脳梗塞から認知症になり、要介護1で施設に入所されたM氏から頻繁に電話がある。
電話がかかり始めて3日目である。電話に出ないと、何度でも執拗に掛かる。
施設から出、て家に帰りたいとのことである。それは家族でないとどうしようもないのだと説明する。
今夜は、娘に電話を掛けるがつながらないとの内容である。娘さんも避けたい気分と思う。
とにかく幼い子供のように聞きわけがない。がむしゃらに帰りたいばかりである。
他人の迷惑など考える能力もない。泣いたり喚いたりして自分の要求を通そうとする。
「今日は他人の身」であるが、自分もこのようになるかもしれないと思うと、ゾーッとする。