、法案が間違っていることを暗に認めてるような、腰が引けてるようなモノだと思われるのだが……。
うーん、なんだかね、一時的な? そういえば、どこかで聞いたことがあるような……、はい、30年前に、確かに聞きましたね。
●「指定歩道を自転車通行可にするというのは、一時的な暫定措置」
↑これが1978年で、
●「指定車道を自転車通行禁止にするというのは、一時的な暫定措置」
↑これが2007年だ(笑)。
もう笑うしかない。
バカを言っちゃいけないのだ。78年の法改悪の結果、この日本の交通社会に何が起きたか。
国民の誰もがご承知だ。何が「一時的」だったものか。
もう我々は騙されない。
騙されてはならない。
■押せ!押せ!押せ!
朝○も、毎○も、日○××も、NH○も、TB○も、文○も(まだ未掲載なんで、ちょっとだけ匿名にしてみました)、その他その他も、そして、自転車雑誌各誌も、みんなもう騙されていない。
歩道を堂々と走って恥じない白チャリを見るにつけ、それも、併走が当たり前の白チャリを見るにつけ、警察による自転車管理は、完全にアウトである。
信じるに足りない。
信じろということ自体が、もはや不可能事に近い。
現在、警察庁は、あらゆる取材に対し「パブリックコメントが出揃い、法案がまとまる2月の中旬まで、取材は受け付けない」としている。
だがね。
来月の初旬にかけて、市民とメディアは動き始めたのだ。
密室に籠もっているのは、次第に不可能になってくるだろう。
パブコメをここぞとばかりに浴びせよう。
国会議員作戦も、少しずつ実を結びつつある。
「歩道走行の条件緩和はどうしたっておかしい」という議員が少なからず出始めた。必ずしも野党側ではない。そういう議員たちが、これから警察庁に説明を求めるという。
その中の一人が、官僚を呼ぶとき、私は同席させてもらうことになっている。
「どうせ議員サンは自転車のことなんて深くは考えてないさ」と、タカを括って、議員会館のドアを開けたら、その席に不意に、黒メガネのハゲ野郎がいる、という寸法だ。
誰が来るかな? 課長補佐レベルかな? それより上かな?
質問をしまくってきますからね。その上で、言質をとりまくってくる。ふふふ、お楽しみに。
だいたい思い出してもいただきたい。
一昨年の春、最初の「自転車締め出し騒動」が起きたとき、「BiCYCLE CLUB」誌と私が出した公開質問状に対し、警察庁はこう答えたのだ。
「お聞き及びの情報は、事実に基づたものになっていない」
うそつき。
我々は舐められまくっていたのだ。
しょせんは自転車マニアが言ってるだけのこと、とタカを括られていたのだ。
しかし、私は最後の最後の大逆転を狙っている。
本来、パブコメなんて、明らかなイチャモンに関しては無視されてしかるべきモノなんだろう。そういう人々は確かにいる。これだけたくさんの人が住んでいる国なのだもの。それを否定はしない。
だが、我々の今回のこれは、明らかな正論である。
環境、人命、都市システム、弱者保護の観点、世界情勢、その他その他、どこからどう見ても、紛う事なき正論だ。
それは、ほぼすべての懇談会委員が取材を頑なに拒否することで証明されていると言える。
繰り返すが、今だ。「正論のパブコメ」を叩き付けよう。浴びせよう。浴びせ倒しだ。富士桜だ。
視覚障害者の団体も動き始めたそうだ。
我々はもしかして、本法案を追い詰め始めているのではないか。
淡い期待ではあるものの、私は最近、少しだけそんなことを考え始めている。
■第二東京弁護士会のシンポジウム
あ、そうそう。
動き出したと言えば、第二東京弁護士会も、本法案に疑義あり、の立場で、シンポジウムを開きます。入場無料。是非どうぞ。
シンポジウム「道路は誰のためにあるのか」~歩行者や自転車にやさしい道路のために~道路交通法改正問題を考える
日 時 2007年1月20日(土)13時~17時(12時45分開場)
会 場 東京千代田区霞ヶ関 弁護士会館10階 1003号室 入場無料
最寄り駅:霞ヶ関駅(丸の内線、日比谷線)出口B1番都市交通シンポジウム
主 催 第二東京弁護士会公害対策・環境保全委員会(電話03-3581-2257)
申込み 不要
■パブコメ案みたび
ヒキタ式のパブコメ案は、次のごとくであります。
まだ出していない人は、どうぞご参考に♪
■■ヒキタ式パブコメ案■■
「道路交通法改正試案」に対するパブリックコメント
氏名 (*法人又は団体の場合は、その名称及び代表者の氏名)
連絡先 (*住所、電話番号又は電子メールアドレス)
