水の門

背景をながれるもの。ことば。音楽。スピリット。

露骨だねぇ…

2017-02-21 14:46:00 | 人(またはその作品)に寄せて
前奏に弔問客が呟いた「神式葬儀が一番安い」
(とど)

2010年4月3日 作歌、2017年2月21日 改訂。
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居ても立ってもいられず。

2017-02-18 14:14:36 | 持病に寄せて
辞めてより一年を経た再燃に文を山ほど会社に送る
(とど)

2011年4月20日 作歌。
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一首鑑賞(41):山口明子「精神科の女医の目澄みて」

2017-02-15 15:33:52 | 一首鑑賞
LDの息子の話受け入れて聞く精神科の女医の目澄みて
山口明子『さくらあやふく』


 歌集『さくらあやふく』には山口の18歳から39歳、すなわち大学生から公立中学の教員になり、やがて三人の子を授かっていった期間に詠まれた短歌が収められている。
 長男のLD(学習障害)が見つかったのは、第二子が生まれて間もなくとのこと。幼いながらもお兄さんらしさを覗かせる一方で、突発的な癇癪をたびたび起こすようになり、受診に至ったようだ。

  泣きながら自分の頭を叩く子よ拳に小さき嵐にぎりて
  おもふこと言葉にできぬ子の映る硝子をつたふ春夜のしづく


 そんな中で巡り会った精神科の女医は、訥々と話す子の話を深く受け入れてくれたという。これがきっかけで、行き詰まり状態にあった子の道が少しずつ開かれていく。

  障害をもつ子を深くうべなへる医師のまなざしをながく思へり

 このような出会いは私自身にもあった。精神の病を発症して山梨に連れて来られ、最寄りの医院からの紹介で現在の病院にやって来た。K先生は当時から親しみやすく、症状が急激に悪化した再燃期にも適切な処方をしてくださり、現在は私の主治医をなさっている。先生はご自身のブログで、患者さんに接する際に「気持ちを汲む」「気持ちに添う」という治療態度で臨んでいると書いていらした。それは、十代に入る前の子供を育てているお母さんの母心そのものだという。
 ホセア書11章4節に「わたしは人間の綱、愛のきずなで彼らを導き 彼らの顎から軛を取り去り 身をかがめて食べさせた」と、神の愛についての記述がある。私自身は幼い頃はいわゆる「聞き分けの良い子」で、成人してからむずかったような口なのだが、幼時に充分ほぐされていなかった心をK先生を通じてかなりの部分耕していただいたと振り返って思う。イエス様は病人を診る時、一人一人に手を置いてお癒しになった(ルカによる福音書4章40節)。その姿は、K先生にも、そして山口氏のご子息の主治医にも、オーヴァーラップして見える。
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賀状で上司に宣言したが…

2017-02-11 11:41:30 | 季節にあわせて
舌の毒を薬に変えるという誓いむなしく十二支の一巡す
(とど)

2012年8月26日 作歌。
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#inutanka

2017-02-09 06:08:23 | 言葉に寄せて
来年の年賀状作りの参考にするためにTwitterにメモしている「犬」にまつわる短歌が既にかなり溜まってきたため、気が早いようですがここら辺で #inutanka としてとりあえず公開します。また折々に追加もしていきます。


