藤子アニメ色々感想

 隔週土曜日はシンエイ藤子アニメの日。「エスパー魔美」「プロゴルファー猿」「21エモン」を、まとめて同じ日に観られるとは、結構贅沢な事だと思う。「魔美」は、終わりが近づいてきたが。昨日、今日とHDD整理のついでもあって、少し古めの放送分を含めて、何本か藤子アニメを観たので、感想を書いておく。


★「エスパー魔美」
・第91話「リアリズム殺人事件!?」
 原作とはまるっきりオチが変えられてしまった問題作。当該誌が手元にないが、本放送当時に「アニメージュ」あたりで本作についての投稿が取り上げられていたと記憶している。
 そもそも、原作自体が「魔美」という作品全体の中では異色作なのだが、「芸術」という狂気にとりつかれた竜王寺という人間を描ききった点では成功していると思う。それに対して、アニメ版は、話としてはまとまっているが、原作と比べると物足りなさが残るし、「元禄血笑記」で刃を落とした真剣を使ったエピソードと、後半の展開とがつながらなくなっている点も気になる。正直、原作を知っているだけに、私にとって評価が難しい作品になっているようだ。
 ただ、アニメ版竜王寺監督の「映画は所詮まやかしだよ。そのまやかしが素晴らしいんだ」という言葉は、もしかしたらアニメ「魔美」スタッフ達自身の思いなのかもしれない。その点では、後ろに「!?」を付けて生まれ変わった「リアリズム殺人事件!?」もまた、印象的なメッセージを残した作品として、評価されるべきだろう。

・第96話「俺たちTONBI」
 チーフディレクターの原恵一が唯一、脚本・絵コンテ・演出の三役をこなした作品(絵コンテについては、演出に含めたためかクレジット無し)。人力飛行機にかける高校生達の青春を描いた物語、と言うとクサい感じだが、ちゃんと(放映当時における)「現代の高校生」が描かれており、非常に爽やかな印象が残る一編。
 魔美の超能力を人力飛行機初飛行には使わせず、クライマックスの列車を追いかけるシーンまで取っておくあたり、話の組み立ても上手い。原氏が監督だった「魔美」は、幸福な作品だったと思わずにはいられない。
 なお、本話より放映枠が木曜19時30分~20時に移り、尺が若干長くなっている。同時に、サブタイトルバックアニメも変更。これは、OP・EDと同時に変わったと思いこんでいたので、意外だった。


★「21エモン」
・第2話「トウキョウシティ!21代目エモンVSモンガー!?」
 基本的には原作の「モンガーで客よせ」に忠実な内容。終わりの方でオナベが登場したが、原作「おせっかいロボット」のエピソードはほとんどが省略されていたのは残念。「ハナ毛ロボット」の登場が楽しみだったのだが。ルナのキャラクターについては、原作より掘り下げられている感がある。今回はあまり気になるところがなかったが、リゲルの出番がなかったせいかもしれない。原作のカメキチより鬱陶しいからなあ。


★「怪物くん」
・第52回B「フンガーフンガー父よ!弟よ!」
 サブタイトル通り、フランケンの父と弟が登場する話。原作では、解り合えない父と子・兄と弟を描き、フランケンの寂しさあふれる名編だったのだが、アニメ版はなぜかフランケン博士がベラボー怪星人の変装と言う事に改変されて、単にフランケンとフランケン2号(原作ではグレンケン)との闘いを描いただけの話になってしまった。
 アニメ「怪物くん」では、原作の秀逸なアレンジが多かっただけに、本話のような改悪と言っていい変更がなぜ行われたか、不思議でならない。30分丸々使って原作をさらに掘り下げたら、原作を越えた名作になったかもしれないのに、残念だ。


 とりあえず、ここまで。「プロゴルファー猿」については、以前にも予告したが、改めてこの一作に絞って近いうちに作品の魅力、面白さを紹介したいと思う。

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