橋下大阪市長が訴えている「大阪都」構想が、民主、自民など与野党7党の共同提出による新法案で実現へ向けて大きく前進しそうだ。法案は与野党のほとんどが提出者であるため、今国会中での成立は間違いない。
主な内容は、政令市単独もしくは隣接する市町村域と合わせて総人口200万人以上であれば、特別区設置を認める内容。対象地域の議会の議決と、住民投票で過半数の賛成を得なければならないというもの。
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3党合意なんか目じゃない、7党合意とは恐れ入りました。正に「大政翼賛会」ではなかろうか。オリンピックのドサクサ紛れに、何でこれをここまで急がなければならないのだろうか。最高裁で違憲判決の出た「議員定数是正」とかの方がよっぽど危急の課題だと思うのですが。
何故、この法案が大急ぎで提出されるのかといえば、マスコミの寵児である橋下市長と対立したくないというのがミエミエ。出来れば、国政には出てきて欲しくないという願望もあるのだろう。どちらが国政を担っているのやら情けない話です。
この特別行政区の話、確かに府と市の二重行政の解消には大きなメリットがありそうです。元々、東京がこのようになったのが戦争中で、行政コストの軽減がその目的でしたからその面の効果は間違いなくある。
では、デメリットは全く無いのでしょうか。あまりにも大きな権限は、過去の東京の美濃部知事みたいな左翼系がそういう施策を過度にやりだしたり、マスコミに過度に媚びる知事が誕生するとデメリットにはならないのだろうか。
また、財政面で首都東京だからこういう特別行政区が成立つということはないのでしょうか。そういう面の議論が全くされていないのが気になります。メリットだけで、何のデメリットも無いのならば、橋下氏以前に何故今まで全く議論される事も無かったのでしょうか。そこが疑問です。
「総務省の官僚が」とか「官僚の権限が」とかは無しです。民間からもほとんどそういった声が上がっていたとは思えなかったからです。単純にそういう発想が無かっただけなのかもしれませんが・・・。
そういう議論も検証も無く、この法案はオール提出者で早々に可決成立する。橋下市長の維新の会に、総選挙に出て欲しくないという打算からの法案というのは酷い話。しかし、維新の会も研修生から金を取って講習を行っているし、簡単に総選挙には出馬しないとは言えないだろう。維新の会にしても、全国的に候補者を立てるのならば選挙ポスターを貼る運動員の確保とか、選挙資金とかまだまだ時間が必要なはずなのですけどね。マスコミの作る幻影に踊らされすぎる政治には本当にうんざりします。