「県立美術館でやっとる特別展「復興への願いを込めて」を見に行ってきたで」
「あれって、本当は別の展示が予定されとったんじゃろ?」
「モネやルノワール、ミレーなどの作品を集めて展示する「印象派の誕生」展というのを、4月5日(火)から予定しとったんよ。ところが、フランス政府が国内の美術館に日本へ作品を送るのを見合わせるよう通達したけん、中止になったんじゃ。なんせ、展示作品のうち約6割をフランスの美術館から貸してもらう予定じゃったけんの」
「原発事故のせいじゃね」
「ほいで急遽(きゅうきょ)、県立美術館が所蔵する作品を展示する「復興への願いを込めて」を、4月21日(木)からやっとってんじゃ。もちろん、収益の一部を義援金に充ててんじゃそうな」
「こういう支援の方法もあるんじゃね」
↓広島県立美術館については、こちら↓
広島県立美術館
「中止が決まって1カ月くらいで、新たな企画で展示会ができるもんなんじゃね」
「県立美術館の越智館長は、16年前の阪神淡路大震災で被災されたそうじゃ。それもあって、今回の展示会になったそうじゃ」
「ありゃ、そうじゃったん!?」
阪神大震災の復興作業が始まって間もない頃に被災地で展覧会を開いた人から、こんな話を聞いた。
「復興作業も最初のうちはいいんです。
みんな頑張れる。
でも、毎日続くとだんだん疲れてくる。
不安になる。
そのせいか、展覧会を開くと、大勢の人が集まってくる。
そして、とても喜んでくれるんです」
(「新たな一歩へ 作家の思い」中国新聞 2011年5月24日)
「広島は、原爆の廃墟から復興したんよね」
「あの時は、日本全体が復興したんよの」
「広島には「第九伝説」いうのがあったね」
「1946年(昭和21)の大みそか、第九のレコードを聞くために、音楽茶房ムシカにたくさんの市民が集まったんよ」
「店内に入りきれんかった人たちが、雪降る中を外に立って、店内から聞こえてくる音楽に耳を傾けた、という話じゃったね」
「今回の展示会でも、1946年、市役所で絵の展覧会をやっとる写真も展示されとったんじゃ」
「芸術には、人を勇気づける何かがあるんじゃろうね」
「苦しいときにこそ、実は必要なもんかもしれんのう」
↓第九伝説についての関連記事は、こちら↓
広島と第九
「5月21日(土)に、倉橋清方(くらはし きよかた)さんという方の講演会「広島県立美術館の歴史」を聞きに行ったんよ」
「倉橋さんって、どんな方?」
「県立美術館で学芸課長をされとった方なんよ。その時に初めて知ったんじゃが、1968年(昭和43)に旧県立美術館が建てられた時は、所蔵作品をほとんど持っとられんかったそうじゃ」
「それじゃ、貸し会場みたいなもんじゃん」
「地元の人の作品を展示する場が欲しい、という要望もあって、美術館の建設が先行したようじゃの」
「今回の展示会も所蔵作品があるけん、できたようなもんじゃけんね」
「美術館の方も作品を集めようとするんじゃが、予算が足りん…。で、当初は寄付に頼ったそうじゃ」
「どんな方に?」
「日本画家の児玉希望(こだま きぼう)氏や、洋画家の小林和作(こばやし わさく)氏じゃ」
「小林さんはこの間、高橋玄洋(たかはし げんよう)さんの話の時に聞いたね」
「小林氏は、自分の作品と、自分が収集した作品を寄贈されたんよ。児玉氏は、代表作を系統立てて寄贈されるそうで、手放していた作品を買い戻すまでされたそうじゃ」
「すごいね」
「倉橋さんが、「これは新聞にも載ったので…」ということで話されたのが、平山郁夫(ひらやま いくお)氏の「受胎霊夢(じゅたいれいむ)」という作品を購入した時の値段。いくらくらいじゃと思う?」
「うーん、見当もつかんね」
「なんと、3億円プラス消費税3%!」
「ひえっ!! 消費税だけで、900万円じゃん!!!」
「もちろん、平山氏の初期の9作品を同時に寄付してもらうという条件がついとったそうじゃ」
↓高橋玄洋についての関連記事は、こちら↓
「視聴率の魔術師」 高橋玄洋記念室オープン 尾道大学
「あと、面白いなと思うたのが、美術館の収集方針じゃ」
「広島市内だけで、広島県立美術館、ひろしま美術館、ひろしま現代美術館と3つもあるけん、何か特徴がいるよね」
「1991年(平成3)に広島県立美術館整備基本計画というのが作られて、次の3つの方針に従って収集されとるそうじゃ」
1.広島と広島ゆかり作家の作品
2.1920~30年代の作品
3.日本とアジアの工芸
「1920~30年代は、大ざっぱに言うと、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間になるんじゃ。ちなみに、第一次世界大戦より前の作品はひろしま美術館、第二次世界大戦後の作品はひろしま現代美術館にあるそうじゃ」
「地元関連の作家の作品は当然としても、日本とアジアの工芸品も集めよってんじゃね」
「アジアいうても、中央アジアの作品が多いようじゃ。日本のものとは色づかいが違うけん、見とって面白いよの」
↓広島県立美術館についての関連記事は、こちら↓
ポーランドの至宝 レンブラントと珠玉の王室コレクション
「ムーミン展」が開かれる美術館はどこ?
