はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

7/29 ドラえもん「ころばし屋」ほか

2005-07-29 22:31:12 | アニメドラ感想
「ころばし屋」(脚本/早川正、絵コンテ・演出/寺本幸代、作画監督/嶋津郁雄)

 原作で面白いと思った部分が、上手くアニメ化されていて、楽しめた。
 特に、ジャイアンを狙う姿や、笑う場面などの演出で、「血も涙もないころばせぶり」の非情なイメージが上手く描かれており、丸っこくて可愛らしい外見とのギャップが面白かった。また、冒頭の、妙に冷静なドラえもんの様子も、原作てんコミ10巻台のドラらしい態度だったと思う。
 中盤、のび太を狙い初めてからの展開は、アニメオリジナルの部分が長かったが、無関係の人間が次々と犠牲になる所は、いかにもF作品のドタバタ展開っぽくて、よかった。しかし、その後の、のび太ところばし屋の対決は、ちょっと話がだれてしまった感があり、余計だったと思う。射撃が得意なのび太に西部劇パロディをやらせたいという意図は理解できるのだが、結局のび太はころばし屋怖さに依頼をキャンセルするのだから、対決という行動自体に、ちょっと違和感があった。とは言え、全体としては楽しめた一編だった。



「ミニシアター」(絵コンテ・演出/やすみ哲夫、作画監督/木村陽子)

 原作「小学一年生」1971年5月号掲載。今回は、オチが変更された。原作では、ジャイアン達の蛇口からは酒が出ていたのが、トンガラシのジュースになっていた。ジャイアン達の顔が赤くなった時は、原作通りに行くと思ったのだが。
 お酒ネタもNGだと、「ホンワカキャップ」などもダメなのだろうか。あれは「お酒」ではないから問題ないと思いたい。



「きこりの泉」(脚本/大野木寛、絵コンテ・演出/寺本幸代、作画監督/嶋津郁雄)

 原作が、ここ数年で妙に有名になってしまったせいか、原作や、大山版アニメとの差別化に苦心したような印象を受けた。原作との一番の相違点は「使用回数5回」という制限が加わった事だが、いずれにしても結局ジャイアンでオチになってしまうのだから、この改変はあまり意味がなかったと思う。
 他に、アニメオリジナル場面としては、スネ夫が泉に物を入れる場面が加わった。「一番きれいな」ロボットを入れたら、ラジコン巨大ロボが出て来るという展開は、いかにもスネ夫らしい発想で、悪くない。ちなみに、大山版アニメでもオリジナルはスネ夫絡みだが、展開はまるで違う。こちらはこちらで面白いので、興味がある方は「21世紀テレビ文庫」シリーズの26巻をご覧いただきたい。
 オチは、当然原作と同じ。「きれいなジャイアン」を出さない訳にも行くまい。原作のきれいなジャイアンは特にセリフはなかったが、今回は「ハッハッハッ」と笑い続けており、妙な不気味さがおかしかった。
 全体の出来は悪くはない。回数制限を無くして話の流れをよくすれば、もっと面白くなったと思う。