或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

14番目の月

2005-06-07 22:28:09 | 220 POPS
最近、とあるきっかけで荒井由実時代の「コバルト・アワー」(1975年)というLPのジャケットを眺めていて、「Chinese Soup」という曲を見つけ妙に懐かしくなりました。実は私の昔のバンドの名前なんです。この曲名から拝借したのは間違いなく、ボーカル入りのジャズフュージョンバンドだったのですが、大衆受けを狙ってシャレでつけた記憶があります。(笑)

それで今日は、荒井由実の想い出のアルバムとして「14番目の月」(1976年)を紹介します。中でも購入するきっかけとなった“晩夏(ひとりの季節)”という曲を。

この曲は、1976年8月に放映されたNHKの銀河テレビ小説、“夏のふるさとシリーズ”「幻のぶどう園」の主題歌。マニアックな話ですね。確か山梨か長野から上京してきた歌手志望の主人公の青年が、なかなか売れないのに、田舎にいる父親には成功していると嘘をつき、それがあらぬ方向にいってしまうという、ちょっと悲しいストーリー。音楽じゃなかなかメシ食えないよなあ、なんて主役の尾藤イサオを自分にダブらせていた気がします。

曲も詩も、まさに去り行く夏を感じさせる雰囲気がいい感じ。荒井由実&松任谷由実の数あるバラードの中でも、しっとりとした哀愁を感じさせるという点では、トップランクに入る名曲だと思います。大好きなこの曲については続きがあるので、また別の記事にさせてもらいますね。

ところで情けない話ですが、このアルバムのタイトルの意味を今回初めて知りました。これって満月(十五夜)になるちょっと前の十四夜の月のことなんですね。そのうえで“14番目の月”の歌詞を読むと、「愛の告白をしたら最後、そのとたん終わりが見える...つぎの夜から欠ける満月より14番目の月がいちばん好き」なんていう女の子の気持ちがなんとなく理解できました。(笑)

写真は「星への誘い」さんの、フリー素材の十四夜の月です。左上がわずかに欠けているのが分かりますね。

COBALT HOURCOBALT HOUR

14番目の月14番目の月

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
切ない (ダイアン)
2005-06-08 03:15:24
このあたりのユーミンソングって

切なくてそれでいて妙に潔くて

好きでした。いや、多分今でも好きだろうな・・・妙に聴きたくなってきちゃった・・・。



高校生の頃、松田聖子と共に(何故だ・・・)すっごく流行ったんですよね・・・。なんか懐かしいなぁ・・・

ちょっと大人な気持ちにさせてくれたんですよね~・・・世の中はプリンセス・プリンセスとか言っている頃で・・・ふふふ。

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深いですね (とど)
2005-06-08 21:37:33
終わりゆく季節を綴らせたら、ユーミンに匹敵するアーティストはなかなかいませんよね。



ユーミンが自著『ルージュの伝言』の中で、自分が描きたいのは、ラヴソングという設定を借りてはいるけれど、実は日の光や水の影といった瞬間の輝きを感じさせる風景なんだとはからずも言っていましたが、荒井由実時代の作品はまさにその通りの作品ばかりですね。



最近のユーミンは、「愛」「恋」といったものに人々が共通して抱くであろう感覚に依拠し、そうした感情をあおるような歌詞が多くちょっとついていけません。



ハンコックさんの「晩夏」についての続編、楽しみにしています。
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ダイアンさん、さすがにVCでは。 (ハンコック)
2005-06-08 22:44:02
和製アルバムは入手しにくいんでしょうね。

LAでビデオ屋とか本屋は見たことあるから、CD屋もあることはあるんでしょうけど。

確かにこの頃のユーミンは”せつない”って言葉がピッタリかも。



話は変りますが、松田聖子ってホント歌がうまいですよね。

実は「あなたに逢いたくて」って曲が好きなんです。

もうベタベタの歌謡曲なんですけど。ちょっと恥ずかしいですね。(笑)



P.S.

プリンセス・プリンセスは全く聞いたことがありません。

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とどさん、ありがとう。 (ハンコック。)
2005-06-08 22:49:49
とどさんのおかげで、この記事が書けました。

記事の中でとどさんの名前を出そうかどうか迷ったんですけど、今回はやめときました。(笑)



そうですか、風景を描きたかったんですか。それ納得です。

実は次ぎの”晩夏”の記事って、まさにそこのところなんです。

明日アップする予定なので乞うご期待です。(笑)





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幻のぶどう園 (tadae)
2005-09-01 04:22:27
「晩夏」、いい歌ですよね。実は、つい2,3日前にどしてもこの曲が聞きたくなり、夜中にOnGenでダウンロード購入しました。すごく久しぶりに聞いて懐かしく思いました。同時にこの曲が主題歌として使われていた、尾藤イサオ主演のNHKドラマを思い出し、何という番組か思い出せずにイライラしていたので、スッキリしました。ありがとうございます。あの番組もいい番組でしたよね。確か「晩夏」が流れている後ろで六本木の交差点から見た東京タワーの夜景がタイトルバックで映し出されていたと思います。今日は、8月31日、夏も終わりなんですね…。では、
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私もです。 (ハンコック)
2005-09-01 07:21:55
この記事を書こうとした時に、番組名が分からなくて。

それでネットで捜して見つけました。



いい曲ですよね。晩夏。ほんとこの時期にピッタリ。

私もこの時期になると必ず思い出します。

たぶんTVで放映された季節とダブるんだと思います。



そうですか。

六本木の交差点から見た東京タワーの夜景ですか。

それはさすがにもう記憶にないですね。(笑)

でもなんか分かるなあ。あのドラマのテーマですよね。

田舎と都会の対比は。



思い出させてもらってありがとうございました。

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