*パブコメ応募要項には「ただし、氏名及び連絡先の記載は任意です」とされる。だが、私ヒキタとしては記載した方が好ましいと思う。
【本文】
道路交通法改正試案(以下、本試案とする)の中、「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」の全面削除を求めます。
当該の項目については、一見、自転車の車道通行の原則維持、無秩序な歩道通行の是正などが強調されてはいますが、これらは現行法の維持に過ぎず、法改正の名に値しません。
よって、当該項目の内容骨子は次の通りであると認定できます。
「自転車の歩道通行の条件を拡大し、その要件を法律で定めること」
これは国民の福祉および日本の国益に明らかに反するものであり、全面的な削除を求めるものです。
その理由は次の各項目にあげるとおりです。
●現在、自転車対歩行者の事故が急増している(10年で4.6倍)のにも関わらず、その解決法を、自転車の歩道通行の条件緩和に求めるのは、まったく矛盾しています。
●現状でも「無秩序な」自転車の歩道使用状況なのにも関わらず、その要件を緩和するならば、無秩序はさらに助長され、混沌状況を生み出すことは容易に推測可能です。加えて、現実として警察官の乗車する自転車が、無秩序に歩道を走る現状を鑑みると「警察官等が危険だと判断した場合には、歩道から下りなくてはならない(指示に違反した場合には、処罰の対象となります)」等の措置の実効性には、期待をもつこと自体が甚だしく困難です。
●高齢化が進む今、歩道の高齢者が今後ますます増えることが予想されます。その歩道に自転車を上げる条件を緩和することは、事故を誘発することになり、国民の福祉を大いに損ねます。
●現時点でも、障害者(中でも視覚障害者)にとって、歩道を走る自転車は多大な脅威になっています。それを助長することは断じて許されません。
●環境問題という観点から見ると、自転車はスピーディに移動する権利を有し、クルマの機能の一部を代替する交通手段となり得なくてはなりません。危険な道路であるのなら、危険でない道路にするべきです。その点、本試案が「踏まえ」ることとする「提言」中の<第4-2-4「自転車が車道を通行することが特に危険な場合は、当該道路の自転車通行を禁止することなどの措置を講ずること」>は、恣意的に「特に危険な場合」が決められてしまう可能性を孕み、自転車の走行を大いに阻害し、結果として、さらなる環境悪化を呼ぶことが懸念されます。これは世界の潮流にあからさまに逆行するもので、環境に対する悪影響だけでなく、国際社会においての日本の国益を大いに損ねるものです。
●本試案は、道路シェアの再構築という喫緊の問題にまったく言及されておらず、道路行政のさらなる混乱を招くものであるのみならず、過度のクルマ依存社会をさらに助長するものとなっています。
●本試案にある「自転車の原則、車道通行」「自転車の歩道通行が言わば無秩序になされている状況」などについての是正措置は、現行法で十分対応可能であり、法を改正する意味がまったく認められません。
●本試案が「踏まえ」ることとしている「自転車の安全利用の促進に関する提言」は、わずか6ヶ月、わずか6回の会合で提出されたものでしかなく、交通行政、中でも自転車行政に対しての深い思索、真摯な取り組みに、明らかに欠けていると言わざるを得ません。
●およそ30年間続いた実質上の自転車歩道政策により、我が国においては、車道を児童、高齢者などが自転車通行するのが困難になりました。ですが、そのことは今後、欧米諸国のように、自転車レーンの整備などで補完するべき事柄であり、本来的な歩道通行の緩和の要件にはなり得ません。
いずれにせよ、今法改正の当該箇所「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」は、浅慮に基づくものであり、自転車問題をより悪化させるものと断じざるを得ず、法案とするに値しません。少なくとも、本試案の該当部分を削除し、現行法を維持する中、我が国の交通のより良き未来を作るべく、新たな法整備、インフラ整備への相応の努力をすることこそが急務であると考えます。
以上。
送り先は次の通り。
koutsukyoku@npa.go.jp
※件名にパブリックコメントと必ず記入すること。
〒100-8974
郵送東京都千代田区霞が関2-1-2 意見提出先 警察庁交通局交通企画課法令係 パブリックコメント担当
FAX 03-3593-2375
