なでしこのサッカーに学ぶこと
なでしこのサッカーは、実に地味で華麗だと思う。つないでつないでのサッカーで、他の国のようにパワーで押してくることはあまりない。しかし、こういうサッカーは日本だけではなく、他の国でもいくつかのところはこのようなサッカーをやっているのだろうし、監督の考え方だから、日本のというよりもその監督の考えているサッカーといった方が適切かもしれない。
つないで、つないでシュートまで持ち込み、決まったときの達成感といったら他のチームよりも何倍もあるのではないだろうか。他のチームは、カウンターを得ると、一気に怒涛の攻めをしてくる。あっという間で、シュートが決まればうれしいだろうが、見ている側からすれば、やはり、つないでつないだ末にシュートに持ち込んで、それが決まると、最高の盛り上がりとなり、これ以上の面白味はない。
なでしこの地道なつなぐサッカーに学ぶことはある。そして、考えてみれば、このサッカーでかつて世界一になったのである。あのときは、賞の正確な名称は忘れたが、スポーツマンシップを讃えるような賞も併せてもらったと思う。
アメリカのチームなどを見ていると、パワーとスピードで圧倒される。つないでつないでの繊細ななでしこのサッカーか、パワーとスピードのアメリカのサッカーか、どちらが勝利するだろうか。どちらもお国柄に溢れている。ところで、伝道のスタイルにもお国柄というものはあるのだろうか。つなぐ繊細な伝道!
平良 師