墓場鬼太郎 #09「霧の中の ジョニー」感想

・墓場鬼太郎 第9話「霧の中の ジョニー」
(脚本/長谷川圭一、絵コンテ・演出/うえだひでひと、作画監督/岡 辰也)


 今回は「「霧の中のジョニー」初のアニメ化」と言うよりは、アニメ版「吸血鬼エリート」(「ゲゲゲの鬼太郎」第1作・15~16話)の素直なリメイクという印象を受けた。

 原作の描かれた年代を考えると順番が逆なのだが、私自身は原作もアニメも「吸血鬼エリート」を先に観ているので、どうしても「エリート」の印象が強いのだ。特に、アニメ版「ゲゲゲ」第1作の「吸血鬼エリート」は、昨年に初めて観たところなので、まだ頭に強く残っている。
 なお、「ゲゲゲ」第4作でも「吸血鬼エリート!」としてエリートの話がアニメ化されているが、こちらは大幅にアレンジされて原作とは異なる展開になっており、少なくとも私は原作版「エリート」や「霧の中のジョニー」と混同する事はない。


 とは言え、今回は「墓場鬼太郎」の1エピソードとして作られているので、さすがに単なる「吸血鬼エリート」の引き写しには終わっていない。「墓場」ならではの描写を楽しむ事が出来た。
 特に、体を溶かされて骨になった鬼太郎の描写は、特にインパクトが強かった。ジョニーのギターに合わせて鬼太郎のしゃれこうべと壺が踊る場面は、不気味な中にも滑稽なところがあり、なるほどこれが「モノノケダンス」なのかと、今更ながらOP主題歌に納得してしまった。
 ちなみに、「ゲゲゲ」第1作では、しゃれこうべの役割はゲタに置き換えられている。前話のリモコン手にも言える事だが、アニメ版「ゲゲゲ」では鬼太郎の象徴としてゲタが重宝されていたようだ。

 また、今回は鬼太郎がライスカレーをたべている場面が妙に印象に残った。
 「墓場」独特の色遣いと相まって、あのライスカレーは微妙にまずそうに見えてしまうのだが、だからこそ鬼太郎が美味そうにたべている様子が面白い。
 そう言えば、後半で目玉親父がくみ取り式便所に捨てられていたが、あそこに溜まっていた「もの」も同じような色だった。こちらは、しっかり汚く見えてリアルさが感じられた。


 それにしても、「ゲゲゲ」の方で印象的だった「コロリポン」や「けんかはよせ。腹がへるぞ」などのセリフが「ジョニー」の方で既にあり、それを「ゲゲゲ」第1作のトリオがまた演じているのだから面白い。
 ただ、今回は霧の中のジョニーのキャラクターが、期待していたほど強烈ではなかったのが、ちょっと残念だ。1話完結なので描き込めなかった面もあるのかも知れないが、原作からの印象と比べると、思ったよりおとなしい感じがした。声の江原正士氏は好演していたと思うのだが。
 そう言えば、前話の茶風林に続いて、今回は西村知道がゲストで首相役として出ていた。この人も、「ゲゲゲ」に百々爺役で出たばかり。やはり、両作品のアフレコはまとめて行われているのだろうか。


 さて、次回は「ブリガドーン」。EDでの予告映像を見る限り、カロリーヌは原作準拠の顔で登場するようだ。
 「水木しげる」一家の描写が非常に楽しみなエピソードだ。はたして、水木先生役は誰が演じるのだろうか。
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