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kan-haruの日記

イベント 都営交通100周年記念特別展 東京の交通100年博~都電・バス・地下鉄の“いま・むかし”~その4

2011年09月24日 | イベント
kan-haru blog 2011 昭和40年まで使用された大正末期製の京急51号形車両   
     
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現在、大森町界隈の中心を南北に走っている京浜急行電鉄は、1968年(昭和43年)から泉岳寺駅から開業当初は都営1号線(現都営浅草線)地下鉄と接続して、相互直通運転を行っています。かって、六郷橋と川崎大師間を軌間幅1435mmで創業した大師電鉄は、北品川までの伸延時に、東京市電の軌間幅137mmに変更して、北品川から先を市電の線路を通り高輪駅まで相互乗り入れしました。

東京市電と京浜電鉄相互乗入れ
・京浜急行の創業
京浜急行の創業以降の歩みを、「京浜急行80年の歩み」と「京急グループ110年史」から辿って見ます。
大師電気鉄道株式会社を設立して1899年(明治32年)1月に六郷橋と川崎大師間を六郷橋詰から大師道に沿って開通し、同年4月に京浜電気鉄道株式会社に社名を変更しました。

 (左)大師堤(右)仮六郷橋を行く京急電車(京浜急行80年の歩みから)

開業2年後1901年(明治34年)2月に、川崎宿から六郷川を渡って大半を京浜国道上を通って、明治9年に開業した官設鉄道大森停車場手前まで開設しました。また、翌年の1902年(明治35年)2月には、六郷橋と川崎間が営業運転を始めました。

 図1 開通時路線(青色太線)と現路線(黒色線)

大森停車場まで開設の翌年の、1902年(明治35年)6月には蒲田と穴森間の穴森線が営業開始しました。開通当初は、海老取川畔の穴森停留場まででしたが、その後かなり経て1913年(大正2年)12月に、穴森稲荷神社門前の鳥居附近に2代穴森駅が開通しました。現在は、地下に潜り国際・国内羽田空港まで伸延しています。
当時の川崎大師の参拝客は、参拝が済むと渡し船で渡り対岸の穴森神社の参詣をかねて、穴森に遊びに行く人が多かった。穴森線の開業により、ますます穴森稲荷の参拝客は増加しました。その様子の紀行文「東京遊行記」大町桂月と、「一日二日の旅 東京の近郊」田山花袋には、それぞれ京急電車と稲荷神社について当時の風景が描写されています。

 図2 穴森線開通線路

1904年(明治37年)3月には、軌間幅を東京市電と同幅の1372mmに変更の工事を行い、同5月には大森海岸から北品川間を専用軌道で営業運転を開始しました。同時に、大森海岸から学校裏間を専用軌道として開通しました。

 大森海岸ー品川間開通線路

1906年(明治39年)には、大森海岸から北品川間を複線化し、梅屋敷と学校裏間、雑色と川崎間を専用軌道となりました。また、1911年(明治44年)には、六郷川鉄橋開通しました。さらに、1923年(大正12年)には、大森山谷と六郷土手間が専用軌道になりました。

 (左)北品川停車場を発車するボギー電車と(右)完成の六郷川鉄橋(京浜急行80年の歩みから)

北品川駅の終点では国鉄との連絡が不便のため、1925年(大正14年)に国鉄品川駅前に高輪ビルディングを建設して、北品川駅から東京市電の線路を相互乗り入れして、ビルの高輪駅を京浜電鉄の終点駅としました。

 (左)北品川駅の京浜31号車と東京市電、(右)高輪停留場入口付近を行く東京市電と京浜55号電車(京浜急行80年の歩みから)

1926年(大正15年)8月には、京浜国道と立体交差のため鈴ヶ森架道橋を竣工し、1928年(昭和3年)には川崎と川崎大師間を複線専用軌道で開通しました。
1933年(昭和8年)4月には、再度軌間幅を1435mmに変更し、北品川から京浜国道を通り、新架設の八ッ山鉄橋を経て国鉄品川駅に乗り入れを開始し、高輪駅を廃止しました。東京市電の終点は品川駅となり、相互乗り入れは終焉となりました。また、1937年(昭和12年)3月には、大森海岸と大森間の営業(「大森町界隈あれこれ 京急歴史(1) 大森海岸と大森間に電車が走る(その1)」参照)を廃止しました。

 (左)大正14年9月完成の高輪ビルディング(右)昭和8年国鉄品川駅に乗り入れ(京浜急行80年の歩みから)

参考:その4記事に関連の写真として、戸板康二さんのブログ[戸板康二ノートtoita1214.exblog.jp 品川から京浜急行で旧東海道。第14回みつわ会公演「久保田万太郎作品 その二十一」を見る。]に、「八ッ山鉄橋を渡っている京浜電車」と「八ッ山鉄橋を渡り京浜国道上を行く京浜電車」の貴重な写真が掲載されていましたので、リンクさせて頂きました。
写真1 西尾克三郎『ライカ鉄道写真全集2』(プレス・アイゼンバーン、1992年11月)より、《L-297 湘南電気鉄道 8 浦賀行急行 京浜電気鉄道 品川―北品川 昭和11/1936》
写真2 西尾克三郎氏撮影の写真、《L-298 湘南電気鉄道 品川行急行 京浜電気鉄道 北品川―品川 昭和11/1936》

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