はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「ヤッターマン」復活から一日経って

2008-01-16 00:10:07 | タイムボカンシリーズ
 新作「ヤッターマン」第1話が放映されてから一日が過ぎたが、公式サイトのBBSが凄い事になっている。
 作品本編については比較的好評だが、「面白かったです。でもOPの歌は…」と、ほとんどの書き込みにOP・ED曲(特にOP)への否定的意見が含まれているのだ。


 私自身は、最初から「期待しない」姿勢で視聴したので、OPについても「「ヤッターマンの歌」なだけまだマシ」と思っていたが、公式BBSの書き込みを読む限り、OPがあのような曲になると知らずに観てショックを受けた人が多いようだ。
 考えてみれば、これは当たり前の事だ。昔、元祖「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」を毎週楽しみに観ていた人が皆、「ヤッターマン」新作情報を仕入れた上で視聴するとは限らない。むしろ、そんな人の方が少数派だろう。自分で言うのも何だが、いい歳してアニメを観ている人間の方が珍しいのだ。
 多くの人は、「おお、「ヤッターマン」がまた始まるのか。せっかくだから観てみよう」とチャンネルを合わせたら、いきなりあのOPが流れて衝撃を受けたのだと思われる。

 もちろん私だって、原曲と今回の音屋吉右衛門バージョンのどちらがいいかと聞かれたら、迷い無く原曲と答える。今回の曲はヒーローソングのは欠かせない「燃え」の要素がアレンジによって失われてしまっており、盛り上がりに欠ける。
 それでも原曲の完成度が高いから個人的には何とか聴けるレベルだが、子供の頃に観た「ヤッターマン」と同じ「熱さ」を期待した人から文句を言われても仕方のない出来だと思う。

 1990年代後半、読売テレビの19時枠アニメは「金田一少年の事件簿」「名探偵コナン」の探偵アニメ二連発になった頃から本格的にタイアップ曲まみれになっていったが、それ以前の時期も含めて、過去の有名作のリメイク作品はなかった。
 だから、あの枠を取り仕切っている人達は、長年愛されてきた曲を下手にいじったらどうなるかには考えが及ばなかったのだろう。不幸にも「ヤッターマン」が、その犠牲第一弾になってしまったわけだ。原曲の魅力と作品全体に占める位置づけを理解しているならば、あのアレンジでお茶を濁す事は考えられない。

 「ゲゲゲの鬼太郎」だってリメイクされる度に主題歌のアレンジと歌手が変わり、現在放映中の第5作で4代目になるが、それぞれの曲がシリーズごとの作風に合っており、作品の「顔」としてしっかり機能している。作品の内容と方向性を理解したアレンジであれば、歌手が変わろうが問題はないのだ。
 タイムボカンシリーズの主題歌も、山本正之が全て歌ってきた訳ではない。「ゼンダマンの歌」「ヤットデタマンの歌」などは、山本氏は作詞作曲のみで、別の歌手が歌っている。だから、今回も方向性さえおかしくなければ、誰が歌っても支持される余地はあっただろう。つくづく、あの枠で放映された事が不幸だとしか言いようがない。


 製作サイドは公式BBSの声にどう答えるのだろう。それとも、見なかった振りをして完全に黙殺するのだろうか。少なくとも1/15付けの諏訪プロデューサーの日記では不評の声には一切触れていない。
 今後の対応がどうなるのか、非常に楽しみだ。