「今日は、広島県立美術館で開催されている「復興への願いを込めて」展について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
「あれって、本当は別の展示が予定されとったんじゃろ?」
「モネやルノワール、ミレーなどの作品を集めて展示する「印象派の誕生」展というのを、4月5日(火)から予定しとったんよ。ところが、フランス政府が国内の美術館に日本へ作品を送るのを見合わせるよう通達したけん、中止になったんじゃ。なんせ、展示作品のうち約6割をフランスの美術館から貸してもらう予定じゃったけんの」
「原発事故のせいじゃね」
「ほいで急遽(きゅうきょ)、県立美術館が所蔵する作品を展示する「復興への願いを込めて」を、4月21日(木)からやっとってんじゃ。もちろん、収益の一部を義援金に充ててんじゃそうな」
「こういう支援の方法もあるんじゃね」
↓広島県立美術館については、こちら↓
広島県立美術館
「中止が決まって1カ月くらいで、新たな企画で展示会ができるもんなんじゃね」
「県立美術館の越智館長は、16年前の阪神淡路大震災で被災されたそうじゃ。それもあって、今回の展示会になったそうじゃ」
「ありゃ、そうじゃったん!?」
阪神大震災の復興作業が始まって間もない頃に被災地で展覧会を開いた人から、こんな話を聞いた。
「復興作業も最初のうちはいいんです。
みんな頑張れる。
でも、毎日続くとだんだん疲れてくる。
不安になる。
そのせいか、展覧会を開くと、大勢の人が集まってくる。
そして、とても喜んでくれるんです」
(「新たな一歩へ 作家の思い」中国新聞 2011年5月24日)
「広島は、原爆の廃墟から復興したんよね」
「あの時は、日本全体が復興したんよの」
「広島には「第九伝説」いうのがあったね」
「1946年(昭和21)の大みそか、第九のレコードを聞くために、音楽茶房ムシカにたくさんの市民が集まったんよ」
「店内に入りきれんかった人たちが、雪降る中を外に立って、店内から聞こえてくる音楽に耳を傾けた、という話じゃったね」
「今回の展示会でも、1946年、市役所で絵の展覧会をやっとる写真も展示されとったんじゃ」
「芸術には、人を勇気づける何かがあるんじゃろうね」
「苦しいときにこそ、実は必要なもんかもしれんのう」
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広島と第九
「5月21日(土)に、倉橋清方(くらはし きよかた)さんという方の講演会「広島県立美術館の歴史」を聞きに行ったんよ」
「倉橋さんって、どんな方?」
「県立美術館で学芸課長をされとった方なんよ。その時に初めて知ったんじゃが、1968年(昭和43)に旧県立美術館が建てられた時は、所蔵作品をほとんど持っとられんかったそうじゃ」
「それじゃ、貸し会場みたいなもんじゃん」
「地元の人の作品を展示する場が欲しい、という要望もあって、美術館の建設が先行したようじゃの」
「今回の展示会も所蔵作品があるけん、できたようなもんじゃけんね」
「美術館の方も作品を集めようとするんじゃが、予算が足りん…。で、当初は寄付に頼ったそうじゃ」
「どんな方に?」
「日本画家の児玉希望(こだま きぼう)氏や、洋画家の小林和作(こばやし わさく)氏じゃ」
「小林さんはこの間、高橋玄洋(たかはし げんよう)さんの話の時に聞いたね」
「小林氏は、自分の作品と、自分が収集した作品を寄贈されたんよ。児玉氏は、代表作を系統立てて寄贈されるそうで、手放していた作品を買い戻すまでされたそうじゃ」
「すごいね」
「倉橋さんが、「これは新聞にも載ったので…」ということで話されたのが、平山郁夫(ひらやま いくお)氏の「受胎霊夢(じゅたいれいむ)」という作品を購入した時の値段。いくらくらいじゃと思う?」
「うーん、見当もつかんね」
「なんと、3億円プラス消費税3%!」
「ひえっ!! 消費税だけで、900万円じゃん!!!」
「もちろん、平山氏の初期の9作品を同時に寄付してもらうという条件がついとったそうじゃ」
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「あと、面白いなと思うたのが、美術館の収集方針じゃ」
「広島市内だけで、広島県立美術館、ひろしま美術館、ひろしま現代美術館と3つもあるけん、何か特徴がいるよね」
「1991年(平成3)に広島県立美術館整備基本計画というのが作られて、次の3つの方針に従って収集されとるそうじゃ」
1.広島と広島ゆかり作家の作品
2.1920~30年代の作品
3.日本とアジアの工芸
「1920~30年代は、大ざっぱに言うと、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間になるんじゃ。ちなみに、第一次世界大戦より前の作品はひろしま美術館、第二次世界大戦後の作品はひろしま現代美術館にあるそうじゃ」
「地元関連の作家の作品は当然としても、日本とアジアの工芸品も集めよってんじゃね」
「アジアいうても、中央アジアの作品が多いようじゃ。日本のものとは色づかいが違うけん、見とって面白いよの」
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「ムーミン展」が開かれる美術館はどこ?
「今日は、広島県立美術館で開催されている「復興への願いを込めて」展について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
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