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ときめきの日々を過ごしたい

俳句「岳」三十五周年

2013-04-07 16:55:16 | Weblog

信州に「岳」てふ俳句種を蒔く

三十五年「岳」といふ花咲かす

 

      俳句界の長老第一人者金子兜汰氏(左)前会長の宇田喜代子氏(右)と硬い握手を交わす主宰

 私が場末のそのまた場末にいる、信州で生まれ育った俳句会「岳」の主宰の宮坂静生先生が今回「現代俳句協会長」に選ばれた。光栄至極のことである。宮坂主宰は昭和12年長野県松本市生まれ。中学2年(14歳)で俳句と出会い、富安風生・加倉井秋を・藤田湘子に師事、信州大で近世文学を専攻、同世代の樺美智子の死は衝撃だった。高校教師だった20代半ば、満州開拓団が帰国後に住んだ軽井沢近くの開拓地に通う。移民の半分、約400人が亡くなったと知り、地元の歴史の重さに打ちのめされた。母校の医学部では30年以上、芭蕉や一茶、子規を題材に死と文学を教えた。「医にたずさわる者は、死を意識しないと患者に向き合えない」と確信している。人の死と生を考えることがテーマになった。現在は信州大学名誉教授である。私と同世代の主宰である。「岳」に紹介されている最近の句にこんな句がある。

2013・1  クリムトの接吻以後が枯世紀

2013・2  鶏鳴のはじめふたごゑ諏訪の国

2013・3  わらび折るたび新しきわれなりし

2013.4  鬣に櫛あて春の酣よ          等がある。

                                      祝贈呈句三十五以後を数えている櫻

宇田喜代子