T定規
姿なき挑戦者
ウルトラセブン第1話
「今回から、47年前の1967年(昭和42年)に放送が始まった『ウルトラセブン』についてとりあげてみようと思う」
「セブンに、なぜT定規が?」
「事件が解決した後の、ウルトラ警備隊の作戦室のシーン。テーブルの上に地図が置いてあって、その上にT定規が置いてあった。T定規はT型定規ともいうて、製図のときに使う道具じゃ」
「どうやって使うん?」
「「T」の字の「-(横棒)」の部分を製図板の側面にあてて、「|(縦棒)」の部分を使って平行線を引く」
「へぇ」
「あと、縦棒のところに三角定規を置いて、垂直の線や斜めの線を引くことができるというわけじゃ」
「思い出した。映画『風立ちぬ』(2013年、監督:宮崎駿)で、主人公の(堀越)二郎さんが斜めになった木の机で、T定規とか計算尺とか使うて図面を書きよっちゃったね」
「むかしは計算尺にT定規、三角スケールや製図板を使うて図面を書きよられた。その後、電卓やドラフターを使うようになって、今はほとんどCAD(キャド)を使いよってじゃの」
「今は、なんでもパソコンじゃね」
「ただ、CADを使うようになって、図面に引かれとる1本の線の重みを考える設計者が少のうなった、という話を設計関係の仕事をしとられる方から聞いたことがある」
「余談になるが、なぜセブンを取り上げることになったか、ということについて話しておこうと思う」
「先月の14日(日)、西区民文化センターで「こころの故郷 ひろしまコンサート」が行われたんじゃ」
「『ちびまる子ちゃん』が中村暢之(なかむら のぶゆき)氏、『ウルトラセブン』が冬木透(ふゆき とおる)氏と、この2作品の音楽を担当されている方が広島出身いうことじゃったね」
「このときから、セブンを見直し始めたんじゃ」
「マンとかセブンって、むかしから見よったじゃないん?」
「ウルトラシリーズも、
第1期
(『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』)、
第2期
(『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』、『ウルトラマンタロウ』、『ウルトラマンレオ』)
いう分け方があっての、わしゃ第2期じゃった」
「本放送で見始めたのが、『帰ってきたウルトラマン』じゃったね」
「ところが、第1期の評価は高いが、第2期は低い。その反発から、あまり見ようとせんかったんじゃの」
「へぇ」
「今回のコンサートがええ(=良い)機会になったけぇ、セブンを見直し始めたというわけじゃ」
「最初にもあったけど、セブンの放送が始まったのが今から47年前になるんじゃね」
「1967年(昭和42年)10月1日、日曜の午後7時という、いわゆるゴールデンタイムに放送された」
「ゴールデンタイムいう言葉もあったね。今や死語なんじゃない?」
「この時間はタケダアワーいうて、武田薬品工業(タケダ)の一社提供の放送枠じゃった」
「♪タケダ、タケダ、タケダ…、って歌が流れるやつじゃね」
「1958年2月の『月光仮面』から始まって、
『豹(ジャガー)の眼』
『隠密剣士』
『ウルトラQ』
『ウルトラマン』
『キャプテンウルトラ』
と続く放送枠じゃったんじゃ」
「そりゃ、すごい」
「セブンについては、あらすじや感想はあちこちで語り尽くされとると思う。ほいじゃけぇ、画面に出てきた人や物、言葉などで、当時流行していたもの、最近では使われなくなったようなものをとりあげていきたいと思う」
「今日は、ウルトラセブン第1話「姿なき挑戦者」に出てきたT定規について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」