或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

Agatha

2006-02-01 06:30:16 | 350 映画
今日はミステリー映画「Agatha(邦題は”アガサ 愛の失踪事件”)」(1979年)の紹介。1926年に起きた推理小説家アガサ・クリスティの実際の失踪を題材にキャサリン・タイナンが書いた小説が原作。かの有名な“アクロイド殺人事件”の発表をした前後の彼女と夫、そして夫の愛人との三角関係、嫉妬、報復…。主演はダスティン・ホフマンとヴァネッサ・レッドグレイヴ。

封切り時に見ました。きっかけは、音楽を私が大好きな作曲家兼アレンジャーの米人ジョニー・マンデルが担当していたから。映画「いそしぎ」のテーマ、“The shadow of your smile”の作曲者といえば分かりやすいですね。1925年生まれだから今年81歳。若い頃にトロンボーン奏者としてスタートし、その後多くの映画やTVの音楽を担当。写真はサントラのLPのジャケット。

彼の音楽の特徴は、作曲で言えば愁いを含んだメロディー、アレンジで言えばクローズドヴォイシングを多用したハーモニー。オーケストレーションでは、特にフルートとかクラリネットといった木管とハープの使い方に特徴があります。結果として出てくる音楽はとてもしなやかで幻想的。映画そのものはややミスキャストって感じでイマイチだったけど、音楽はすこぶる良かった。

それで大好きなのが、この映画のテーマ曲”Close enough for love”。多くのアーティストが録音してるけど一番のお気に入りは女性ボーカリスト、ダイアン・リーブス(Dianne Reeves)の「That Day...」(1997年)。実は最近の愛聴盤。私の中で彼女のベストアルバム。ねっとりと絡みつくようヴォーカルがたまらない。シンプルなジャズに徹した控えめなアレンジと、ピアノのマルグリュー・ミラー(Mulgrew Miller)のセンスの良いサポートが光ってます。録音も飛び切り素晴らしい。オススメです。

今回新しいレンタル屋でたまたまこのビデオを見つけたので数十年ぶりに観たけど、エンドロールでパティ・ブルックスのヴォーカルが流れて、これはこれでいい感じでした。でももしリメイクされるなら是非このダイアン・リーブスを流して欲しいなあ。

文庫本 アガサ 愛の失踪事件文庫本 アガサ 愛の失踪事件

ビデオ アガサ 愛の失踪事件ビデオ アガサ 愛の失踪事件

That Day...That Day...