※1枚目にパブリックコメントと必ず記入すること。
平成18年12月29日(金)から意見提出期間
平成19年1月28日(日)までの間(必着)
なお、このパブコメ疋田案に関しては、どこでどう紹介引用されても構わないと思っています。文章を改編せずに、ということを条件に、できるだけたくさんの人の目に触れるようにしていただけないでしょうか。ヒキタ伏してお願いいたします。
-----------------------
【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
宣伝です。
次号「BiCYCLE CLUB」誌(1/20発売)は、この法案に関して、10ページの大特集を組みます。分かりにくい部分を、すべてQ&A形式にし、素人(自転車に関してね)でも分かるような作りになっていると思います。
さらに、来たるべき「最悪の」未来も、ぬいぐるみを使ったシミュレーションとして、分かりやすく描いています。バイクラ編集部、渾身の大特集と言えましょう。
ぜひご参考に。
一部に、チョー有名、チョー人気の、謎の人妻"ドロンジョーヌ"女史も、本法案に関して、大活躍でありますゾ。
-----------------------
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
「日本史の旅は自転車に限る!」木世(えい)出版社
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E7%96%8B%E7%94%B0%20%E6%99%BA/249-6371737-5693951
【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
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自転車は道交法上軽車両であり、車道を通るのが本分ですが自転車を車道から閉め出そうとする法案が通りつつあり、疋田さんはメルマガを通じてそれに対する反対運動をなさっています。私はそれに強く共感する者です。自転車を車道から閉め出す悪法、かなり進んでしまっているようです。
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ちなみに送り先はここです。
電子メールkoutsukyoku@npa.go.jp
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〒100-8974
郵送東京都千代田区霞が関2-1-2 意見提出先
警察庁交通局交通企画課法令係
パブリックコメント担当
FAX 03-3593-2375
※1枚目にパブリックコメントと必ず御記入ください
平成18年12月29日(金)から意見提出期間
平成19年1月28日(日)までの間(必着)
以下が疋田さんのメルマガの転載です。ぜひご覧ください。
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■新年は(遅ればせながら)メディアで明ける!
一部に絶大なる反響を呼んだ朝日新聞全国版「私の視点・歩行者にツケ回す法改正」(昨年末30日掲載)が、英字紙"The Herald Asahi "に、翻訳されて掲載されることになりましてな。ありがたいことだ。
ちなみに外国人スタッフからは大受けだったそうな。きっと前々から日本のシステムはおかしいと感じていたのだろうね。
さあ、日本の恥を世界にさらすぞ。
ということで、今月から来月のアタマにかけて、本法案はメディアラッシュにさらされることになった。
本法案を取り上げるのは、現在までに、地上波テレビが2局、衛星デジタル波が1局、大手全国紙が2紙(もしかしたら3紙)、メジャー雑誌が2誌、と、いずれも本法案(まだ試案)に関して、反対、もしくは、疑義あり、の立場だ。
うふふふふ、私は嬉しいぞ。ようやくメディア側も「これちょっと変じゃない?」と気づき始めたのだ。
最近、私のところに問い合わせがよく来るのが次のような質問だ。
「それで、ヒキタさんね、『反対派』の識者はたくさんいて問題ないんですが、『この法案に賛成だ』という人のインタビューも撮りたいんですけど、誰かご存じの方はいらっしゃいますか?」。
やはりメディアとしては両論併記でいきたいからね。そりゃ私としてもよく分かる。
だが、そこでハタと気づいたのだ。
法案に賛成の人? それも識者?
