通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

宮島言葉のいろいろ その20 「たう」

2012年08月15日 | 広島弁
「宮島の町屋通りに飾ってある「宮島言葉のいろいろ」を紹介するこのシリーズ」

「第20回目の今日は「たう」じゃ」




たう…手が届く
(撮影日:2012年1月4日)




「「たう」とは、「手が届く」という意味じゃね」

「「手が届く」ときは「たう」じゃけど、「手が届かない」ときは「たわん」と言うんよの」

「疑問形は「たった?(=手が届いた?)」じゃね」

「わしゃ、「とうた?」と言うがの」

「そういや、7月16日(月)、東京の銀座にオープンした広島県のアンテナショップの名前も「TAU(たう)」じゃったね」



「たう」は「手が届く」を意味する広島弁で、広島の魅力を届ける場所にする思いを込めた。

湯崎英彦知事は5日の記者会見で「(方言の)意味は関東の人たちには説明しないと分からないと思うが、何だろうと関心を持ってもらえる」と説明。

名称と併せて発表したロゴマークは、店名をローマ字でデザインした。
両端には瀬戸内海の翡翠(ひすい)色をイメージした円を配置。
県産品や観光情報などの「広島の宝」が、手が届く所に提供される様子を表現したという。

(「東京アンテナ店は たう」中国新聞 2012年6月6日)




「なるほど。広島の宝に手が「届く」というところから「TAU(たう)」という名前をつけちゃったんじゃね」

「そういや、「たう」が広島弁じゃいうのは知っとるかいの?」

「普段から使う言葉じゃけぇ、あんまり意識したことがないよね」

「ウィキペディアには、こう書いてあるんじゃ」



(高い所などの離れた場所に手や足などが)届く。
「(郵便などが)送られてくる」といった標準語の「届く」の意味はない。
広島県人が標準語だと思っている言葉の一つ。
否定は「たわん」である。

(「広島弁」ウィキペディア)




「マンガ家の こうの史代(こうの ふみよ)さんは、こう発言されとるんじゃ」

「こうのさんいうたら、『夕凪の街 桜の国』を描かれちゃった方じゃね」



ベリー●登場人物に広島弁をしゃべらせるとき、気をつけることはありますか?

こうの先生●語尾が違うだけなど、意味が伝わる場合はいいのですが、言葉そのものが違う単語はなるべく使わないようにしています。
例えば、「簡単」なことを「みやすい」というのですが、これはわかってもらえないですね。
それから、手が「届く」ことを「たう」というのですが、これも使わないです。

(こうの史代先生「方言マンガ探訪 第五回 広島弁」)





【今日の宮島言葉】

たう

意味/手が届く

例文/「もう少しでたうのになあ(=もう少しで(手が)届くのになあ)」



参考文献:
廿日市市商工会議所『宮島本 改訂版 宮島検定テキスト』2008年
『広島県大百科事典』中国新聞社 1982年






↓「たう」については、こちら↓

「ひろしまファンクラブ 第75号 平成19年1月18日(木)」





↓宮島言葉のいろいろについての関連記事は、こちら↓

宮島言葉のいろいろ その19 「ちーと」

宮島言葉のいろいろ その18 「てごうする」

宮島言葉のいろいろ その17 「にがる」






「今日は、「宮島言葉のいろいろ」で「たう(手が届く)」について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
コメント
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