今回の震災報道では、被災地での壮年層や子供達の様子も多く流れるので印象に残りにくいのですが、避難所の映像なんかではお年寄りの方の割合が多すぎて驚かされる。これは、少子高齢化というよりは、核家族化とか都会への人口流出がその原因だと思う。
もちろん、地方に仕事が無いというのが主因だ。そして、それに伴って小売業などの住民に対するサービス業も衰退して地域全体が過疎化するということなのだ。
昔々、高速道路や新幹線で地方からの通勤が可能になったり、ネットの充実で家での労働がかなり多くなるとかいう未来が語られた。そうなれば、地方に住む人も増えるだろうと思われたのだ。それに加えて、衛星放送の充実で娯楽面でも地方に住む不利は限りなく少なくなったし、アマゾンなどのネット通販ではほぼ何でも買えるし2日以内には大概の地域に配送される。地方に住む条件は整ってきたのに過疎が進むという状況なのだ。
しかし、高速や新幹線の運賃は高額すぎて出張や旅行以外の日常的な利用は事実上難しい状態。家庭での勤務は予想ほどは伸びず。そして、ネット通販は全国の小売業全体に大きな打撃を与えて、小規模店は消えるのみ・・・。アマゾンなんかは海外資本ということで、税金すら日本にまともに入ってこないという最悪の状態だ。
マスコミは東北の復興を口にするが、根本的な構造を変えない限り、無理をして元へ戻しても早晩「無駄」になりかねない。こういう機会だからこそ、早急に根本的なビジョンぐらいは作ってから再興すべきではないでしょうか。思い切った規制も今ならば、世界の理解も得られるはずなのだから。