はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

藤子不二雄Aランド、完結

2005-07-12 23:56:34 | 藤子不二雄
 本日発売の「新編集 魔太郎がくる!!」14巻、「新 プロゴルファー猿」9巻の2冊を持って、3年間にわたって刊行されてきた「藤子不二雄Aランド」全149巻が完結した。今日、最後の二冊を書店で見つけた時は、とうとうこの時が来たかと、感無量だった。

 今更説明するまでもない事だが、「藤子不二雄Aランド」は、1984年~91年にわたって刊行された「藤子不二雄ランド」(以下「FFランド」)全301巻のうち、藤子A先生単独の著作となる149巻分を復刊したものだ。オリジナルのFFランドに付いていた、奥付以降の「週刊F.Fランド」やセル画がないなど、細かい部分での違いはあるが、体裁や収録作品など、基本的にはオリジナルのまま復刊されており、藤子A作品の集大成が、安価で容易に入手できるようになった意義は、極めて大きい。
 このAランド復刊が実現するまでには、本当に長い長い道のりがあった。詳細は、MISTTIMES.com Blogで、わかりやすくまとめられているので、そちらをご覧いただきたいが、私も最初期の「藤子漫画復刊署名運動」時代に署名した頃から藤子全集の実現を願っていたので、復刊とは言え、大事業となるAランド刊行が実現して、無事完結を迎えた事は、非常に嬉しい。
 Aランドが復刊されるまでは、A先生の代表作の一つの、「怪物くん」ですら単行本は全て絶版と言う異常な状態だった。2度もアニメ化された作品がこのような状況だったのだから、「怪人二十面相」「くまんばち作戦」「スリーZメン」などの初期作品が、さらに入手困難になっていた事は言うまでもない。FFランドは、F作品・A作品問わず、古書店ではかなり価格が高騰していた。それが、誰でも手軽に多くの藤子A作品に接する事が出来るようになったのだから、藤子不二雄ファンとして、純粋に嬉しい事だ。

 ただ、Aランドが完結した今、気になるのは、今後の藤子作品出版がどのように行われていくかと言う事だ。Aランドは、刊行開始直後こそ多くの書店やコンビニで見かけたが、1年くらいでコンビニからは姿を消し、最近は限られた一部の書店でしか買えなくなっていた。はたして、この復刊でブッキングにどれくらいの利益があったのだろうか。何しろ、Aランドは計画当初、一冊1000円程度になると言われていたのを390円で出したのだ。
 Aランドに続いて、残るFFランドのF作品も復刊して欲しいし、元々FFランドは、一部の作品で収録状況が中途半端なので、可能ならば、続けてAランド第2期を出して欲しいとも思っているが、商業出版である以上、まずは確実に採算がとれなければいけない。とりあえず、ファンとして出来る事は、今後も貴重な作品の復刊や新刊があれば、可能な限り購入して、藤子作品にニーズがある事を示すしかないだろう。とりあえず「ミス・ドラキュラ」は復刊の可能性が高そうなので、どのような展開になるかを見守りたい。

 それにしても、完結の今となって悔やまれるのは、Aランドを全巻予約できなかった事だ。だから、当然全巻予約特典の小冊子も、現時点では手に入らない。刊行開始当時の経済状況では、予約は難しかったのだが、無理すれば出来ないと言う額でもなかった。だからこそ、余計に残念だ。それでも、Aランド全149巻が手元にあって、いつでも読めるという状況だけで、かなり幸せな気分ではある。

 ともかく、今回のAランド復刊に関わった全ての人に、お礼を言わせていただきたい。これまで、お疲れさまでした。