しろじろと毛深き犬が十字路を這うまたの世の日暮れのごとく/大森静佳
わが犬のドヂな次郎が溝に落ちわれはころびて下駄を落せり/河野裕子
豆腐屋の前の溝から吹いている湯気の匂いを犬もかいでる/竹内亮
自動車の鍵はかけない壱岐という島の空港犬が見送る/竹内亮
店先の自転車のそば飼い主を待つ灰色の犬の落ち着き/竹内亮
夏休みの最初の朝に眠ってる犬を起こして霧を吸い込む/竹内亮
眠る犬のしづかな夢を横切りて世界を覆ふ翼の話/石川美南
二十代遠のくことを対岸の犬の散歩のごとくかなしむ/永田紅
耳垂れし犬ゆっくりと石段を上まで嗅ぎて道にもどりつ/永田紅
色うすき柴犬あわく過ぎゆくをパンのようだと言えば頷く/永田紅
春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる/服部真里子
大きな犬のやうに眠つてゐるだらう月に真白く耀(て)りつつ家は/澤村斉美
犬は地に鼻さしよせて歩めりき光り天よりひたさしにけり/尾山篤二郎
銃の音木魂はしばし谷伝ふあとにうつろにさびし犬の鳴きて/土屋文明
いつも君は犬に好かれき見知らざる犬さへ千切れんばかり尾振りき/尾崎左永子
冬山の遠き木靈にのどそらせ臟腑枯らして吠ゆる犬あり/多田智滿子
雪解けを待ちつつブラシかけやれば盲導犬の背に春陽あり/吉村保
喫茶店の床にごろりと寝転んだ犬のかたちに呼吸(いき)はふくらむ/飯田彩乃
右肩上がりの雲の段々あれはギザの夢を見ている狛犬のせい/井辻朱美
人界に親しみたれば飼犬は素裸なるを恥ぢ入りて吠ゆ/斎藤寛
飼主と飼犬なれど指揮命令系統ぐじやぐじやしてゐる愉快/斎藤寛
人のをらぬ住戸と住戸の壁へだてべうべうと呼びかはす犬たち/真中朋久
黒い犬を見た記憶あらず低きより幼児を見上げてゐたのは かすか/真中朋久
くさむらに鼻さし入れてゐる犬を思へばただにものぐるほしき/真中朋久
砂粒がわずかに混じるハンバーガーくわえて犬は微笑みかえす/佐藤りえ
少年と大きな犬がわあわあとわれを追い抜き波蹴りあげる/佐藤りえ
雨上り 回転木馬 昇る月 黒い風船 つながれた犬/筒井富栄
凍死した犬のかたわら降誕祭 真紅のイエスの空にむいた瞳/筒井富栄
保護色をもつ者だけが住む街に今朝猟犬は放たれてゆく/筒井富栄
まひる 泣き出す前の沈黙の領域をよぎる黄金(きん)の山犬(ジャツカル)/筒井富栄
ムチならし犬連れた人がゆきすぎるその背の高さほどの日没/筒井富栄
野犬狩りの夢のつづきは野の彼方月光の中を影がとびかう/筒井富栄
犬はチエホフのきれぎれの鎖ひきずって春のはじめを遠のくばかり/筒井富栄
遠吠えの犬に凍った赤い月ダイスあそびに落ちてきた恋/筒井富栄
わが泣くを少女等(をとめら)きかば/病犬(やまいぬ)の/月に吠ゆるに似たりといふらむ〔石川啄木〕
愛犬の耳斬りてみむ/あはれこれも/物に倦みたる心にかあらむ〔石川啄木〕
路傍(みちばた)に犬ながながと呿呻(あくび)しぬ/われも真似しぬ/うらやましさに〔石川啄木〕
真剣になりて竹もて犬を撃つ/小児の顔を/よしと思へり〔石川啄木〕
われ饑(う)ゑてある日に/細き尾を掉(ふ)りて/饑ゑて我を見る犬の面(つら)よし〔石川啄木〕
庭のそとを白き犬ゆけり。/ ふりむきて、/ 犬を飼はむと妻にはかれる。〔石川啄木〕
従きて来し犬は日本の犬なればひそと車座の傍らに座す/稲葉京子
犬は花を見ずとも花を見し人の心の機微を味はひてゐむ/稲葉京子
あのやうな人になりたかつた私を人間になりたかつた犬が見てをり/稲葉京子
信号に吾は停まれども余念なき老犬が来て渡りはじめき/三枝昂之
ならぬことはならぬものです霜月の犬しやんとして死んでゐたるよ/吉田隼人