……。
いないのですよ。まったくいない。
だからして、私は記者さんに言う。
「うーん、個人的には知りませんし、そういえばいませんねぇ。そうそう、懇談会の委員に一人一人当たってみたらいかがですか?」と。
ところが記者さんたちはこう言うのだ。
「委員の先生方は、ほとんど取材拒否なんですよ」
……。
なーるほどね。
そりゃそうだ。彼らだって分かってるのだよ。
今回掻き集められた委員の先生方は、2名を除くと、自転車なんて門外漢の人ばかり。それが警察庁に引きずられるような格好で、たった6回の会合で「法案をまとめた」という体裁を作っただけなんだから。
そりゃ取材拒否にもなるさ。
こんなに矛盾と過誤と論理破綻だらけの試案および提言を、それでも「正しいのだー」なんて強弁するならば、自らの学者としてのインテリジェンスが問われかねない。
賛成の立場でインタビューを受けたら、いわば、その場でバカの烙印を押されてオシマイ、というヤツなのだ。
彼らには、そこまでのリスクを冒して、この法案に殉じる気持ちは毛頭ない。当たり前だね。
伝え聞くところによると、それでも、委員の一人は「あくまで一時的な暫定措置なんだから」と言ったという。このセリフ自体が、法案が間違っていることを暗に認めてるような、腰が引けてるようなモノだと思われるのだが……。
うーん、なんだかね、一時的な? そういえば、どこかで聞いたことがあるような……、はい、30年前に、確かに聞きましたね。
●「指定歩道を自転車通行可にするというのは、一時的な暫定措置」
↑これが1978年で、
●「指定車道を自転車通行禁止にするというのは、一時的な暫定措置」
↑これが2007年だ(笑)。
もう笑うしかない。
バカを言っちゃいけないのだ。78年の法改悪の結果、この日本の交通社会に何が起きたか。
国民の誰もがご承知だ。何が「一時的」だったものか。
もう我々は騙されない。
騙されてはならない。
■押せ!押せ!押せ!
朝○も、毎○も、日○××も、NH○も、TB○も、文○も(まだ未掲載なんで、ちょっとだけ匿名にしてみました)、その他その他も、そして、自転車雑誌各誌も、みんなもう騙されていない。
歩道を堂々と走って恥じない白チャリを見るにつけ、それも、併走が当たり前の白チャリを見るにつけ、警察による自転車管理は、完全にアウトである。
信じるに足りない。
信じろということ自体が、もはや不可能事に近い。
現在、警察庁は、あらゆる取材に対し「パブリックコメントが出揃い、法案がまとまる2月の中旬まで、取材は受け付けない」としている。
だがね。
来月の初旬にかけて、市民とメディアは動き始めたのだ。
密室に籠もっているのは、次第に不可能になってくるだろう。
パブコメをここぞとばかりに浴びせよう。
国会議員作戦も、少しずつ実を結びつつある。
「歩道走行の条件緩和はどうしたっておかしい」という議員が少なからず出始めた。必ずしも野党側ではない。そういう議員たちが、これから警察庁に説明を求めるという。
その中の一人が、官僚を呼ぶとき、私は同席させてもらうことになっている。
「どうせ議員サンは自転車のことなんて深くは考えてないさ」と、タカを括って、議員会館のドアを開けたら、その席に不意に、黒メガネのハゲ野郎がいる、という寸法だ。
誰が来るかな? 課長補佐レベルかな? それより上かな?
