ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

トランペット吹き諸氏。原朋直と佛坂咲千生さんが出演のヤマハCM。アンブシュアに注目せよ。

2008年06月26日 20時23分44秒 | 原朋直トランペットレッスン講義ノート
トランペット吹き諸氏。原朋直と佛坂咲千生さんが出演のヤマハCM。アンブシュアに注目せよ。

私のジャズトランペットの師匠である原朋直さんと(ま、教室に通っているだけですが)そのクラシックのお師匠さんであるNHK交響楽団の佛坂咲千生さんが出演しているヤマハの企業CMがあります。これがまた、トランペット吹きのハートを直撃するスバラシイできなのですが、そのCMの動画と、メイキング(5分以上の充実したもの)が、ヤマハのHPで見られます。ぜひごらんいただきたいと思います。

原朋直さんと佛坂咲千生さんのCMとメイキングが見られるヤマハのwebサイトはこちらです。
http://www.yamaha.co.jp/product/wind/cf/


特に、アンブシュアに注目。原朋直さんは、前述した、唇の脇を固定したカタチ。これはマイルスも、ウィントンも同じパターンです。そして佛坂咲千生のアンブシュアは、原さんによればドイツ式だそうですが、口が「ほ」を発音するときのカタチになっています。原朋直さんよれば、佛坂咲千生さんは常にその口だそうで、煎じ詰めれば、アンブシュアが変わらなければ、つまり音域によって発音体が変わったりしなければ、どんなカタチでも本人が吹きやすければいいということのようでした。ま、それは達人の域であって、我々はなんでもいい、なんていっているばあいではありません。

またアンブシュアだけでなく、トーンの違い、音のタッチの違いも興味深いところ。トーンは明らかに原朋直のほうが、ダークでヘビィ。佛坂咲千生さんはあくまでも柔らかで、軽やか。それからま、方言みたいなものでしょうが、音のタッチもクラシックとジャズでは全然違いますね。クラシックはどこか伸びやかで必ずビブラートを入れる感じ。ジャズは食いつき野スピードが速く、ちょっとはすっぱな感じ。でも原朋直さんのうたいはかなり上品な方でしょう。僕はチェット・ベイカーのボロボロな感じの歌い方、あのヤバサにグッとやられています。それから、僕はほとんどビブラート成分がゼロの人が好き。自分でもビブラートはかけません。ラッパと歌では。でもなぜかエレキだとビブラートもチョーキングもしますけどね。



朝練 管楽器の呼吸法 呼吸法・喉とアンブシュアの関連性 藤井完/著
藤井 完
全音楽譜出版社

このアイテムの詳細を見る

アンブシュア―管楽器奏者のための
大室 勇一,荒木 雄三,モーリス・M・ポーター
全音楽譜出版社

このアイテムの詳細を見る

マジオ金管教本 (1983年)

パイパーズ

このアイテムの詳細を見る

トランペットレパートリー ジャズ・スタンダード名曲選 IV アドリブ不要! CD付

ヤマハミュージックメディア

このアイテムの詳細を見る

秋田透のトランペットが吹ける本 参考演奏 カラオケCD付 トランペット初心者のためのとてもやさしい教則本
秋田 透
ヤマハミュージックメディア

このアイテムの詳細を見る



エビデンス・フォー・マイ・ミュージック
原朋直(tp), 緑川英徳(as), 吉田桂一(p), 上村信(b), 井川晃(ds)
キングレコード

このアイテムの詳細を見る


憂鬱と官能を教えた学校

河出書房新社

このアイテムの詳細を見る


絶対わかる!曲作りのための音楽理論―必要最小限の理論知識だけでOK!
デイヴ スチュワート
リットーミュージック

このアイテムの詳細を見る


改訂版 ポピュラー音楽に役立つ知識

シンコーミュージック

このアイテムの詳細を見る


ジャズスタディ 渡辺貞夫

エー・ティ・エヌ

このアイテムの詳細を見る

ジャズピアニスト南博のエッセイ『白鍵と黒鍵の間に』を読んだ。痛々しかった。

2008年06月26日 03時26分04秒 | レバレッジリーディング
白鍵と黒鍵の間に―ピアニスト・エレジー銀座編
南 博
小学館

このアイテムの詳細を見る


南博というピアノストを始めて知ったのは下のPHOTOのアルバムだった。菊地成孔氏がプロデュースをしており、帯でも菊地氏が南博のピアノ嘆美性を絶賛していたので、買ってみようと思ったのだ。それはスタンダードジャズをピアノとストリングスで紡ぐ、本当に芳醇でしかし糖度の低いが甘露度は高い、オトナの夜中の音楽だった。当時精神的にきつい時期でもあり、ずいぶんこの音と音楽に助けられた。
また短めなことろがいい。通常の値段のCDだが、長さが30分しかない。このタイムがまた、ちょうど一枚聴き終わるのにいい時間だった。
(だいたいくだらない曲ならない方がいいよな、と思わせるアルバムが多すぎないか、いわゆる捨て曲)
Touches&Velvets
南博
ewe records

このアイテムの詳細を見る


で、この本を買ってみたのはまたまた菊地成孔氏が、この本のことを帯で絶賛しているからであり、like someone in loveのライナーでは、この本を買って詰まらなかったら菊地氏が自腹で買い取るといってる。

が、読んでみたら本当におもしろい。
忙しいのに、つい一日で読んでしまうぐらい。
ほんのちょっとだけ年上の南さんだが、
同時代に東京で音楽をやっていたのに、やはりジャズは実にジャズ的な場所に生息していて、いわゆるハコ。ハコバンをやっているんだな。
ハコってのは、ああいうふうになっているんだな、
オネーさんも出てくるし、893は出てくるし、不思議な人間たちはたくさん出てくるし、なぜかギャラはいいし。

音楽遍歴を見ていると、痛々しくて、でも、気持ちが大変よくわかる気がした。

バークリー音楽院留学後とその後の話も是非聞きたいところである。

Like Someone In Love
南博 Trio,南博,芳垣安洋,鈴木正人
ewe records

このアイテムの詳細を見る



ちにみに前述のアルバム「Touches&Velvets」と以下の「ELEGY」は名盤であって、私は強力にレコメンドするものであります。

Elegy
南博
ewe records

このアイテムの詳細を見る


南米のエリザベス・テーラー(DVD付)
菊地成孔,カヒミ・カリィ,内田也哉子,南博,大友良英,菊地雅晃,Kasper Tranberg,坪口昌恭,水谷浩章,野口千代光,藤井信雄
イーストワークスエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


songs
南博3
ewe records

このアイテムの詳細を見る


Red Context-anthology of live 2007-
BOZO,津上研太,南博,水谷浩章,外山明
インディペンデントレーベル

このアイテムの詳細を見る


CELESTIAL INSIDE
南博 GO THERE!
イーストワークスエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る