激震に飛び出して来し人の抱く小犬の瞳濡れてふるへる/山口明子
父が逝きし日のゆふぐれの屋上に黒き犬ゐて吾を見おろす/松平修文
十年を人の目となり働きて老いたる犬は我が家に遊ぶ/野田孝夫
麻薬犬災害救助犬警察犬帰りに一杯やることもなし/香川ヒサ
死の自由われにもありて翳のごと初夏(はつなつ)の町ゆく犬殺し/塚本邦雄
心きほふ日は犬鋸(のこ)の目を立てて吸はるるごとく山蔭に入る/葛原妙子
犬を呼ぶ男(を)の子の低音(バス)のこもりつつ雨あがる庭にこもれる溫氣(うんき)/葛原妙子
人の耳にきこえざる音聽きてゐる犬を繫げる鎖地に曳く/葛原妙子
坂の町犬を曳きゆく一人(いちにん)とあゆめる犬の間の默契/葛原妙子
骨折せし犬がギプスを嵌めてゐる後脚を上げてあゆめり/葛原妙子
薄やみに犬繫がれてゐる夕べ猫はほしいままに食卓に飛ぶ/葛原妙子
甕作る古代の筵に耳立ちし大いなる犬うづくまりゐざりしや/葛原妙子
頭蓋低く差しのべたる野の犬は人間の手に愛撫されけむ/葛原妙子
通行のあらざる夜明石道に犬出でて遊ぶ一尾二尾ならず/葛原妙子
犬の尾の渦巻きしあり垂れしあり巴となりて朝辻にゐる/葛原妙子
遠く立ちてわれを眺むる犬をりきあさあけの犬人を襲はず/葛原妙子
あけがたの路面濡れつつさわさわと浮浪の犬はわれにしたがふ/葛原妙子
曉星(あけぼし)はふたたびいづることなきや犬ゆく石の朝街暗む/葛原妙子
 (アルブレヒト・デューラーに)
放心の天使をりつつ足元に犬うづくまる「メランコリア」/葛原妙子
膝の上にあごを乘せくるわが犬をしづかにはらひわれは立ちたり/葛原妙子
犬猫の目あまたひそむ路地をゆくべつちんの足袋あたたかからむ/葛原妙子
ここあいろの乳房を垂れし犬步み既知にいそげるもののごとしも/葛原妙子
夜のあけぬをちかたにして犬吠ゆるそこのみ寒き空氣搖れゐき/葛原妙子
赤き犬群れゐる部落過ぎにしがわがめぐりなる雪の圓周/葛原妙子
雪踏みて耳ほてりゐる束の間のわが聲透る犬を呼びつつ/葛原妙子
蛾のごとくもの憂き斑(はん)犬セッター種立ちあがるとき薄陽差したり/葛原妙子
犬吠ゆる闇の近きに洋菓子のごとき聖壇ともりてゐたり/葛原妙子
犬の毛皮つけたる農夫ありありと夜の教會の椅子にねむりぬ/葛原妙子
散らばりしぎんなんを見し かちかちとわれは犬歯の鳴るをしづめし/葛原妙子
月の夜は球となりつつ犬の尾のゆたかなる總(ふさ)過ぎむとすなり/葛原妙子
炎天に砂あれば砂によこたはる黑犬は漆黑乳房もろとも/葛原妙子
さわさわと野犬の遊步つらなりあかつきに石の街角はありし/葛原妙子
高層に人のめさめのたゆたへるときあらはるる野の犬の群/葛原妙子
犬の耳雫垂りつつゆききせりさびしくもあるかしづく垂るること/葛原妙子
くひちがひて嚙みし犬齒をおそれたりわが飼猫を埋めむとして/葛原妙子
雪の道のへ消毒藥の匂ひして犬屋の白き犬は放たる/葛原妙子
われをよぎる豫感のしづか猛犬を飼ひて山家に老ゆる日あらん/葛原妙子
病む少女臥床(ふしど)にふかく目醒めつつあまたの犬の怒れる時間/葛原妙子
霧はひくく道を這ひをり黑き犬步める短き足ともろとも/葛原妙子
草の上にゆるやかに犬を引き廻し與へむとする堅きビスケット/葛原妙子
ゆるき坂そこにありつつめぐすりを差してもらひし仔犬を連れゆく/葛原妙子
白き靄充つる街ゆきわが連れし犬も鎖もふとうしなはる/葛原妙子
草枯れの見知らぬとほき町のはづれわがうしなひし犬が走るなり/葛原妙子
わが手より葡萄を食へる犬をりてガラスの扉とほく透きとほる/葛原妙子
マルタ島原産の犬が葡萄を啖(く)ふ灰色の毛を深く垂れながら/葛原妙子
光源の眞下に毛長き犬あそぶときふと犬のうしなはれたり/葛原妙子