質問をしまくってきますからね。その上で、言質をとりまくってくる。ふふふ、お楽しみに。
だいたい思い出してもいただきたい。
一昨年の春、最初の「自転車締め出し騒動」が起きたとき、「BiCYCLE CLUB」誌と私が出した公開質問状に対し、警察庁はこう答えたのだ。
「お聞き及びの情報は、事実に基づたものになっていない」
うそつき。
我々は舐められまくっていたのだ。
しょせんは自転車マニアが言ってるだけのこと、とタカを括られていたのだ。
しかし、私は最後の最後の大逆転を狙っている。
本来、パブコメなんて、明らかなイチャモンに関しては無視されてしかるべきモノなんだろう。そういう人々は確かにいる。これだけたくさんの人が住んでいる国なのだもの。それを否定はしない。
だが、我々の今回のこれは、明らかな正論である。
環境、人命、都市システム、弱者保護の観点、世界情勢、その他その他、どこからどう見ても、紛う事なき正論だ。
それは、ほぼすべての懇談会委員が取材を頑なに拒否することで証明されていると言える。
繰り返すが、今だ。「正論のパブコメ」を叩き付けよう。浴びせよう。浴びせ倒しだ。富士桜だ。
視覚障害者の団体も動き始めたそうだ。
我々はもしかして、本法案を追い詰め始めているのではないか。
淡い期待ではあるものの、私は最近、少しだけそんなことを考え始めている。
■第二東京弁護士会のシンポジウム
あ、そうそう。
動き出したと言えば、第二東京弁護士会も、本法案に疑義あり、の立場で、シンポジウムを開きます。入場無料。是非どうぞ。
シンポジウム「道路は誰のためにあるのか」~歩行者や自転車にやさしい道路のために~道路交通法改正問題を考える
日 時 2007年1月20日(土)13時~17時(12時45分開場)
会 場 東京千代田区霞ヶ関 弁護士会館10階 1003号室 入場無料
最寄り駅:霞ヶ関駅(丸の内線、日比谷線)出口B1番都市交通シンポジウム
主 催 第二東京弁護士会公害対策・環境保全委員会(電話03-3581-2257)
申込み 不要
■パブコメ案みたび
ヒキタ式のパブコメ案は、次のごとくであります。
まだ出していない人は、どうぞご参考に♪
■■ヒキタ式パブコメ案■■
「道路交通法改正試案」に対するパブリックコメント
氏名 (*法人又は団体の場合は、その名称及び代表者の氏名)
連絡先 (*住所、電話番号又は電子メールアドレス)
*パブコメ応募要項には「ただし、氏名及び連絡先の記載は任意です」とされる。だが、私ヒキタとしては記載した方が好ましいと思う。
【本文】
道路交通法改正試案(以下、本試案とする)の中、「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」の全面削除を求めます。
当該の項目については、一見、自転車の車道通行の原則維持、無秩序な歩道通行の是正などが強調されてはいますが、これらは現行法の維持に過ぎず、法改正の名に値しません。
よって、当該項目の内容骨子は次の通りであると認定できます。
「自転車の歩道通行の条件を拡大し、その要件を法律で定めること」
これは国民の福祉および日本の国益に明らかに反するものであり、全面的な削除を求めるものです。
その理由は次の各項目にあげるとおりです。
●現在、自転車対歩行者の事故が急増している(10年で4.6倍)のにも関わらず、その解決法を、自転車の歩道通行の条件緩和に求めるのは、まったく矛盾しています。
●現状でも「無秩序な」自転車の歩道使用状況なのにも関わらず、その要件を緩和するならば、無秩序はさらに助長され、混沌状況を生み出すことは容易に推測可能です。加えて、現実として警察官の乗車する自転車が、無秩序に歩道を走る現状を鑑みると「警察官等が危険だと判断した場合には、歩道から下りなくてはならない(指示に違反した場合には、処罰の対象となります)」等の措置の実効性には、期待をもつこと自体が甚だしく困難です。
●高齢化が進む今、歩道の高齢者が今後ますます増えることが予想されます。その歩道に自転車を上げる条件を緩和することは、事故を誘発することになり、国民の福祉を大いに損ねます。
●現時点でも、障害者(中でも視覚障害者)にとって、歩道を走る自転車は多大な脅威になっています。それを助長することは断じて許されません。
