通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

日本初の私立美術館 観古館 広島市中区

2011年05月29日 | 広島の話題
「昨日は、県立美術館の特別展「復興への願いを込めて」について話をしたよの。今日は戦前、県立美術館があった場所に建てられとった、観古館(かんこかん)についての話じゃ」

「「かんこ」って、どういう字を書くん? 「閑古鳥(かんこどり)が鳴く」の「閑古」じゃないよね?」

「人が集まる場所に、そんな不景気な名前をつけてどうするんや。観光の「観」に、古いの「古」で、「観古館」じゃ」

「古いものを観る、というわけじゃね。ということは、観古館は博物館か美術館じゃったん?」

「美術館じゃったんよ。一般には、1917年(大正6)に東京に建てられた大倉集古館(おおくらしゅうこかん)が、一番古い私立美術館と言われとるんじゃ。観古館は、それよりも4年早い1913年(大正2)、縮景園(しゅっけいえん)内に建てられたんよ。ほいじゃけん、日本初の本格的な私立美術館と言えるんじゃ」

「縮景園いうたら、もともとは、広島藩主・浅野家の庭園じゃったよね」

「江戸時代は「泉邸(せんてい)」と呼ばれとったんよの」

「ということは、浅野家に伝わる絵や書なんかを飾っとっちゃったん?」

「ほうじゃのう。さっき私立美術館と言うたが、浅野家が所蔵する書画や武具、茶器などを展示されとったそうじゃ。入場は無料で、経費は浅野家が負担されとったそうじゃ」

「太っ腹じゃねぇ。お客さんは入ったんかね?」

「1924年(大正13)には、1年間で47,861人が来館されたそうじゃ」

「へぇ」



↓縮景園については、こちら↓

名勝 - 縮景園



↓大倉集古館については、こちら↓

大倉集古館



↓「復興への願いを込めて」についての関連記事は、こちら↓

新たな一歩 「復興への願いを込めて」展 広島県立美術館





「1939年(昭和14)、浅野家が観古館を縮景園と一緒に広島県に寄付されたんよ。といっても土地と建物だけで、観古館に展示されとった美術品は別じゃが。1944年(昭和19)には「郷土館」と名前を変えたんじゃ」

「1945年(昭和20)8月6日に原爆が投下されたよね」

「それで、すべて焼けてしもうたんじゃ」

「県立美術館が今の場所にあるというのは、観古館があったその流れじゃね」

「観古館があった場所に、1960年(昭和35)に県立図書館が、1968年(昭和43)に県立美術館が建設されたんじゃ」

「県立図書館いうたら、今は中区千田町(せんだまち)にあるじゃん」

「あれは、1988年(昭和63)に移転したんよ。ほいで、旧県立美術館と旧県立図書館の跡地に、1996年(平成8)、今の県立美術館新館が建設されたんじゃ」

「そんな歴史があったとは知らんかったね」



↓県立図書館については、こちら↓

来(ら)いぶらりネット@ひろしま 広島県立図書館





「ところで、観古館の物が、何か残っとらんのかね?」

「観古館にあった門が、三次市(みよしし)の塩町中学校の正門に使われとるそうじゃ」



被爆した一対の石柱は約六十キロ離れた広島県北の三次市の塩町中学校にあった。
縮景園内の観古館の門だった石柱は今、校門として再利用され、生徒を見守っている。

花こう岩製の柱は高さ約三・五メートル、一辺四十五センチの角柱。
旧広島藩主、浅野家の宝物を納めていた観古館の門にふさわしく、上部には重厚な装飾が施してある。

一九七一年、塩町中が現在地に新しく校舎を建てた際、校門もできた。
その時、石柱が校門に転用されたことを示す記録が同校に残る。

なぜ三次にあるのか。ある人は「当時の教育関係者が今度、いい門が広島から来ると話していた」と言い、別の人は「三次に広島藩の支藩があったことと関係あるのでは」と推測する。
今でははっきりした経緯は分からない。

被爆に耐えた石柱は黒ずんだ部分があるものの風格を漂わせる。
同校の瀬尾匠史教頭(49)は「生徒たちにとって、原爆の悲惨さを身近に感じられる遺物。しっかり学んでほしい」と願っている。

(「縮景園の8・6 4:石柱漂流 県北の地で生徒見守る」中国新聞)




「石柱は、原爆に耐えたんじゃね」

「縮景園は、爆心地から約1.35キロメートルなんじゃ。石じゃけん、焼けずに残ったんじゃろうの」

「三次に支藩があったっけ?」

「江戸時代の一時期、三次藩というのがあったんじゃ」

「あぁ、忠臣蔵に出てくる浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)の奥さんの阿久利(あぐり)姫が、三次藩の方じゃったよね」



↓塩町中学校については、こちら↓

三次市立塩町中学校



↓阿久利姫についての関連記事は、こちら↓

三次義士祭が行われた、三次市にある寺の名前は?





「今日は、観古館について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
コメント
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