走りても走りても汗の出づるなき犬をかなしみ暑(しよ)をかなしめり/葛原妙子
ひかりなき家竝の彼方たまたま犬はひとりに步道をわたる/葛原妙子
山上の耳にしきこゆわが家の暗きに小さき犬は吠えむか/葛原妙子
ゆくりなく振り向きしときわがみたり飼犬が階段をのぼりつつあるを/葛原妙子
犬などがことことと階段をのぼりゆくひたすらなるにわれは微笑す/葛原妙子
長き毛を垂りて敷物の上を步く飼犬は室内を薄明となす/葛原妙子
降雪のやみたる雪原をかへりくる犬の腹毛の暗きゆふぐれ/葛原妙子
ワイパーの拭へる雨の小微明よぎりし黑き犬の尾みえず/葛原妙子
山屋(さんをく)の土間によこたはりゐる犬はをりをりにして端坐をせり/葛原妙子
おろかなる犬といへどもわが投げし青草を咥へ走ることあり/葛原妙子
下半身影なる犬よ窓の邊にひとみを張りてしばしゐる犬/葛原妙子
水番の飼へる一尾の銀ぎつね犬よりもやや嗄れて鳴く/葛原妙子
ひとりゐるわが良夜(あたらよ)飼猫はすでに死にたれ犬失踪す/葛原妙子
まさめにしつぶさにみれば犬の目の奥をしみれば鈍き知惠の火/葛原妙子
坂下に暗い夕燒の立つ時間繫ぎし犬を先立ててゆく/葛原妙子
天空より暗き地上をまさぐるに白き塊なんぢは犬/葛原妙子
薄ら陽の差しそめにける雪の上犬先づ走り人次に走る/葛原妙子
もらひたる仔犬育ちてけふみるに馬のやうなる顏となりゆく/葛原妙子
赤き林に赤き木ありてさむき朝嬉しき犬は走りゆきたり/葛原妙子
幻のおほ犬なればグレート・デーン影なる一家婦を衞りゐき/葛原妙子
犬店に大犬をりき 懶(ものう)げに坐りゐしセント・バーナード犬/葛原妙子
憂犬眺むるものにさはなれや舗道(いしみち)をゆく人の半身/葛原妙子
犬憂へ曳かれたりけりアルプスの斑おほいぬ市街を曳かる/葛原妙子
犬の足渡る二、三步雪積める橋はみじかきときに悲しも/葛原妙子
すわりゐる老犬をりきしろ睫毛白犬なれば瞬かんとす/葛原妙子
犬ちひさくちひさくなりゆき おもむろに犬の原型失せにき/葛原妙子
石疊たひらなりせば思ひいで小さき犬の遊ぶことある/葛原妙子
わがみたる風景にしてうらかなし極月の空白犬に晴る/葛原妙子
漆黑のくちびるをもつ幼獸西藏犬に椀より食はす/葛原妙子
十二時半遠耳に啼く犬をりてガラス室のまだら木の影/葛原妙子
猫と犬ちひさき池のほとりにて出あへる星の夜をあやしまず/葛原妙子
腹熱き仔犬を抱きし少年はまどろむわれを迂回しゆくも/葛原妙子
愛なんて、と言いかけてごわごわの服を着ている犬と目があう/虫武一俊
ただ独り留守居してあればさ庭ゆくまぐれ犬さえなつかしきかな/武田寅雄
つれづれのかかる寂しさ冬日(ふゆひ)さす道のとほくに犬がねて居る/佐藤佐太郎
血に染(そ)みて伏しゐし犬がまだ生きて水すする音暫(しばし)ののちに/宮柊二
夜に呼べば懈(たゆ)げに立ちて寄りて來(き)ぬ人の愛撫に狎れざる犬か/宮柊二
梅雨の夜の居間の片隅ねそべれる犬は起たずて目を上ぐるのみ/宮柊二
われに來よと言ふにやあらん吠えやまぬ犬を撫づべくペン置きて立つ/宮柊二
ポンペイの廃墟の昼を寝そべりて吠ゆることなき犬ら病みおり/小川玲
花びらの転がってゆく朝の道犬との距離を保つ正しく/吉野裕之
悲しげな声で鳴いてる犬がいた塀の向こうの昨日の夜に/工藤吉生
透明に一瞬見える紐なので一瞬自由な犬の散歩だ/工藤吉生
鳴き声が省略形のこの犬を ゥ ゥ 真似したくなる ゥ ゥ/工藤吉生
犬吠える・自動車がくる・自動車はそのまま走り去る・犬吠える/工藤吉生
こそこそと家を回って人の目と犬を怖がる初ポスティング/工藤吉生
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