●環境問題という観点から見ると、自転車はスピーディに移動する権利を有し、クルマの機能の一部を代替する交通手段となり得なくてはなりません。危険な道路であるのなら、危険でない道路にするべきです。その点、本試案が「踏まえ」ることとする「提言」中の<第4-2-4「自転車が車道を通行することが特に危険な場合は、当該道路の自転車通行を禁止することなどの措置を講ずること」>は、恣意的に「特に危険な場合」が決められてしまう可能性を孕み、自転車の走行を大いに阻害し、結果として、さらなる環境悪化を呼ぶことが懸念されます。これは世界の潮流にあからさまに逆行するもので、環境に対する悪影響だけでなく、国際社会においての日本の国益を大いに損ねるものです。
●本試案は、道路シェアの再構築という喫緊の問題にまったく言及されておらず、道路行政のさらなる混乱を招くものであるのみならず、過度のクルマ依存社会をさらに助長するものとなっています。
●本試案にある「自転車の原則、車道通行」「自転車の歩道通行が言わば無秩序になされている状況」などについての是正措置は、現行法で十分対応可能であり、法を改正する意味がまったく認められません。
●本試案が「踏まえ」ることとしている「自転車の安全利用の促進に関する提言」は、わずか6ヶ月、わずか6回の会合で提出されたものでしかなく、交通行政、中でも自転車行政に対しての深い思索、真摯な取り組みに、明らかに欠けていると言わざるを得ません。
●およそ30年間続いた実質上の自転車歩道政策により、我が国においては、車道を児童、高齢者などが自転車通行するのが困難になりました。ですが、そのことは今後、欧米諸国のように、自転車レーンの整備などで補完するべき事柄であり、本来的な歩道通行の緩和の要件にはなり得ません。
いずれにせよ、今法改正の当該箇所「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」は、浅慮に基づくものであり、自転車問題をより悪化させるものと断じざるを得ず、法案とするに値しません。少なくとも、本試案の該当部分を削除し、現行法を維持する中、我が国の交通のより良き未来を作るべく、新たな法整備、インフラ整備への相応の努力をすることこそが急務であると考えます。
以上。
送り先は次の通り。
koutsukyoku@npa.go.jp
※件名にパブリックコメントと必ず記入すること。
〒100-8974
郵送東京都千代田区霞が関2-1-2 意見提出先 警察庁交通局交通企画課法令係 パブリックコメント担当
FAX 03-3593-2375
※1枚目にパブリックコメントと必ず記入すること。
平成18年12月29日(金)から意見提出期間
平成19年1月28日(日)までの間(必着)
なお、このパブコメ疋田案に関しては、どこでどう紹介引用されても構わないと思っています。文章を改編せずに、ということを条件に、できるだけたくさんの人の目に触れるようにしていただけないでしょうか。ヒキタ伏してお願いいたします。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
宣伝です。
次号「BiCYCLE CLUB」誌(1/20発売)は、この法案に関して、10ページの大特集を組みます。分かりにくい部分を、すべてQ&A形式にし、素人(自転車に関してね)でも分かるような作りになっていると思います。
さらに、来たるべき「最悪の」未来も、ぬいぐるみを使ったシミュレーションとして、分かりやすく描いています。バイクラ編集部、渾身の大特集と言えましょう。
ぜひご参考に。
一部に、チョー有名、チョー人気の、謎の人妻"ドロンジョーヌ"女史も、本法案に関して、大活躍でありますゾ。
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「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
「日本史の旅は自転車に限る!」木世(えい)出版社
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E7%96%8B%E7%94%B0%20%E6%99%BA/249-6371737-5693951
【自転車通勤で行こう】
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バックナンバーはこちら。
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