少子高齢化の議論において、「老人ばかりになるから国際化をして、外国人労働者に大いに日本に入国してもらわなければ日本は滅びる」なんていう煽り報道がある。他には、大学の9月入学にしても外国の優秀な人材に来てもらって国際化という報道も多い。そういうニュースでは、「国際化」を望む巷の声をインタビューとして紹介しまくっている。
先週の国会の予算委員会では、民主党の枝野大臣が中小企業にも積極的に海外に進出してもらってその成功の波及効果で日本国内にも需要が増えるなんていう答弁を真顔でやっていた。日本に仕事が無くて、どうやれば景気がよくなると思っているのだろうか。
国際化は日本の唯一の生きる道だと喧伝されているが本当にそうなのだろうか。私は懐疑的です。BSの海外の生のニュースを見ていると、私にはとてもじゃないがそんな感想は持てません。
生のニュースには、移民・失業・貧富・・・そういった問題があふれています。そういった問題が起こる大きな要因の一つが、国や民族の違いである事は残念ながら事実です。特に欧州のニュースを見ているとそれを感じさせられます。それは、地続きという地理的な要因と植民地経営といった歴史的な要因が複雑に絡み合った不可避なものです。
何も、地理的に島国であって、基本的に言えば概ね単一民族国家である日本が、好き好んで施策で強制的に積極的に国際化を進めなければならない理由が私にはイマイチ理解できません。出来る事なら、国際化しない方が同じ地に生まれたもの同士で気心の知れた・・・まあ悪く言えば気楽に生きられるのだからその方がいいし平和だろうに。自然に国際化するのならわかりますが。
バラ色というよりも、厳しい競争社会の中に放り込まれる事を意味する国際化。その上、多様な国民性に対抗する日本人の強さを見せなければならない。多様性を受け入れるなんてのは間違いであって、主張しあって折り合いを付けるのが国際化というものだと思う。そこまで覚悟しているのでしょうか。
今や実際に外国人の姿は観光客としても労働者としても、十数年前とは格段に増えている事は前にもこのブログで書いたとおり承知しています。しかし、だからといって強迫観念のように国際化をしなければならないというのはちょっと違うと思います。
最後にお断りしておきますが、もちろん差別とかそういう事とは全く違うという事は強く強調しておきたいと思います。
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