知らないうちに消えていた「秋田犬」

 最近、非常に驚いたニュースが一つあった。それは、「2円切手が復活」だ。
 何にそんなに驚いたかというと、「二円切手を十一年半ぶりに復活させた」の下りだ。私が知らないうちに、十年以上も前に2円切手が発売停止になっていたのだから、驚かずにはいられない。今はもう無期限休止状態だが、昔は切手収集(特に通常切手)を趣味にしていたというのに、あの親しんでいた「秋田犬」2円切手が引退していたのを知らなかったとは、実にお恥ずかしい。
 しかし、「さくら日本切手カタログ」の2012年版を見てみたら(切手収集を現在やっていないのに、なぜカタログを持っているのかは自分にも謎)、「秋田犬」2円切手にはしっかり価格が載っていた(現行切手の価格は載らない)ので、これで気がつくべきだった。

 ところで、「秋田犬」2円切手は、おおざっぱに言って2種類存在する。一つ目は1953年に発売されたもので、これは「NIPPON」の国名表示がないが、二つ目の1989年に発売された方は、「NIPPON」の国名表示がある他に額面のフォントが変わり、刷色も微妙に変更されている。とは言え、図案は両方とも同じ「秋田犬」であり、長年にわたって親しまれていたと言える。
 個人的にも、切手収集を始めた小学生の頃は、使える資金も限られていたので、少額で買える(あたりまえだ)低額切手は非常に身近な存在で、いろいろと遊んだものだった。低額切手ばかりをたくさん貼りまくった郵便物(封書やはがき)などを自分宛に何度も出していたが、残念なことに今探しても出てこない。見つかったらここに載せようかと思ったのだが。

 ちなみに、先ほども書いたが、2円切手が前回リニューアルされたのは1989年。つまり、消費税導入の時だ。あの時は、封書の料金が60円→62円へと値上げされたため、機械で検知させるために2円切手に微妙な改良が施されたのだった。
 そして、今回の2円切手復活も、消費税率引き上げに伴う郵便料金値上げが原因だ。つくづく、消費税に振り回される額面だ。
 値上げ対応と言えば、葉書が41円→50円に値上げされたときは、加貼用の「9円切手」が発売されたが、これがあっという間に消えたのは覚えている。旧額面の葉書がなくなったら、もう用なしで他への応用が利かない額面だったからなあ。かわいそうなシオカラトンボだった。

 それにしても、なぜ自分は切手収集を自然消滅的にやめてしまったのだろう。実に不思議だ。なんと言っても、小学生から大学生くらいまではやっていた趣味だったのだ。大学3年生以降、大学の情報処理センターに入り浸るようになったせいか。いや、それだけではないだろう。ネットにはまって、さらには本格的に藤子作品に再度熱中しだして、切手収集をやる暇がなくなったせいか。まあ、こんなところだろうな。
 それでも、たまには昔集めた切手を並べたアルバムや、ストックブックを眺めることもある。これらは、昔に戻ることの出来るタイムマシンのようなものだ。そして、中途半端に集められた切手を見ると、シリーズ完揃いにしてやりたくなってしまう。実に危険な誘惑だと言えよう。気をつけなくては、今これ以上趣味を増やす時間と金銭の余裕はないのだ。切手収集は、せいぜい新2円切手を買うくらいにしておこう。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )