はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

読売テレビ月曜19時は「ヤッターマン」新作

2007-10-09 22:53:30 | タイムボカンシリーズ
『ヤッターマン』、生誕30周年でゴールデンタイムに復活!(ORICONSTYLEより)


 読売テレビ月曜19時の枠は、来年1月から「ヤッターマン」のリメイク版に決定した。
 以前、「ヤマト」やら「ルパン三世」やら「ハイジ」のリバイバルをやりたいと言っていたのは何だったのだろう。そして、この企画は一体いつから動いていたのか。読売テレビ+タツノコプロの組み合わせも、「ヤッターマン」の復活自体もあまりにも唐突な事で、「タイムボカンシリーズ」ファンとしてもコメントに困る。

 それに、今回はあくまで「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」のリメイクであり、新キャラクターによる「タイムボカンシリーズ」の完全新作では無いという点が、引っかかる。
 完全新作としては、2000年にテレビ東京系で放映された「タイムボカン2000 怪盗きらめきマン」が不発に終わっており、この作品は現時点でDVD化すらされていない。
 1990年代末からのアニメ雑誌を見ると「きらめきマン」はかなりの時間をかけて準備していた事が伺える。それだけ力を入れて作った新作がコケてしまったのだから、今度は一番知名度が高い「ヤッターマン」をもう一度と考えたくなるのは理解できる。


 しかし、最近のタツノコプロはリメイク作品でも芳しい成果を出していない。
 その典型的な例が1997年に放映された「マッハGOGOGO」のリメイク版で、今の「ポケモン」と同じテレ東木曜19時枠で始まったものの、半年で水曜18時30分枠に移動となり、何故か「タイムボカンシリーズ」的な時間旅行物にテコ入れされたあげく、枠移動後は1クールで終了になってしまった。1990年代後期のタツノコプロ迷走を象徴する作品にだったと思う。
 この「マッハ」新作の後にタツノコが制作した地上波テレビシリーズ作品は、前述の「怪盗きらめきマン」のみで、BSやCSの短期シリーズやOVAはいくつか制作しているものの、21世紀に入ってからタツノコの名はほとんど他社制作作品の下請けとしてしか見かけなくなってしまっていた。「タイムボカンシリーズ」から入って1980年代を中心にタツノコ作品に親しんでいただけに、寂しい状況だった。

 そこへ、今回の「ヤッターマン」リメイク版の話が入ってきたのだが、正直言ってどんな作品になるか、非常に不安が大きい。
 読売テレビの月曜19時枠は、OP・EDは作品と関係のないタイアップ曲まみれの時間帯であり、その体制が続くとすれば、山本正之による主題歌はまず期待できない。
 次に、登場キャラが変わらないとして、声優はどうなるのか。キャラと声の知名度から考えて、おそらく三悪の声優はオリジナルのまま、それに滝口順平氏は「きらめきマン」にも出ていたのでドクロベエも続投は期待できるが、ヤッターマン1号・2号やオモッチャマなどは総入れ替えになりそうだ。
 また、ナレーターの富山敬氏は故人であり、どうしても新しい人を起用するしかない。「きらめきマン」では滝口氏が黒幕のドグリンと二役でナレーターを務めていたが、「ヤッターマン」となるとドクロベエのイメージが強すぎるので、ナレーター兼任は難しいだろう。

 さらに、オリジナル版が放映された1977~79年と、現代との表現規制の違いも問題になりそうだ。
 昔のような景気のいい爆発やドクロ雲、ドロンジョのオッパイポロリなどが、現代ではどのような描写になるのか。また、タイムボカンシリーズに不可欠な時事ネタやアドリブ満載の掛け合いは可能なのか。個人的には、アドリブを廃した事が「きらめきマン」失敗の最大の要因だと思っているので、ぜひ復活させて欲しい。


 そして、一番気になるのは、軌道に乗るまで読売テレビが我慢できるかどうか、だ。
 タイムボカンシリーズのどの作品にも言える事だが、序盤1クールを過ぎる頃まではスタッフ・声優とも試行錯誤が続く時期でギクシャクしているところもあり、本格的に面白くなるのは2クール目に入ってからだ。「ヤッターマン」は2年1ヶ月も続いた作品なので、2年目に突入してからはスタッフ・声優ともさらに悪ノリして、抜群に面白くなっていた。
 だから、半年で放映が終わった「イタダキマン」と「きらめきマン」は、真価を発揮する前に終わってしまった不幸な作品だと言える。もちろん、短期終了するにはそれなりの理由はあり、特に「イタダキマン」2クール目の迷走っぷりは、観ていて痛々しく感じるほどなのだが。
 ともかく、本気で現代のこの時間帯に「ヤッターマン」をヒットさせたいのなら、最低でも1年(実質放映話数は40話弱くらいか?)は我慢する必要があると思うが、「結界師」の左遷を目の当たりにすると、読売テレビにそんな忍耐力があるとは考えにくい。



 いきなりのニュースにどう反応してよいかわからず、とりあえずは思った事をとりとめもなく書いてしまった。
 まだ、メインスタッフ・キャストも明らかになっていないので、新作への不安と期待については、詳細が判明してから改めて書きたい。
 願わくば、表面的に旧作をなぞったようなリメイクではなく、旧作のいいところを活かした上で現代ならではの趣向を盛り込んだ、素直に楽しめる作品となって欲しい。これがコケたら、今度こそタツノコに後は無さそうだし。