或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

追悼 Oscar Peterson

2008-01-14 06:59:49 | 200 ジャズ
またまた昨年の話だけど、12月23日にジャズピアノの巨匠オスカー・ピーターソンが他界している。享年82歳。そんな年だよなと改めて時の流れを感じて。このところ全くと言って良いほど聴いていなかった。1993年に脳卒中で左手が動かなくなり、片手で演奏を続けながらリハビリを受けていたとか。これも知らなかった。自分の中で彼の思い出は1970年代でストップしている。

少なくともCDは持っていないはずとチェックしてみると、予想通りLPだけ4枚発見。聴いた覚えが明確にあるのは、名盤中の名盤である「We Get Requests」(1964年)と「Walking the Line」(1970年)の2枚。後者はベースがお気に入りのジョージ・ムラーツだったのでよく憶えている。意外だったのが残りの2枚。アルトのソニー・スティットとの競演盤「Sits in with the Oscar Peterson Trio」(1959年)と、クラウス・オーガーマン指揮・編曲のオーケストラとの競演盤「Motions & Emotions」(1969年)。

後者はCTI時代のウェス・モンゴメリーのピーターソン版と言えるイージーリスニング路線。ビートルズ、ジョビン、ルグラン、バカラックと当時のヒット曲特集。”Sunny”、”This guy's in love with you”、”By the time I get to Phoenix”とかホント懐かしい。

振り返ると馴染めなかったですね、彼の音楽には。どうもバイショウの匂いがきつくて。全面に出てくる超絶技巧テクニックと、いやおうなしの強烈なスウィング感が相まって、どうも芸術性や叙情性が感じられない。生涯にグラミー賞を7回も受け、ジャズミュージシャンの中では突出してメジャーだったけど、それがマイナー志向の自分の鼻についたのも確か。

おまけで紹介するのが、そんなピーターソンのLPを聴いたのがきっかけでピアノを始めたという小曽根真の彼へのトリビュートアルバム。タイトルも「Dear Oscar」(1998年)。器用な彼がピーターソンライクなプレイに終始しているのだけど、実に心地よい。聴いていると気づくのが二人の節回しが似ていること。オーソドックス物では彼のベストプレイのひとつだろうなあ。

いろいろ言ったけど、年をとった今の方が肩の力を抜いて自然に楽しめる雰囲気かな。

We Get RequestsWe Get Requests Walking the LineWalking the Line

Sits in with the Oscar Peterson TrioSits in with the Oscar Peterson Trio Motions & EmotionsMotions & Emotions

Dear Oscar (オスカー・ピーターソンに捧ぐ)Dear Oscar (オスカー・ピーターソンに捧ぐ)

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