WOWOWで映画ドラえもん一挙放送

 2月22日から、WOWOWで「ドラえもん50周年」を記念しての映画ドラえもん一挙放送が始まった。

 これは、映画第1作「のび太の恐竜」から、2018年公開の第38作「のび太の宝島」までの38作を、ほぼ公開順に放送するもので、大きな特徴としてはリマスタリングしたHD画質になっていることと、音声もオリジナルがモノラルの作品はそのままモノラルとなっていることが挙げられる。
 二つとも、従来のDVDと、その延長であるDVD素材を使ったテレ朝チャンネルなどの放送などではなかったことだ。

 これが、どう画期的なのか。まず画質についてだが、そもそも映画ドラえもんの従来のDVDは、特に画質がよろしくないことで知られる映像ソフトだった。過去のVHSビデオの時に作られた映像素材をそのまま使い回しているのではないかと想像しているが、VHSの時代はそれでもまだよかった。ブラウン管テレビは基本的に今で言うSD画質なので、そこまで画質にこだわるべきものでもなかったからだ。
 それは、DVDになってからも言えることで、2000年代序盤まではまだまだブラウン管テレビが多かったので、問題なかったのだろう。しかし、地上波テレビがデジタル放送に変わり、それに伴って家庭のテレビの多くがHD画質となったことで、そうは行かなくなったのだ。
 今のテレビで映画ドラえもん、特に初期作品のDVDを観ると、画質が悪すぎて素直に作品に入り込めない。少なくとも、私はそう感じるのだ。それが、WOWOWの放送ではHD画質になった。
 参考のために、「のび太の恐竜」のエンディングから画面をキャプチャして並べてみた。上はDVD版、下はWOWOW版だ。サイズは縮小してあるが、それでも画質の違いは一目瞭然だと思う。DVD版ではボケボケな画面が、WOWOW版では非常にクリアに見える。







 そして、音声についてだが、DVD版ではオープニング・エンディングや挿入歌として流れる歌の数々が、差し替えになっていたのだ。これは、おそらく音声をステレオにするための措置だと思われるが、これに伴って挿入歌は映画の場面に合わせたサイズだったものが、単にフルコーラス版を垂れ流すだけとなり、映像と音のシンクロも失われてしまっていた。たとえば、WOWOW版とDVD版の「のび太の宇宙小戦争」で、「少年期」の流れるシーンを見比べると、はっきりするだろう。
 エンディング主題歌の場合、「のび太の海底鬼岩城」がいい例で、DVD版はフルコーラスを無理に編集して差し替えているので、間奏がぶつ切りのひどい状態だ。これも、WOWOW版では本来の「映画サイズ」に戻っている。
 また、DVDでは歌自体が「だからみんなで」に差し替えられてしまった「のび太の魔界大冒険」も、WOWOW版ではオリジナルの「風のマジカル」を聴くことができる。「魔界大冒険」では本編中に流れるBGMも、「風のマジカル」をアレンジしたものはDVD版では他の曲に差し替えられてしまっていたが、これも元の曲を聴くことができるのだ。

 このように、画質が向上して、音声もオリジナルに戻ったことで、WOWOW版では映画館で観るのにかなり近い状態で、映画ドラえもんを観ることができる。この文章を書いている時点で「のび太の魔界大冒険」までを観たが、一度WOWOW版で観てしまうと、DVD版には戻れないと思わされた。私にとっては、それほどの違いがある。
 ただ、一つWOWOW版の問題点を挙げるとすれば、画面が16:9の画角になっていることだろうか。「のび太のねじ巻き都市冒険記」までの作品は本来は4:3で制作されており、DVDでは4:3のままで収録されている。
 しかし、映画館では上下を切ったいわゆる「貧乏ビスタ」の16:9で公開されており、その意味ではWOWOW版は映画館と同じ画面で観ることができると言える。実際に観てみると、元々16:9での公開を意図して作られているせいか、あまり画面の狭さは感じなかった。今では、これはこれでありかなと思っている。4:3で観られるに越したことはないだろうが。

 なお、WOWOWでの映画ドラえもん一挙放送は今回が初めてではなく、2年前にも一度行われている。
 私は、その時にはとりあえず様子見をと思っていたのと、HDリマスタリングされたならいずれBDが出るのではないかと考えて、WOWOWは契約しなかったのだが、結局2年経ってもまだBDは出ていない。このHD版の放送がWOWOWに限定されているところをみると、リマスタリング作業にWOWOWが出資でもしていて独占契約となっている可能性もあるのではないか。
 そうなると、いくら待っていても当分の間はBDは発売されないのかもしれない。WOWOWの一挙放送は始まったばかりなので、今ならまだ全作品の録画に間に合う。私のようにDVD版に不満を持っている人には、間違いなくおすすめできる品質になっているので、迷っている人は観た方がいいだろう。なお、当方はWOWOWの関係者ではなく、この文章はステマの意図はないので、念のため。
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